ストーカー対決?
「それでジルオールは納得したんですか? もう少し実力をつけてからとか。必要なスキルを習得してからだとか?」
「いや……勇者が様々なスキルを手に入れる事が出来る中、自分は今あるスキルのみでソロ探索をすると言っていたが……代案を出したところで納得してくれた」
「代案……ですか? それが俺を尾行するなんて事に」
代案。ソロ探索の代わりに俺を追いかける意味なんてあるのか? いや、ないだろ。
「代案に関しては秘密だ。多分だが、ゼロストも関係してくると思う。それは俺が決めるわけじゃないからな」
多分? 俺がその代案に参加するかは、俺自身が決めれるのか? それだったら不参加だぞ。男に追い掛けられる趣味は持ち合わせてない。
「代案はほんの少し先になるんだが、その空いている時間に、ゼロストを追う事になった」
「代案に参加するかも分からないのに!! ……ですか」
アカネがいる手前、言葉選びを気をつけないといけない。
「本当はゼロストでなく、勇者の強さを調べるため、彼女を尾行するつもりだった。だが、ハンター同士の私闘は禁止されている。それに発展する可能性もある。それに……絵的にヤバいだろ」
ジルオールもネスティスのストーカーになってたわけだ。確かにジルオールを俺みたいに視認出来る人がいれば、怪しい奴にしか見えない。
ハンター同士の私闘に関しては、ネスティスが激怒した場合……【無法者】の暴言をジルオールが言わなければ大丈夫か?
問題があるとすれば、ラーンの方かもしれないか。互いにストーカーのように尾行しているのなら、一触即発になってもおかしくない。私闘をするとすれば、ジルオールとラーン。
ラーンの行動を所長が知っていてもおかしくはない。【廃坑】の件があり、本部が勇者に何か仕掛けてくるかの監視している可能性もある。
奴の行動が目に入る事も十分ありえるはず。
「確かに……色んな意味で面倒になりかねない。ネスティスに負担が掛かりますね」
「そこで俺はゼロストを指名したわけだ。勇者の相談役で、師匠と呼ばれているお前をな。強くなった理由もゼロストのお陰だと」
「いやいや……それを彼は信じたんですか? 俺の職業は編集者ですよ。単なる職員だって事も言いましたよね?」
所長が教えなくても、ジルオールも俺の素性を調べるはず。【道化師】とバレなかったら、それで構わないんだが……
「勇者もお前の事をギルドで話しているらしい。名前は出してないが、師匠は凄いと。それをジルオールも耳にしている」
ネスティスのせいじゃないか!! 名前を言わないだけマシかもしれないけど、それは本人が口にしてるなら信じるよな。




