名前?
赤ん坊の朝は早い。
「おはようございます、奥様」
「おはよう。あの子はまだ寝てる?」
「はい、昨日の夜も夜泣もせず、良くお休みに成られてました。」
「そう、ならあの子が起きる前に朝食を取っておこうかしら。」
「はい、すぐに此方にお持ちします」
・・・・・・・・・・・・・・
「ご馳走様でした。あの子にもご飯上げなきゃ、起きてる?」
「いえ、まだ、お休みに成られてます」
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寝たまま抱っこされ、寝ぼけ眼でおっぱいをもらいながら ねむる ・・・・
「も~しかりと起きて!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
「ソロソロ仕度をしないといけないんだけど・・・・」
「良くお休みに成られてますね・・・・」
「着替えさせてくれる」
「ハイ、お披露目用の服ですね」
眠ったまま着替えさせられ城の大広間に。そのまま起きる事無くお披露目終了。
「1度も起きられませんでしたね」
「ホントあんなに騒がしかったのに、でも、ぐずんで泣かれなくてよかったわ」
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睡魔を満たして、すがすがしい朝(昼過ぎ)を迎える。
「あ、起きられたみたいですね」
「おはよう~朝寝坊さん」
笑顔で話しかけられ取り合えず、笑顔を返しとく、(今何時だろう?体は痛くは無くなったかな?)
お締めを変えてもらい、またベビーベットに寝かされる。しばらくすると 部屋のドアが開き、父が入ってきた。
「やぁ♪今大丈夫かな?」
「ええ、この子も今起きてますよ」
すると、ドアが大きく開き3人の子供が駆け寄ってきた。
「かわいい~プニ~プニ~♪」
指でほっぺを突っいて来る”女の子達”(コレが姉ちゃん達か双子で見分けがつかない)
しっこく突いてくるのでせめてもの反撃に指を握る。
「アリス、イリス、挨拶するんじやなかったの?」
少年が2人を諭す。
「私はアリスよろしくね」
「私がアリスよろしくね」
(どっがどっちか解らん??)
「私がイリスよ」
「私がイリスよ」
どうやら二人ともイタズラ子らしい、握って離さなかった手を、上下左右に動かして操り人形にして楽しんでる。
「ハイ ハイ 僕はラインハルトよろしくね」
(3人とも金髪でお母さん似だな。年は兄10歳、姉5歳てとこか)
母親に抱かれ、フカフカの絨毯の上に輪になって座らされる
「みんな~名前は考えてきた?」
皆笑顔でうなずく
(名前か~昔子供の頃、弟の名前家族で考えた時、”ガン〇ム”て、着けようとして親に笑われたな~)
「では、パパから、・・・・”ガン〇ム” 」
部屋の中から全ての音が消えた!! 無言の中、自分と兄がジト目で父を見つめる
(大の大人が、子供の名前にガン〇ムは、無いだろう! せめて”アレ○クス”にして!)
「え~次はラインハルト」
(母さん、スルーするの?? ま~兄ちゃんの名前もソッチ系ポイし)
「僕が、考えたのは、”ジークフリード・キル〇アイス”」
(兄ちゃん!お前もか! てか”キル〇アイス”は苗字だろ!銀河を征服するのか?!)
「・・・・・次はアリスちゃん達?」
『テェディーベアー』
(ハイハイ それ”ぬいぐるみ”の名前ね)
「・・・・・・・・この中から本人に選んでもらいます♪」
(?! 他の選択し無し?キラキラDoQネームしか無いじゃん)
「みんなが 名前を呼んで、たどり着いた人の名前にします~♪」
絨毯に降ろされ母の顔を見上げる、満面の笑顔、皆がそれぞれの名前で呼ぶ。
(選ばないと、だめ?)母を見上げる、笑顔で背中を押される。
考える、どれが”マトモ”か?(ロボット、アニメキャラ、ぬいぐるみ、ん~人間らしいのは?)
(“ロボット”は論外だし、“ぬいぐるみ”は、片足を持たれ部屋の中を引きずられて行く未来を想像した。)
重い足取りでハイハイ(項垂れながら)兄の所に行った
マリア「ハイ♪“ジークフリード”に決まりね♪愛称は“ジーク”」
皆が拍手している中一人ため息をついた。
みんなが部屋を出る間際、兄がやって来て耳の元で囁いた。
「異世界にようこそ、転生者くん」
「え?」 振り向くと笑顔で手を振りながら部屋を出て行った。