ラスボス
地下4階層目に降りると、目の前に大きな扉があった。
「いきなりボス部屋?」
「みたいですね」
中を覗くと、大きな玉座に腰掛けて偉そうにふんぞり返る、頭に大きな角を2本生やし、黒のマントと全ての指に宝石の付いた指輪をつけ、いかにも”魔王”みたいな、白骨が居た。
「ボーン騎士と同じ様な感じですか?」
「だとしたら、いやだね~」
嫌な不安を感じつつ、扉を開け中に入る。
「良く此処までたどり着いた、我が名は魔」
言い終わる前に、魔銃を撃つ!
「ちょ! まて! 話を聞け!」
セミートで何発か撃ったが、マジークシールドで弾かれる。
「チィ!」
「アーサーの時とは、偉い違いじゃな」
騎士が尋ねる。
「アーサーとは、ボーン騎士殿の事ですか?」
「ああ、そうじゃ、アーサーは生前いや死ぬ前からか、ワシの騎士をしてくれて居った」
「上の様子を見ていたのですね」
「ああ、このダンジョンに入って来た時から見ておる」
問答無用で攻撃できる不陰気で無くなったため、大人しく話を聞くが、嫌な予感しかしない。
「勇者よ、人が喋ってる間に攻撃して来るのは、勇者として恥ずかしくは無いのか?」
「自分は勇者では無いし、魔王の子だから関係ない」
「魔王の子?マジェスの息子か?」
アイシャさんが答える。
「いいえ、先々代魔王マジェス様の娘,マリア様の子息、第二王子ジークフリード様です」
「マジェスの孫か!ワシはマジェスの祖父で初代魔王マサキじゃ!」
「はぁ~やっぱり”血縁者”だったか」
嫌な予感が的中してしまった。
「ココは、見なかった事にして、直ぐに倒して無かった事にしましょう」
「おい!曾々孫よ、それは、余りに殺生な」
「身内が!王都に対して危険な可能性のあるダンジョンの中で、ダンジョンマスターのラスボスでした、なんて言える訳が無いでしょう!」
「いや、一余王都に被害が出ないように、この谷からは出ない様にはしていたのじゃが」
「溢れて、少し出ていましたよ!」
「それに、ダンジョンマスターは、ワシでは無く、この部屋の向こうに居るヤッじゃ」
「でも、仕方が無いですね、曾々御祖父様が、ココの階層ボスで倒さないと先には行けないですし?」
「いやじゃ!まだ死にたくはない、孫にも会いたいし曾孫にも会いたい!」
「もう1度死んでるんですから2度死んでも問題無いでしょ?」
「3度も死ぬのはイヤじゃ!」
(3度? 名前がマサキもしかして転生者?)
曾々御祖父様の元に近づき小声で話す。
「もしかして、転生者?」
「ああ、そうじゃが?まさか曾々孫、お前もか?」
「はい、そうです日本人です」
「おお、そうかそうか、何年から来た?」
「2015年ですが、曾々御祖父様は?」
「2005年じゃ」
「明治では無いの?」
「コレでも平成生まれじゃ」
「自分より年下?」
「そうなのか?」
「此方に生まれてくる年代に、バラつきが在るのかも?」
「ま~ワシは神様に、虐げられた民を助けてくれと、呼ばれて来たからじゃないかな?」
座り込んで2人で話し込んでると、アイシャさんが声を掛けてきた。
「あの~お取り込み中に済みませんが、そろそろ話を進めてもらえませんか?」
「そうですね、しかしどうしましょうか?」
「死ぬのはイヤじゃ」
曾々御祖父様の胸の魔石を見る。
「曾々御祖父様、腕の骨て外せます?」
「ああ、外せるが?」
「痛みは?」
「無いぞ」
試しに外してもらい、砕いてみる。
「何をするんじゃ!」
「痛かった?」
「いや、痛くも無いがワシの腕じゃぞ」
「ひょっとして、曾々御祖父様の本体て、その魔石ではないのかと思いまして」
「え?」
「ドクロのままですと、王都には、連れて帰れませんが、魔石が本体なら適当な体を作り、王都に連れて帰れます」
「帰れる?マジェスに曾孫にも会えるのか?」
「頭を外して砕いても、魔石だけあれば平気、ならですけど?」
いきなり頭蓋骨を外し渡してきた。
「躊躇無いですね」
「当たり前じゃ、どうせ拾った3度目の命、一目孫達に会えるなら惜しくは無い」
「ちなみに、今どんなふうに見えてます?」
「お前が、正面で頭蓋骨を抱えて見える」
そう聞くと同時に頭蓋骨を砕いた。
「あぁぁ!」
「生きてますね?」
「行き成り過ぎる、心臓が止まるかと思ったぞ」
「心臓所か内蔵全部無いじゃないですか」
砕いた骨をアースとゴーレムの魔法で壺にして、魔石本体を引き抜き壺に入れる。
「生きてますか?」
「死ぬかと思った」
「大丈夫みたいですね」
「ああ、だがちと酷いぞ」
「注射打つ時、今打ちますからね~今打ちますよ~とか言われて、焦らされるのが好き?」
「いや、すまん」
最後に残っていた骨を砕き壺に入れる。
「そう言えばココには宝箱無いんです?」
「ココには無いぞ、アーサーも自分で装備してたし、ワシのは、指輪が本来宝箱に入れるべき物かもしれんな」
周りを見渡すと、玉座の後ろに宝箱がある。
「え?何、隠しているの見っけ」
開けてみると、暗闇の中に魔石が1つ。
「あ!」
「え~魔石1つだけ?まあ良いか、もらっとくね」
手を離せば閉まろうとする蓋を、押さえつけて片手で魔石を掴み引っこ抜く。
「コレ、何の魔石?」
「ミミック」
「へ~どんなの?」
「ソコに倒れているヤッじゃ」
そこには、宝箱の原型を保てて居ない何かが倒れていた。
「罠用の魔物じゃったのにな~」
「ま~ボスも倒しお宝も頂いたと言う事で、奥に進む事にしましょう」
「ワシ倒されたのか?」
「ボーンキングはもう居ないでしょ?、喋る骨壷は居るけど」
奥に向って、歩いていくと直ぐに扉があった。




