表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続RPG~召喚から始まる魔王生活~  作者: 柊雪葵
第一幕 神族と封印されし大地
38/74

第五章「束の間の休息」7

 一晩明けて翌朝。



 今日は美月(みつき)も休みだという事で、3人で出かける予定だった。

 しかしそれは現実のものにはならなかった。



 その原因は1通のメール。

 差出人はRPG管理人。

 どうせ後何時間以内に戻らなければ──なんていう注意喚起だろうと思っていたが、そうではなかった。



柳生(やぎゅう)三厳(みつよし)に告げる。緊急事態発生に付き、早急に戻られたし。──フランニュエール・ナナニエル・リヴィエール 』



 何が起こったのかを書けよとか、文章が何かおかしいとかツッコみたくなる気持ちを抑える。



 わざわざフランが連絡を入れるということはそれなりに大変なことになっているのだろう。

 もしこれでいたずらだったらキレるけど。



 さて、とりあえずはまだ眠っている問題児の金髪エルフとダメ妹を起こすとするか。



「──リリィ」



「マスター、もう食べられません……」



「起きろ!」



 寝ぼけたことを言っている賢者様を命令1つで手早く起こす。

 声に驚いただけかもしれないが、もしかするとこっちの世界でも召喚による効力があるのかもしれない。



 そしてもう1人は昨日同様にカーテンを開けて降り注ぐ太陽光線の力で起こした。



「三厳……どうしたの?」



「緊急事態発生だ。今から家族会議を開く」



「分かった少し待ってて……」



 このまま二度寝をしないか不安な部分はあるが、まあ、起きて来なかったら放置すればいいだけの話だろう。



 俺は一足先にリビングへ戻ることにした。



 それから5分後。

 支度を終えたリリィと美月がテーブルに着く。



「予定よりも早いがRPGへ戻ることにした」



「はいっ?」



 リリィは素頓狂な声をあげる。

 その目は軽く潤んでいた。

 どう見ても休日家族で出かけるはずが、父親の仕事が入り計画がダメになった時の子どものそれである。



「あっちで何か問題が発生しているみたいだ。だから帰るぞ」



「…………私よりもそっちを優先するんだ」



 その時美月が小声で何か言ったような気がしたが、それを聞き取ることは出来なかった。

 てか、聞き取っているだけの余裕がなかった。



「分かりました。すぐに支度をしてきます」



 リリィはそう言うと元の服に着替えるため脱衣場へ入っていった。



 俺の準備はできているから後はそれを待つだけだ。



「ねぇ、三厳」



「どうした?」



「次はいつ帰ってくるの?」



「またその内にな。まあ、俺の考えている事が成功さえすれば近いうちに戻ってくると思う」



「そう。気を付けてね」



 いつもと違ってしおらしいその態度にどこか気が狂う。



 しかしそんな感傷に浸る間もなく、リリィが着替えを終えて戻ってきた。



 そして俺達はグリフィスの羽根を使い始まりの街へ帰ってきた。



「早速魔王城に向かうぞ」



「はい。分かりました──」



「──ただ場所は魔王城の近くにしてくれ。何が起こっているのかが分からない以上玉座の間は避けたい」



「えっ、はい」



 そしてワーティで城付近のポイントへと移動する。

 その判断は間違っていなかった。



「どうしてあんなに魔族が集まっているのでしょうか?」



 城門の前を物々しい数の魔族が警備している。

 その陣頭指揮を執っているのはディル。



 明らかに状況がおかしい。



「まずは事情を知っているやつと連絡を取らないといけないな」



「それならフランさんにメッセージを入れてみますね」



「いや、待て」



 リリィがエスシュリー(仮)を起動しようとしたところで止める。



 この状況で考えなければならないのは最悪の事態である。

 そしてその最悪の事態というのは魔族による謀叛。



 あの時俺は何が起こったのかを書けよと思った。

 しかし、何が起こったのかを書くだけの時間がなかったとしたら……



「フランは魔族に捕まっている可能性が高い」



「それは……」



「最悪の場合の話だけどな」



 フランがダメとなると、恐らくミリスとエリスもダメだろう。

 そうなると残るのはサシャか正成(まさなり)



 どちらと連絡を取るべきかは明白だった。



「召喚!」



「──み、三厳殿! 大変でござる……」



 俺が呼び出したのは正成。

 普段から姿を消しているこいつならばゼノ以外に見つかることはない。



「状況は?」



「旧魔王城が竜族に襲撃されたでござる。そしてそれが三厳殿が企てた事にされているでござる。それによって拙者以外の仲間は身柄を拘束されて……」



「分かった。もう話さなくていい」



 今にも泣き出しそうな顔で話す正成を止める。



 状況は最悪のようだ。



「マスター……」



「大丈夫だ。正成が無事でいてくれたからいくらでもやりようはある」



 最悪召喚を駆使すれば拘束されたやつらを救い出すことだけはできる。

 それにエスシュリー(仮)で確認した限り、まだ全員生きていて、精神支配をされている形跡もない。



「──まったく、世話のかかる旦那様だ……」



 そんな俺たちの前に突如現れたのはゼノだった──

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ