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DREAMERS WORLD 〜たぬきはせかいをすくえるか?〜   作者: からかさたぬき
第5章 デスヘル編・ドリーマー戦線後編
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地獄の本戦、弱肉強食の食には就けないたぬき?


 僕はスマホのマップを開いた。

マップの右端には、ここの場所の名前であろうものが書いてある。


 デスヘル。


(デス)地獄(ヘル)!?


 そう、来たときから、明らかに、あからさまに地獄だなーってことは思っていた。なんか空真っ黒だし。たまにビカビカって空白くなるし。地面茶色いし。マグマがコポコポ言ってるし。


 でもでも、まさかほんとに地獄だとは!


 「やーばー……」


 他にもマップには色々書いてあったけど、今それどころ…そんなどころ…どこどこどこ……じゃないよねー。


 僕マグマって初めてこんなに近くで見たよ。近く。そうほんとに近い。めっちゃ熱い。マグマって……え、何℃くらいあるっけ。落ちたら…死ぬ?よね?


 僕が立っているのは細い(ほっそーーーい)道で、人一人分やっと通れるくらい。


 何故かはわからないけど、この道からは冷気が出ていて、この上なら安全なんだろうなと思わせる妙な安心感があった。


 でも、それとこれとは別で……。


 僕はそっと足を前に出した。

 それだけの動作に、10秒くらいかかった。

 次の足とか…むり!

 だって、足置いたらガラガラと崩れてあーーー!ボチャン!しそうじゃん!


 ……そーだ!


 困ったときのたぬき変身だ!


 「マジックオープン![たぬき変身]!」


 たぬきになれば軽くなる!たぬきになれば速くなる!


 「たぬっち!」


 著作権にぎりぎり引っかかるか引っかからないか—な声を上げて僕は後ろ足に力を入れ、強く地面を蹴った。


 前足と後ろ足が交差する。

 速い!!


 ちょっと遠くに、お城みたいなのが見えた。えーっと、キャッスルうって感じではなくて、天守閣うって感じの方だ。


 つまり、戦国時代の日本のお城、みたいな。


 よく見えないけど、高そう。値段が。


 体力が無くなってきた。体力もゲージで見えるようになったら楽なのになー。あ、でもスマホ見ながら走ることになるのか。うーん。やだ。

 まあ、見えなければ気合でなんとかなるし!発見?知覚?した途端に疲れることってあるあるだよね、さもありなん。さーもありなん。


 不意に、後ろの方で何かが崩れる音がした。

 ぼ、僕は前しか、前しか見ないからね!


 その、前、つまり、僕が向かってる方向、前方ってやつ、に、人影が見えた。


 そして、その人影から、火の玉が飛んできた!

 火、火の玉!?

 え、サンクかな!?サンクなのかな!?


 僕は空中に飛んで避けた。

 ()いいいい!腹が熱い!火だけに!ぷぷっ。

 ……こほん。今のは、悲鳴の声と、火をかけたんだ……。


 サンクだったら、もしかしたら見逃してくれるかも!

 ……今のしょうもないので見逃してくれなくなってたらどうしよう。


 ……いやいや待って、サンクだったら、たぬき型の生き物に攻撃してくるかな?

 いやいや、サンクはそんなことしない、はず。


 あっ。本当にサンクじゃなかった!

 割と長身?


「……ッチ![ファイアボール]!」


 声が聞こえるくらい近づいた。うーん。言うなれば、いけぼー?


 声が聞こえるくらい近づくって事は、向こうとの距離も縮まってるってこと。

当然、火の玉が飛んでくる時間も短くなるわけで。


 ファイアボール、のルの音がまだ響いているうちに僕の目の前にはすでに火の玉が!


 「たぬっ!」


 僕は這いつくばった。

 ちょっと耳が焦げる。


 「たぬううううう!?」


 熱い!痛い!

 許さぬ。このかわいいたぬきに焦げ目をつけやがって。こげたぬきになっちゃうじゃないか!


 僕は這いつくばったまま両前後脚を動かした。

 シャバババババババ!


 「うえっ!?気持ち悪!」

と、その男が言った。


 あんまりだ。


「たぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」

「う、わ、ふぁふぁふぁふぁ[ファイアボール]![ファイアボール]![ファイアボール]!」


 そして急に、はっ、とその男が言った。

 息をぎゅっと吸うみたいな音。


 そして、ばたっと倒れた。


 うぬ?

 様子がよくわからなかったので、這いつくばったまま進むのをやめて、たぬき姿で走った。

 そして僕はそのまま男の顔を踏みつけた。


 「ふぎゃう」

 「たぬ?」


 僕は人型に戻って、スマホのカメラ機能を開いた。


 ふふふ……何故こんな最適行動を取れるかって?

 なんと、気になったことはちゃんとヘルプを見ることにしたのだ!成長!僕、成長!

 スマホの中に入ってた、ヘルプ、アプリ?には、SPと、HPはスマホのカメラ機能で見れるよーって書いてあった。


 あ。この男の人、今SPゼロだ。HPがカリカリ……ガリガリというよりかはカリカリ……削られていってる。

 ……今のうちに逃げよーっと。


 僕は倒れている男に背を向けてたぬきに変身して走り出した。


 目指せお城!それゆけたぬき!


 天下統一!下克上!フー!


 それっぽい言葉を並べつつ、僕は大した理由がないまま、お城に向かって突っ走るのだった……。


 なんでお城に行くんだろ?

それはそこにお城があるからだ~!



ごきげんたぬき

少し異色の戦闘でした。

もっときちんとした本当の戦闘は、次回から。

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