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異世界に呼ばれたオタク女子 スキルが多すぎて使いこなせない件  作者: Melody


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36/36

ヒューマン国の王族と オタク女子

前回の続きです。

みんなが餃子でお腹いっぱいになった頃、

王の前に立つ星神に気が付いた人達が、


「あのお方は星神様では無いか?」


シャルーンも星神の姿を確認して、

ヴァイアンの話が本当だった事を知り、

小刻みに震えていた。


星神は王に向かって、

「えっと…サクラさんの事ですよね、

彼女は私と精霊王達の願いを叶えに来て下さった方、

この星に住む方々とは違った魔法も使う見たいですが、

この星の住人では無いので魔法が違うのも仕方ない事、

星のエネルギーの状態が悪くなって来たのを、

修正してくれますので、

これからは安心して暮らして下さい」


饒舌に話をしている星神を見たサクラは、

「へぇ〜星神、饒舌になっちゃってどうしたの?」


星神は嬉しそうにサクラを見て、

「ノル達にサクラさんの説明が上手く出来ないと、

相談したら色々教えてくれて、

良く聞かれる質問は前もって考えておけばいいと、

内容も考えてくれて助かってます」


王は理解出来ていない様な顔で、

「星神様…ではあの少女はこの星の者では無い、

この星の為に来て下さった方、

では私達にとって救世主という事ですか?」


王の質問を聞いてサクラはダッシュで、

王の前に立ち塞がり、

「何を仰る、

アタシを良く見て下さい、

どこが救世主ですか?

勘違いも甚だしい」


サクラはクルッと星神に振り返ってから、

星神の腕を掴んで、

「星神帰るぞ、

オッサンじゃあまた明日の朝、

城の前に兵士を送る」


サクラはポータルに向かって歩き出すと、

「あっ、忘れてた」と言って、

シャルーンに向かって浄化の魔法をかける、

シャルーンは「ああああ〜」と叫んで、

床に座り込んでしまった。


「そいつの精神への呪いは今解除したから、

それとオッサン、

そいつのせいで火傷を負った人、

怪我人、病人を1箇所に明日集めてくれたら、

全員治すから集めておいて、

んっじゃ、また」


サクラと星神はポータルの中に入って、

ポータルが閉じてしまった。


シーンと静まり帰った謁見の間、

王は手を額に当てて、

「一体…何が起きたのだ?

さっきまでベッドに寝かされていた、

もうそのまま死んで行くのだろうと諦めてもいた…

気が付けば木の人形に抱かれて、

色々な食べ物を口の中に押し込められ、

何故か意識がはっきりして来て、

元気になって行った…

私に何が起こった?」


ヴァイアンが王の前で跪くと、

「陛下、国境での話と、

あの少女の拠点の様子、

そしてこの王都までどの様に来たか、

全てお話します」


ヴァイアンの話に興味のある者達が、

ヴァイアンを囲む様に集まり耳を傾けていた。


ヴァイアンの話に皆首を傾げて、

「その様な荒唐無稽な話…」


「空を飛ぶなど聞いた事が無い」


あちらこちらから色々な呟きが聞こえて来たが、

王は益々混乱して来て、

「ヴァイアンよ、そなたは精霊王様にも会ったのか?」


「はい、拠点という場所には、

精霊王様達が全員いらっしゃいました、

馬の疲れた様子を見た動物の精霊王様に、

叱られそうになった所、

少女が精霊王様に説明をし、

叱られずに済みましたが、

精霊王様達も少女には頭が上がらない様にも見えて…

明日、拠点から帰って来る兵士隊に話を聞けば、

もっと詳しい話が聞けると思います」


王はシャルーンを見つめて、

「シャルーン、

お前はあの少女に魔法を撃ったのか?」


シャルーンはまだ力が入らない様子で、

「あ〜撃ってやったよ、

アイツぜ〜んぶ吸い込みやがった」


「吸い込む…

この国の魔法の研究は進んでいると思っていたのだが…

まだまだ、だったのか?」


そこに公爵が、

「陛下、

私は少女が炎を吸い込む所を見てました、

あの少女の魔法は、

この星の物では無いと星神様も仰ってたので、

いくら研究しても少女の使っていた魔法は、

我々には理解出来ない物だと思います、

ただ、私が思うに、

少女とは今後良い関係を持った方が、

国の為になる事は確か」


王も周りの人間も大きく頷く、

王は第一王子のグレイスが激しく頷いている姿を、

怪訝な顔で見つめて、


「グレイス、

今日のお前は何かおかしいぞ、

早く妃を決めろと何回も機会を与えたのに、

全然興味がない様に見えた…

だから女性が苦手なのかと悩んでいたのだ、

それなのに、さっきの態度は何だ?

まさか…

幼い娘が好みとか言ってくれるなよ」


今まで何も話さなかったグレイス王子が、

スクッと立ち上がり、

「父上、変な想像はおやめ下さい、

私は幼い娘などには興味はありません、

彼女には大変興味は湧きましたが、

私達を助けてくれた彼女は幼い娘なのですか?

あの堂々とした態度、

王族に媚びる様なことも無く…

父上をおじいちゃんと…

私に向かってはアイツと言ったのですよ、

今まで、王族だから、

見た目が良いからと…

私の中身を見てくれる様な女性は皆無でした、

だから結婚なんて物には興味が無かったし、

それに、

シャルーンに息子が産まれたのだから、

後継はその子でいいでしょう、

男子が多く産まれれば争いも起きる、

だからこそ、

私は結婚をしない方が良いと言う考えに至っただけです。

決して幼い娘が好みなどと失礼な事は言わないで頂きたい」


その場が水を打った様に静まり返り、

こんなに語るグレイスを見た事が無い王達は唖然としていた。

普段グレイスは必要な事しか語らず、

冷静沈着で冷たいイメージだった、

頭も見た目も良く高身長だったので、

女性達には人気があり、

何かと理由をつけて女性達が寄って来ていた。


それをグレイスは疎ましく思っていたので、

女性達には冷たい態度を取っていた、

周りの人達は、

グレイスは女性に興味が無いと認識していた。


王は熱く語るグレイスを見て、

「グレイス…興味が湧いたとは、

どんな興味なのか教えてくれ」


グレイスは数秒目を閉じてから、

「あの行動力、

大柄の兵士をオッサンと呼び、

見た事の無い穴を開け、

穴の中は別世界、

食料を惜しみ無く提供する姿、

あの人をバカにした嫌らしい微笑み、

王族のシャルーンに向かって、

容赦無い行動…素晴らしい」


シャルーンが「フンッ」と鼻で笑って、

「何だよそれ、

兄上ってただのMだろ?

違うか…ドMか、アハハ」


グレイスはシャルーンを睨み、

「シャルーン、

お前が私達にした事は決して忘れ無いからな、

そんな小さな子供の体になってしまったが、

罪を償わせる為に私がこき使ってやる、

今までお前が仕事をしない尻拭いを、

随分やらされていたからな、

これからはそうは行かない、覚悟しておけ」


シャルーンは笑顔のまま固まっていたが、

王と王妃は何とも言えない顔で息子達を見つめていた、

近くにいた人達もどう反応して良いか分からず黙っていたが、

ヴァイアンが立ち上がり、


「陛下、

今日はお疲れでしょう、

ゆっくり休んで下さい、

私はこれから病人や怪我人、

それとシャルーン様の炎で焼かれた者達の、

確認を取りに行きます、

近衛兵達も手があいている者は、

協力して頂きたい」


近衛兵の1人が、

「勿論、協力させて頂く、

集める場所は何処にするか?」


王が片手を上げて、

「是非この場所を使ってくれ、

私もあの少女が治療している様子を見たい」


ヴァイアンは頷き、

「ではこの場所を使わせて頂きます」


「ヴァイアン殿、

怪我人は今治療中の者を連れて来れば宜しいのか?」


ヴァイアンは硬い表情になって、

「いや、四肢を無くした者、

目が見えなくなった者、

耳が聞こえなくなった者全てだ」


近衛兵は驚いて、

「えっ?ヴァイアン殿何を言っている?

戦いで怪我した兵士以外の、

先天性の病人もか?」


ヴァイアンは頷いて、

「先天性の者は数人連れて来て欲しい、

これは私の賭けだ、

何故なら、エルフとの争いは酷いものだった、

火の魔法攻撃で半身焼かれた者や、

腕や足を斬り落とされた者、

馬もそうだった、

息も止まっていた者もいたはず、

それが…あの少女は全て治してしまった、

私の見間違いでは無ければ、

首が斬られて皮一枚の馬もいたはず、

それが、ぜ…全部、元気になっていたんだ、

それに皆、気がついたか?

シャルーン様の呪いを解いたと言ってただろ?

呪いってあんな簡単に解けたか?

確認してみたいんだ、

あの少女の治癒の力を、

それと、星神様は仰って無かったが…

あっ…少女に忘れろと言われていた事が」


王が「何だ?ヴァイアン」


ヴァイアンは周りを見渡して、

「陛下、人払いをお願いします、

少女の機嫌を損ねたく無いので」


王は、

「すまないが皆、席を外してくれ、

私とヴァイアン2人で話がしたい、

近衛兵はシャルーンを自室に連れて行き、

勝手に出られぬ様に見張りを置け、

マリアンヌ、

シャルーンとの事は今度ゆっくり話がしたい、

勿論、マリアンヌの希望を優先する、

今回の事は本当に申し訳なかった」


マリアンヌはドレスをつまんで、

軽く膝を曲げると、

「陛下、ありがとうございます、

では日を改めてお話を」


マリアンヌはシャルルの手を引いて部屋を出て行き、

その後に続いて他の者達も部屋を出て行った。

王妃は王の顔を見つめて頷き、

近衛兵を伴って出て行ったが、


グレイスは王の横から動こうとはしなかった、

「グレイス、何をしている?」


「私は第一王子です、

話を聞く権利がありますよね?」


王はため息をつきながら、

「では約束をしてくれ、

今までのお前を見ていて、

そんな事は無いと思うが、

必要以上にあの少女と接触しようとは考えるな、

それを約束出来るならここに居ても良い」


グレイスは少し顔を赤らめて、

「そんな恐れ多い事出来ません、

ご安心を」


王はグレイスの反応に不安しか無かったが、

「なら良い、

ヴァイアン話を聞かせてくれ」


ヴァイアンは

サクラは全能神に導かれて来た者と、

精霊王から説明された事を話し、


王は唖然とした表情になり止まってしまい、

グレイスは高揚した顔で、

「全能神…

ヴァイアンは彼女に全能神の力があると考えているのか?」


ヴァイアンは真剣な顔で頷き、

「全能神様が導いた者、

地の精霊王様は、

何でも望みを少女に言え、

全てが上手くいくと仰ってました」


グレイスは両手で顔を覆い、

興奮を抑え込んでいる様に見えた。


そんな息子を心配そうに見つめる王は、

「ヴァイアンその事はあまり広めない様に、

今拠点にいる兵士達も聞いていたのか?」


「はい、聞いていました」


「では、口止めを忘れない様にな、

明日、先天性の病の者を癒せたら、

病に苦しむ者がこの世界からいなくなる、

それは素晴らしい事だな」


「そうです、だからこそ、

少女がいる時に出来るだけの者を癒して貰わないと、

またいつ会えるか分からなくなると思いますので」


王は髭を撫でながら、

「そうだな、何か繋がりを作っておきたいの」


そこにグレイスがドンッと胸を叩いて、

「それなら良い考えがあります、

シャルルがあの木の人形を気に入っていました。

一体借りれば良いでしょう」


「そんな簡単に貸してくれるか?

少女に従順なゴーレムであろう」


「だからこそです、

何か有れば彼女に伝えてもらえる手段があるはず、

呼び出したり、体に戻したりしてました、

繋がっている筈です」


王は「なるほど」と言いながら、

嬉しそうな息子の顔を見て、

(こんな嬉しそうな顔を初めて見た…)


不安が拭えない王であった。



読んで頂きありがとうございました( ̄∇ ̄)/

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