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第17話 お披露目

こちらは本日2話目です。

前話は12時の更新となります。

未読の方は是非ご覧になってください。

昨夜アイネから聞いたことを参考にして、山方面へ探索に行くことにした。

勿論目的地は昨日聞いた洞窟である。


おそらく2、3日かかる旅程であろうから、しっかりとした準備をしていく。

準備といっても、木材と水の補充である。

木材は寝泊りする小屋を逐一作れるようにするため、予めリメに小屋を建ててもらい、それを《ストッカー》で貯蔵してもらった。

水は言わずもがな、川まで向かい、念のために1週間分ぐらいの水量を、これまたリメに貯蔵してもらった。


毎度リメに頼んで申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

現状、リメがいなくなったらこの地で生きていける気がしない。


……俺も空間収納系の能力が欲しいな。

リメの《ストッカー》は固有スキルだから獲得することはできないが、スキルで《アイテムボックス》という能力が存在しているらしいのでワンチャンあるのだ。

そのうち手に入ったらいいな…




木々に囲まれた道無き道を歩いて行く。

向かう方角に関しては、この世界の太陽――ソルーナ・サングの位置で分かっている。

幸いにもら地球上での太陽の動きと同じであったため、労せずに方角を割り出せた。


そして今回は《認識分解》を解除している。

権能のレベルアップ条件の調査も兼ねているが、魔石の確保が目的だ。

室内灯をルミレットフライで賄うとなった時に、確実に魔石が必要になるからだ。

あと、方面別に魔物の強さというもの知っておきたいからだ。


ちなみに今回使う武器はこれである。

製作者は安定のリメさんだ。



[木刀:薄刃]

  創造神の分霊リメ作。

  武器ランク:B-

  フバツハートチークを加工して作った木刀。

  刃を極限にまで薄くしており、殺傷性は非常に

  高いが、一方で耐久性は皆無に等しい。



とことん殺傷性を求めて作ってもらった。

なにせ俺の《分解結界》の効果により、武器にかかる抵抗が0になるからな。

本来懸念すべき耐久性の問題がガン無視で済む。

どんなものでもスパスパ切れる、折れない木刀。

これだけこの武器のヤバさがわかる。


ちなみに武器ランクはS・A〜Eと一般的に表記され、Sが最も高ランクで聖剣みたいな武器、Eがそこらへんの木の棒とかである。

同ランク帯でも+や-で性能差分がわかれているが、《鑑定》では表記されず、ランク幅は大きいと認識されているらしい。


まあ、これは俺が使わないとただの折れやすい木刀だからな。

素材のおかげでここまで評価が高くなっている。

一般的な素材だったら良くてD-といったところか。



歩き始めて数分でも数匹の魔物と遭遇した。

すぐに襲ってくる様子もないが、襲おうという意志は感じられたのでこちらも臨戦態勢に入る。

俺は専守防衛がモットーなのだ。

そして、いつも通りに《情報分解》を起動する。



[ガーディアンタトゥ]

  非常に堅牢な鎧のような甲羅を持つ、アルマジ 

  ロ型の魔物。

  高い防御力に基づく粘り強い狩りを行い、主に

  昆虫系の魔物を餌とする。

  機動力はさほど高くないため、無理に戦おうと

  せず逃走できれば逃げ切れるため問題はない。

  食材としての適性はないが、甲羅を加工して道

  具にすることができる。



まさに武器の実践に持ってこいな魔物だな。

硬い甲羅に弾かれることなく攻撃できるはずだ。

それにスピードも遅いみたいだから焦ることはない。


そして、1番近くにいたガーディアンタトゥに向けて、甲羅側から思いっきり木刀を振り下ろした。


スッ。


あれ?()()()()()()()

確かに叩き切るつもりで振るったのに、木刀の鋒が地面の高さまで動いている。

けど、相手は何もなかったように佇んでいるしな…

もしかして、からぶったのか?


そうして再び構えるも、何やら様子がおかしい。

周りのタトゥはなぜか後ずさったり逃げたりしているのだが、攻撃しようとしたこいつだけ()()()()()()()()()


ふと疑問に思い、動かないならと、そいつのことを押してみた。


ズルッ…


すると、先ほど斬りつけたところに切れ込みが入ったかと思うと、驚くほど綺麗に真っ二つになった。

その切断面を見てみると、まるで今斬られたことに気づいたかのように慌てて血が溢れ出した。


まさか!

先ほどの斬撃で既に絶命していたのか?

どうやら外したと思っていた太刀筋はきちんと命中しており、タトゥの身体を通過していたのだ。

そして()()()()()()()()()()、未だ身体がくっついていたように見えたようだ。


今回は運良く心臓を通過しており、絶命させていたが、斬られたことに気づかずに動いていたのではないだろうか?

真っ二つになっても動くかもしれないとは、危うく自分を危険に晒してしまうところであった…

なかなか使い勝手の難しい武器だな。

今後は工夫して扱うことにしよう。


しかし、おかげで物理攻撃面はこれさえあれば何とかなることが実証された。

あとは素振りとか実戦を重ねて、上手に扱えるように鍛錬しよう。

この樹海で生きて行くには、戦闘することができて損することなど絶対にないのだから。



ちなみに、俺があれこれしている間にリメが他の逃げ遅れたガーディアンタトゥ達を討伐していた。

無論俺と違い、素材になる甲羅も極力傷つけないようにしていた。

これが魔法と物理の違いというやつなのか…


俺の倒したやつ?

ものの見事に甲羅も真っ二つだよ、ちくしょう。

《素材分解》しつつ非常に虚しい気持ちになった。

次回更新日は7/30(木)です。


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