ノルの村へ行く オタク女子
ノル達の村に到着したサクラは、
お年寄りとぶつかる。
忍者太郎達が狩って来た大蛇は、
ギガントスネークと言って、大変美味しいらしい、
ハンタージル達の指示のもと、
素早く解体され、
ルーア達とノル達のお腹に入った。
それでもたくさん残ったので、
アイテムボックスに収納、
それから出発準備をしていると、
フィーが現れ、
どこに居たのかと尋ねると、
サクラ達が採掘に行った時から、
ヒヨコと一緒に寝ていたらしい、
大変寝心地が良かったそうだ。
そんなこんなでバタバタしていたが、
午前中にノルの村へ出発する事が出来た。
ノル達は青い顔をしていたが、
サクラはお構い無しに、
リヤカー車にノル達を乗せて出発する、
何故かフィーもサクラの頭の上でスタンバっていた。
「じゃあ行って来るから、
太郎君達、後は宜しくね」
残される太郎達は手を振って見送ってくれた、
一方星神達はそれぞれ好きな事をして過ごしていたが、
ピエールとプラニはサクラからの宿題を、
必死にやっている。
サクラ達は最初はゆっくり走っていたが、
「時速80位なら行けるんじゃね」と、
サクラが呟いて、速度を上げて行くが、
速度計が付いている訳じゃ無いので、
最終的にはとんでも無いスピードになり、
30分もかからないで、村に到着したのだった。
サクラはリヤカー車に向かって、
「到着したよ」そう声を掛けると、
リヤカー車から転がり落ちる様にみんな出て来て、
その場にへたり込んでしまった。
恨めしそうにサクラを睨みながらノルが、
「は〜は〜、スピード出さないって、
約束したよね?」
サクラは村を眺めながら、
「そんなにスピードを出したつもりは無いんだけど、
ってか…この村なんか変だな」
ノル達も村を眺めて、
「そうか?いつもと変わらないがな」
「そうですね、私もそう思います」
サクラはみんなに向き直り、
「ならいいや、ノル、早くお母さんの所に、
行ってあげなよ、アタシ達は食事の用意をしてる」
ノル達は頷いて、ヨロヨロと村に入って行く、
それを眺めていた太郎が、
「マスターは中に入らない?」
「そうだね…肉はここで焼こうか」
サクラはアイテムボックスから、
果物と肉がいっぱい乗ったリヤカーを出し、
鉄で作ったバーベキューコンロ出す、
太郎はテキパキと動いて肉を焼く準備をしている、
頭の上のフィーもサクラ達の速さに酔っていたが、
やっと意識がハッキリしたようで、
サクラに声を掛ける、
「相変わらず酷いスピードだよ、
サクラは頭に乗ってる私の事も考えてよね」
サクラは無反応、
「サクラ?ちゃんと聞いてる?」
難しい顔で空を眺めているサクラに、
「サクラ?どうしちゃったのさ〜」
フィーはチョンマゲを、
ゆさゆさ振りながら声を掛ける、
「あ〜ごめん、フィーさ、
これから山以外は付いてこない方がいいかも、
フィーなら分かるでしょ?
この嫌な空気を」
フィーはサクラに言われて、
空を見上げ匂いを嗅ぐ様にスンスンして、
「何だろこれ?変な感じがするね」
サクラは頷くと、
フワッと高さ30メートル位でまで飛ぶ、
そして360度ゆっくりと回りながら、
周りの様子を伺う、
「この場所よりもあっちの方が…、
何て言えばいいか…臭い?
山に向かった方が爽やかな感じ?」
「ああ、分かるそんな感じだよね、
なんか臭うっていうか…」
そんな会話をフィーとしてると、
村からノル達が出て来て、太郎に声を掛ける、
「あれ?マスターはどこ行った?」
太郎は無言で、人差し指を上に向ける、
ノル達は上を見上げて、
「マスター、村人が集まったから、降りて来て」
サクラはノルを見て、
「今降りるから待ってて」
サクラはゆっくりと着地すると、
「ノル、悪いんだけど、
村人がホーリーマウントに引っ越すかどうかは後にして、
村人の準備が出来たら直ぐに草原に戻るよ」
ノル達は驚いた様子で、
「えっ?何で?」
「詳しい事は後で説明するから、
取り敢えず怪我人と、病人は一箇所に集めて、
体力的に連れて来れ無い人は、
太郎君貸すから」
サクラはもう1人太郎を出すと、
村の中に入って行く、
村人達は太郎を見て騒ぎ出した。
「何だあれは?トレントか?」
「見た事ないモンスターだ、
ノル何をしてる?モンスターを連れて来たのか?」
村人が騒めき太郎をモンスター呼ばわりしたので、
ハンタージルとシェルパが慌てて、
サクラの顔色を伺いながら、
「みんな黙れ!彼は太郎君って言って、
モンスターでは無い!」
「お願いだからそれ以上何も言うな!」
サクラは太郎をモンスター呼ばわりされて、
腕を前で組んで様子を伺っていると、
そこに長老のタタンが、
「ジルとシェルパ、何をそんなに慌てている、
あれがモンスターじゃ無いのは分かった、
じゃが、あの偉そうなヒューマンの子供は誰だ」
ジルとシェルパは「ヒ〜」と声を発すると、
「あの子は子供じゃ無いらしい、
俺達もそこら辺は詳しく聞いて無くって…」
そこにノルも入って来て、
「長老様、彼女はこの世界の子では無いらしく、
子供に見えますが、成人女性らしいです」
サクラはノル達と村人が、
困惑している様子を見て声を掛ける、
「アタシはサクラ、
この世界の人間では無い!
それと立派な大人だ、
それとここに居るのは太郎君、
アタシが召喚した、
突然で悪いけど、この場所に、
病人と怪我人を連れて来て」
長老達は驚いた様に、
「何を訳もわからん事を藪から棒に、
病人なんか連れて来れるか」
「老害は何処でも湧くんだな〜、
ノル、お母さん連れて来て、
連れて来れ無い状態なら、
太郎君に抱っこしてもらって」
ノルは真面目な顔で頷くと走って行った。
そこに、ポルンが、
「マスターさん、私のお父さんも診て下さい」
ポルンは父親の腕を掴み、
無理矢理引っ張って来て、
サクラの前に出て来る、
「ポルン、何をやってる、
見知らぬ子供に施しを受ける程、
俺は落ちぶれて無いぞ」
ポルンの父親は、
左足の膝から下が無く、
右手の中指も根元から無くなっていた。
そして、痩せて顔色も悪い、
サクラはため息をつきながら、
簡易ベッドを魔法で出す、
村人達は、
突然出て来たベッドを見て騒めくが、
サクラは黙々と準備をし、
「ポルン、
お父さんをここに座らせて」
ポルンの父親は、
不審そうな顔をサクラに向けて、
「何だ、初対面なのに挨拶も無く、
ポルンに偉そうにしやがって」
「あ〜面倒くせ〜な!
初対面とか子供とか何か関係ある?
施しなんかしないし、黙ってそこに座れや、
太郎君オッサンをベッドに寝かせて」
太郎は「御意」と返事をして、
ポルンの父親をお姫様抱っこでベッドまで運び、
凄い力で寝かせて、
太郎が声をかける、
「オッサン、マスターに迷惑かけるな!」
ポルンの父親は硬直して、
太郎の顔を見つめる、
そんな状況をエバンとジルとシェルパが、
青い顔をして見ていた。
サクラはポルンの父親に鑑定魔法をかけると、
スキル表が出て来る、
「やっぱ使えね〜、
次はサーチしてみるか」
サクラは目を閉じて、
オッサンの体の不調をサーチと念じると、
ポルンの父親の体の状態が隅々まで見えて来る、
足を失った日も表示され、
体調不良の項目も細かに出る、
「なるほど…便利だけど…
何の魔法で治療するかは出て来ないっと、
使えね〜まぁ〜いいか、
イメージすれば良いでしょ」
そうぶつぶつ言った後に、
ポルンの父親に両手をかざして、
足や手が生えて来るイメージをしてから、
手から光を放出する、
光はポルンの父親の、
身体中を包み込んで行く,
サクラは、
何の魔法を使っているかは分からない。
(光魔法を使ってるのか?)
光が全身を包み込むと、
無くなった足が光と共に戻って行く、
指も同じ様に戻り、
ポルンの父親が、
回復していく姿を見ていた村人達は驚愕して、
病気や怪我をした家族がいる者が、
家に向かって走り出す、
そこに母親を抱いて戻って来たノル、
ポルンの父親の変化を見て、
目を丸くして立ち尽くす。
サクラは目を開けて、
ポルンの父親をマジマジ見て、
「オッサン、全部治った、
栄養不足と脱水症状も少しある、
それは魔法ではどうにもならないから、
村の外の太郎君に食べ物と飲み物貰って、
つぎ〜おお、ノル、お母さん連れて来たね、
ここに寝かせて」
太郎はオッサンを持ち上げて立たせる、
両足が地に着いて、
自分の足で立っていると実感すると、
自然と涙が溢れて来る、
それを見守ってたポルンとポルンの母親も、
目から滝の様に涙が溢れていた。
その様子を見てたサクラは、
「ポルン、外で太郎君がお肉焼いてるから、
みんなで食べて来な、
あのリンゴもいっぱいあるから」
ポルンはサクラの顔を見て、
深く頭を下げる、
顔は涙でグチャグチャだったが、
満面の笑顔だった。
ポルンの父親の後に寝かされたノルの母親は、
顔が真っ白で、一目で貧血だと分かる、
サクラは優しく微笑んで、
「ノルのお母さん、
何の心配も無いので、
ちょっと体見せてもらいますね」
ノルの母親は力無く微笑んで頷いていた。
サクラはポルンの父親の時と同じ様に、
体の隅々まで観察すると、
ノルのお母さんの左の腰の辺りに、
膿が溜まっているのが見えた。
(何でこんな所に膿?)
サクラは膿に向かって光を当てる、
膿は光に消される様に小さくなり消えていった。
サクラは目を開けて、
ノルのお母さんを見つめ、
「ノルのお母さん、
一年半位前に腰の左側に怪我をして、
ちゃんと治さなかったでしょ?
傷が膿んで、膿みの量も凄いし、
壊死も始まってたから、
相当な痛みだったと思う、
これからはノルや娘さんの為にも、
怪我をした時は相談しなきゃね、
もう大丈夫、たくさん食べて力をつけて」
ノルはサクラの話に、
凄く驚いた顔で母親を見て、
「母さん今の話は本当か?
何で言ってくれなかったんだよ、
俺が頼り無いから?」
ノルの母親は涙を溜めて、
「ノルが頼り無い何て思った事ないわ、
あの時はみんな怪我をしてた。
私の怪我は直ぐ治ると思ってたのよ、
腰だったから、見る事も出来なくて、
気が付いたら激痛で立つ事も辛くなって、
こんな事になるとは思ってなくて…
心配かけて…ごめんね、
父さんが亡くなって直ぐだったから…
これ以上、悲しい思いをさせたく無かった…」
母親の話にノルも妹も母親も、
周りのみんなも号泣している、
そんな姿を見てサクラが、
「みなさん泣いてる所申し訳無いんだけど、
ちょっと聞いてくれる、
ノルのお母さんは本当にやばかったんだよね、
あのまま放っていたら死んでた、
でもね、傷をちゃんと清潔にしてれば、
こんな事にはならないんだよ、
怪我をしたら、まず最初にするのが、
怪我をした場所を清潔にするの、
本当はアルコールで消毒するけど、
無い場合はきれいな水で洗う、
ノル達は体を洗った事ないって言ってたじゃん、
まさか服の洗濯もしない?
食事前に手を洗ったりもしないの?」
サクラの話にその場が静まり返る、
そこに長老のタタンが口を出す、
「世間知らずの子供だね、
水は貴重なんだ、手を洗ったり、体を洗うだって?
とんでもない話だね、
傷は治癒魔法で治すのが常識なんだよ」
サクラは汚いものを見る様な顔になって、
「おばあちゃん、嘘はいけないね、
水が貴重?近くに川もある、
あそこに見えるのは井戸でしょ?
後、水の魔法を使える人もいるでしょ?」
タタンはやれやれって両手を広げ、
「何も分かっちゃいないね、
川や井戸の水は飲む為と料理の為にある、
服などはちゃんと1週間に1度は洗ってる、
水魔法はモンスターが現れた時の為に、
魔力の無駄遣いは出来ない、
魔力を使い切ると3日は寝込むんだ、
そうゆう訳でやたらと使えん」
サクラは目を細めてタタンを見ると、
「それは〜命より大切なの?
大体さ、飲む為と、料理の為だけにある?
極端な固定観念で笑えるんですけど、
傷を洗うってコップ一杯の水でも洗えるよ、
ノルのお母さんの場合ね、
大体さ、不衛生なんだよね〜ここ、
さっきのオッサンの体をサーチした時、
酷い水虫だった、
足と指の傷口も綺麗に治って無かったし、
それで、みんなの足もサーチしたらさ〜
殆どの人が水虫なんだけど、
靴も脱がない、靴下も洗わない、
足も洗わない、
水虫酷くなると、歩くのも大変になるって聞いたな、
大体エルフってもっと、
頭がいいと思ってた」
その場が凍りつく、
怒りをあらわにする長老3人、
「小娘、今なんて言った?
我らを愚弄するか!
水を大切にするのは、
ご先祖様の大切な掟、
我らは先祖代々の知恵のおかげで、
困難を乗り越えて来た、
それを何も知らぬ小娘にバカにされる謂れはない」
興奮気味に長老アルガが怒鳴る、
サクラは冷めた顔で、
「そちらがその様な態度なら、
こっちも気を使わないから」
サクラは「んんっ」と喉をならしてから、
「おい、ジジイ、アタシは怒ってるんだよ、
何が知恵だ、そんな知恵のせいで、
誰かが死んでもいいって事か?ああん、
もし自分の大切な人が、
傷を清潔にしなかっただけで死んでも、
先祖の掟を曲げることは出来ないって事か?
頭が固すぎ!アホ!
だいたいさ、傷薬だって森の野草で作れるはず、
そんな知恵は授けてくれなかったんですかね?
ご先祖さまは?
今から言う事を、耳をかっぽじって良く聞けよ、
この場所は負のエネルギーが溜まっている、
今直ぐにでも移動しないと、
モンスターが出現するだろうね、
そうなったら、この村は危ない、
直ぐに避難した方がいいが、
アタシの拠点に来るなら、
古い考えは捨てて、
アタシのルールに従ってもらう、
それが出来ないなら、
食べ物は提供するけど、場所は提供出来ない、
おじいちゃん達は長老なんでしょ?
村人の命と生活を第一に考えるべきだよね、
じゃあ次の方、治療しますよ〜」
サクラのモンスターの話に、
長老アルガがノルに顔を向けて、
「今の話は何だ?
ノル詳しく話せ、精霊王様には会えたのか?
この娘は精霊王様と関係があるのか?
何があったか、説明をしろ」
ノルは真剣な顔で、
「マスター、今のモンスターの話は本当?」
サクラは病人を治療しながら答える、
「ノル達はさ、
モンスターは何で現れるかって知ってるの?」
「知らない」
サクラはクスッと笑って、
「それはご先祖様も教えてくれなかったのか」
そう嫌味を入れて、
ルーアから聞いたモンスターに関しての話をした。
「それでね、この辺りの空気が重たいって言うか、
臭いって言うか、
まあ、ここからもっと山の外側の方が、
嫌な空気になってるけど、
ここもやばいと思う、
だから避難した方がいいと思うよ」
ノルは恐怖の顔になり、
山の麓に着いた時から
精霊王達に会うまでの話を、
村人全員の前で話した。
精霊王全員に会い星神にも会って、
彼らが何も出来ないと理解した事、
その話の続きに、
シェルパが付け加える、
「その精霊王達を叱りつけたり、
利用してたりしてるのがそのマスターだぞ」
そう言ってサクラを指さす。
タタンがイライラしながら
「だからその小娘の説明をしろ」
ノルがサクラをチラチラ見てから、
「これは星神様と精霊王様達が話してたんだけど、
全能神様が導かれた人だって仰ってました」
ノルの説明にさっきとは違った意味で、
場が凍りつく、
顔を強張らせながらエバンが、
「それで納得だよ、
会って直ぐに15メートル級の、
ギガントバード、回し蹴り一発で倒してた…」
ますます凍りつく現場、
集まった怪我人、病人を全て治療したサクラは、
「村の外に食べ物持って来たから、
みんな食べて〜」
みんなの視線を感じたサクラは、
振り返ってみると、
村人達が青くなっていた、
長老タタンが声を裏返して、
「わたしゃ認めないよ、
こんな小娘が、ぜっぜん、全能神様が、
導かれたなんて!」
サクラは、
いやらしい笑顔をタタンに向けると、
「認めない?
アタシにとってはどうでもいい事だね、
それよりも、
病人だって連れて来られた人全員が、
怪我からの感染症だったんだけど、
大体、エルフの文明ってこんななの?
みんなそうなの?
石器時代と一緒じゃん、クサ」
そう言い放った後、
サクラはそそくさと村を出て行った。
残された村人達は、
「長老、どうするんですか?」
「長老達もここを離れた方がいいと、
言ってたじゃないですか」
「あの娘のお陰で、
俺の体の痛みも全部回復しましたよ、
俺は家族の為にも、
あの娘について行きたい、
ノル達はあの娘の拠点にいたんだろ、
どうだったか教えてくれ」
ノル達は真剣な顔になって考えていたが、
エバンが深くため息をつきながら、
「説明するけど…
信じるのは難しいかも、
俺も色々見せられて、
あ〜俺達はもう死んでるから、
不思議な事が起きるんだって思ったよ、
ただ俺も長老達が反対しても、
俺は家族と一緒に山に行く、
それを踏まえて俺の話を聞いてくれ」
エバンの説明に村人達は驚愕していた、
「喋って肉を落とす動物だと?」
「揺すっただけでリンゴが落ちて、
直ぐに実をつける?」
「ギガントスネークを2体の太郎が倒した?」
村人達は難しい顔で唸っていると、
肉を焼いてた太郎が来て、
「おい、肉が焼けてるぞ、
早く食べに来い、
マスターは、
直ぐに出発したいって言ってる」
お腹空いていた村人は考えるのは置いといて、
まずは食事をする事にした。
村を出ると、大きなテーブルが並べてあり、
人数分の焼かれた肉が用意されてた、
後は見た事の無い果物も所狭しと置かれてる、
最初に食事に向かったポルン達親子は、
肉を食べ終わって、リンゴを食べながら、
楽しそうに話をしている。
村人達は椅子に座ると、
置かれてたフォークで肉を口に運ぶと、
今まで食べた事の無い旨味のある肉だった。
果物も同様でこの世の物では無いのでは?
と思うくらい美味しかった。
さっきまでの話など忘れて、
夢中で食べ始める、
サクラは、皆の様子を見ながら、
辺りの警戒も忘れない様にしていると、
フィーがサクラのチョンマゲを揺すって、
「サクラ、あそこ何か変だよ」とフィーが叫ぶと、
水を飲んでたジルが盛大に水を吹き出した。
「な、な、な、何だ?飾りが喋った〜」
「飾りって失礼ね、
私は精霊のフィーよ」
ノル達は渇いた笑いをすると、
「あれ?
ジルさん達知らなかったんすか?
良く喋ってましたよ…ハハハ」
ジルはフィーを指さして、
「髪飾りだと思ってた、
ほら…人形とか人型が好きなのかと…ね〜」
エバンが下を向いて黙々とリンゴを食べながら、
「ジルさんそれ以上は、
人型とか、それ以上の表現は…」
ジルは「はっ」としてサクラを見ると、
凄い目つきでジルを見ている、
そんなサクラにフィーが声をかける、
「サクラ、アイツらの事はいいんだよ、
ほら、あそこ見て、おかしいから」
サクラはフィーに言われた方向を見ると、
森があり、背の高い木の上の方で、
風が渦巻いている、
「ん?竜巻の卵?」
「違うと思う」
「じゃあ近くで見るか」
サクラは風魔法で浮き上がり、
渦巻きの方に向かって行く、
そんなサクラを村人は唖然と見つめてる、
サクラは暫く風の渦を見ていると、
「あっ、なんか形が出来上がっていくよ」
フィーは震えながら、
「あれモンスターだよ、
初めて見たモンスター誕生の瞬間を…」
「へ〜あんな風にモンスターが、
出来上がって行くんだね、
動画撮りたかった!」
サクラはそう言ってヘラヘラ笑ってると、
フィーが目を見開いて、
「また呑気な事言って、
あれ結構大きいよ、あっ頭が出来てきた」
サクラは、
ワクワクしながら眺めていると、
「マジか!あれ牛の頭じゃね?」
フィーも目を凝らして見ると、
「やばいよ、やばいよ、
あれミノタウロス!」
サクラは興奮気味に、
「やった〜〜これで牛を召喚できる、
バターもチーズも何でも作れる〜」
サクラは空中でクルクル回って喜んでいる、
下で見ている村人達は何事かと見ていたが、
子供達はサクラのクルクル回る姿を見て、
喜んでいる。
サクラは村人達に向かって、
「なんか〜、
あそこの森にミノタウロスが出現したみたい、
みんなは危ないから村に入って」
「ミ…ミ…ミノタウロスだと、
みんな早く村に入れ」
長老アルガが指示を出す。
ハンタージルとシェルパとエバンは、
(どうせマスターが倒すんだろう)と、
逃げるより見学を選び、
村の前でリンゴをかじりながら様子を見ている、
ミノタウロスは森の木を斧で切り倒しながら、
むらに向かって歩いて来る、
その様子を見てサクラが、
「何で村に向かって来るんだ?
まだ村を目視出来ないよね?」
「モンスターは目より鼻や耳で、
獲物を探すってルーアが言ってたよ」
「なるほどね〜体の機能は動物って事か、
それよりもさ〜木を切るのやめて欲しいな、
後で直すのアタシなんだよな」
その時、肉を焼いている太郎が、
サクラに声をかける、
「マスター、まだ肉焼いている、
あまり埃を立てない方がいい」
「えええ〜じゃあどうやって倒すか?
魔法もなぁ〜どっかに飛んで行っちゃうと、
ジジイがうるさいからな」
村人達は、呑気に会話をしているサクラ達を見て、
ミノタウロスがいるって本当なのかと首を傾げていたが、
村長タタンが、
「何を呑気にお喋りしてるんだ!
ミノタウロスが来たって本当なのか?」
サクラはタタンに、
「本当だよ」言いながらゆっくりと降りて来た。
その間にミノタウロスは街道に出て来て、
周りを伺っていた。
ミノタウロスの姿を確認した村人達は、
あまりの大きさに愕然として、
殆どの人がもう助からない無いと、
不安を拭えないでいると、
ミノタウロスは村人達を見つけて、
ニヤリと笑った様に見えた。
その瞬間ミノタウロスは村に向かって走り出す。
その様子を見てたサクラは、
「あれ20メートル位無い?
デカくなり過ぎでしょ!」
フィーが慌てて、
「また呑気な事言って無いで、
早く何とかしてよ」
「またこのパターンか、笑える、
フィーは隠れてて、
埃を立て無い様にって無理ゲーなんですが」
フィーが離れるとサクラは、
ミノタウロスに向かって走り出して、
ミノタウロスの前でジャンプして、
ミノタウロスの胸に向かって蹴りを入れる、
蹴られたミノタウロスは吹っ飛んで倒れたが、
直ぐに立ち上がり、サクラを睨み付ける、
吹っ飛ばされたミノタウロスを見て、
村人全員が固まっていたが、
エバン達は興奮していた。
ジルが
「マジかよ!あんなの初めて見たぞ」
エバンが
「ギガントバードの時もあんなだったな、
あの時は一発で倒してたけど、
ミノタウロスはそうは行かないか」
ノルも冷や汗をかきながら、
「俺…マスターがモンスター倒すの見るの、
これで3体目だよ、
なんかモンスターへの恐怖感が無くなっちゃったかも、
それよりも、マスターがエグい殺し方する方が恐怖」
ノルの言葉に、
エバンは青ざめていたが、
ジルとシェルパはワクワク顔になってた。
サクラはミノタウロスに歩み寄りながら、
「オラ、かかって来いや〜」
と叫んでいる。
長老達が、
「あの娘は何をやってるんじゃ?」
「バカなのか?モンスターは怖く無いのか?
どっちなんだ?」
「でもいきなり蹴りって…
それもあんなに飛ばしちゃったんだぞ、
あの娘は普通の生き物じゃないな」
それぞれ色々な意見が飛び交っていたが、
サクラの耳には入って無い、
ミノタウロスは斧を振り上げて、
サクラに向かって走って行く、
前に読んだ柔道の漫画を真似して、
サクラは「柔よく剛を制す」と叫ぶと
両手を前に出して、柔道の構えになる、
ミノタウロスが目の前に来た瞬間飛び上がり、
ミノタウロスの懐に入ると、
ミノタウロスの右手を掴み、
そのまま背負い投げをする、
地面に叩きつけられたミノタウロスは、
何が起きたのか分からず呆然していた。
それを見ていた村人は唖然とし、
ジルとシェルパとエバンは大笑い、
ノルは乾いた笑いをし、
肉焼き太郎は、
「マスター、埃がたった」と文句を言う、
フィーは「サクラふざけてんじゃ無いわよ!」
と怒っている。
サクラは太郎に向かって、
「太郎君埃を立てるなって、ムズイよ、
魔法使うとジジイがうるさいし」
太郎はサクラを見て、
「一発魔法」とサクラに告げる、
サクラは首を傾げて、
「一発魔法?
あっそうかバズーカの時は長くしちゃったから、
山まで行っちゃったのか?
ファイアーボール見たいので、
当たったら消えれば良い訳ね、
太郎君賢い、ありがとう」
(召喚した太郎君にアドバイスをもらう、アタシ、笑える)
そんな事考えてニヤニヤしてると、
その顔に気が付いたフィーが、
怒ってサクラを睨んでいた。
「大丈夫だよフィー、
次は真面目にやるから」
今まで遊んでいた事を白状しているサクラ、
それを聞いていたエバン達が爆笑している。
そんな間にミノタウロスは立ち上がり、
「グウォ〜」と雄叫びを上げて走り出す。
サクラは
「一発魔法か…風魔法は操作出来てたから、
風魔法で行きましょうかね」
サクラはミノタウロスを見据えて、
軽くジャンプすると、両手を交差させて、
ミノタウロスの首に向かって、両手を広げながら、
「ウィンドカッター」っと叫ぶと、
両手から2つの鋭い風の刃が出て、
ミノタウロスの首に命中すると、
呆気なくミノタウロスの首が飛んだ。
ミノタウロスの首からは、
噴水の様に血が吹き出し、
そのまま凄い音を立てて倒れて行く、
サクラはその光景を見て、
ガックリと肩を落として、
ミノタウロスを見ない様に、
地面を見つめながら太郎に向かって歩いて行く、
「たったっ太郎君、後は任せた」
「御意、マスターアイテムボックス開けて、
牛しまうから」
サクラは顔を上げて、太郎に懇願する、
「いや〜あのまま入れられるのは嫌、何とかして〜」
「じゃあ、解体する、
大きい太郎いないと大変」
「わっ分かった」そう言って頷くと、
10メートル太郎を4体出して、
その体格に合った肉切り包丁を出し、
4体の太郎に渡す、
「解体終わったら、
ちゃんと布で包んでアイテムボックスに入れてね、
残ったご遺体は、フィーに精霊術使ってもらって、
アタシは木の修復に行って来る」
10メートル太郎は「御意」と返事をして、
ミノタウロスに向かって行く、
サクラは3メートル太郎に肩車をしてもらって、
ミノタウロスを見ない様に森へ入って行った。
読んで頂きありがとうございました^_^




