どちらが先か
「私の目的は一貫してるから。本部と繋がってるのが疑問に感じてるんでしょ?」
本部は【十字軍】を所有しているだけでなく、様々事を隠してる節がある。
ハンターの証消失事件もそうだが、それに関連する人物、何かしらの情報も得ている可能性も。
ネスティスの最初の異界攻略もおかしな点があった。
未知の実験による異形とハンターとの合体の現場であり、【十字軍】である【剣聖】が、誰かを逃すまいと外で待機していた事。
【妖艶】が少しでも本部を怪しむ部分があるのなら、ゴイゼンが所長になるの自体を止めるはず。
その前にゴイゼン所長が先に勧誘を受けてしまったのか。それとも……
「そうだな。……どっちが先なんだ? 本部はゴイゼン所長よりも先に【妖艶】を入れようとしたのか?」
「何? ゼンさんが先だよ。ああ……私が本部の誘いを拒否したから、ゼンさんに声を掛けて……って事?」
【無法者】の事が本部で知られてるように、【二つ名】持ちのハンターは把握され、引き入れようとしてる。利用したいのもあるが、視界内に収めておきたいのもあるのだろう。
イズン支部所長、ジェフもそうだ。彼も【影】という【二つ名】持ちで、勧誘された。
ジェフの場合、本部の裏を調べるために敢えて……というところもあるが。
【妖艶】の目的が一貫してたなら、断る気がする。所長となる事でゴイゼンの学者の手助けを出来るのか。
多分、無理だろう。あらゆる鑑定の品を回してるのがバッド組合だからだ。
無理に手の内に入れるため、本部はゴイゼンを取り込む事もあるのでは?
「ゼンさんが先よ。本部からの誘いは私にはなかったから。裏から手を回した事もないわね。ゼンさんの学者としての能力は高いんだから。異界の文字を解読した事もあるぐらいに。【無法者】も攻略の世話になったと思うけど?」
そういえば、建物系の異界攻略時、文字を解読して、答えを入力する事で進む装置もあった気がする。
一度攻略を終えている異界の場合、ハンター達はすでに答えが分かってるように進んでいくのは、協会が答えを事前に教えている事もあるからだろう。
それを調べ出した一人がゴイゼン所長。だとしたら、本部が手元に置きたがるのも無理はないが……
それが分かると余計に異界攻略をさせないために、ゴイゼンを所長にしたと思ってしまう。
ただ……【無法者】がゴイゼン所長の解読を使用したかで言えば……
「あっ!! 貴方達には無用だったわ。力で押し通って……な感じだから。嫌われる理由の一つでもあったし」
「否定はしない」
【妖艶】の言う通り、【無法者】は道がないなら、壊して進む事が多々あった。
【卑怯】は気が短い面もあり、【殺戮】や【死天使】も興味がなければ、壊していいと思う節がある。
俺が謎解きを考えるのが面倒というのもあった。【閲覧】や【開眼】でも無理な事は当然あるから。




