第四章プロローグ
少しばかり、哲学的な話をしよう。
出会いと別れというのは、両極端だ。
それは、よく対になる言葉である。
逆に、同じ事だ…と言う者もいる。出会いがあれば、必ず別れがあるからだ。
じゃあ……再会と別れは?
正確には…別れと再会?
出会いがあって、別れがあって、再会があって……
出会いと再会。同じ時に同じ者相手に、それが起こることなんてまずないだろう。
ただ……私のように、あの夢の世界でたぬき娘が会った人間に、リバーシブル的なリアルの人間がいたとしたなら?
出会いは、再会になりえるのか。
…
……
………………
夢の中でも、出会いと別れと再会は生じえる。
私は夢の中で泣いているあの人間に出会った。
いつの間に夢を見ていたかは知らない。夢を見ているときはそれが夢だとさえ思わなかった。
だから、やっと会えた。と思ったのだ。
会えなかった存在に。会いたかった存在に。
ごめんねの4文字が言えなかった相手に。
「……」
それでも、私には話しかける勇気も、一歩でもあの人間に近づく勇気さえなかった。その夢には、他の人間がいっぱいいた。
景色がブレる。
あの人を囲む人。あの人の周りで泣かせた人を怒っている人。友達がたくさんいるように見えた。だけど、少し、少しばかり、それは…あの人が望んでいないように見えた。まるで、全てがシナリオの上で仕組まれている様な、……きっと気のせいだね。
ひがんでいると思われたらそれまでだ。だって僕にはさ、もう友達と呼べる人が
景色がブレる。
みんなみんな私を責めた。お前のせいだって。おまえの考えなしの、脳無しの行動が、あの人間を傷つけたんだって。みんなって誰だ。
景色がブレる。
違う。違う!僕じゃない!僕はやってない!やってないんだ……僕のせいじゃ……
景色がブレる。
私のせいかもしれない。私のせいだ……。
景色が、景色が、ブレる。
こんな思いをするなら、人間と関わらないほうが良かった?そうだ。そうに違いない。
私は世界から嫌われているんだ。どうしてこんな事になったのか、僕には良く、分かんないけど、そんなふうに思いつめる必要は、きっとないよ。
でも、私は、二度と。
二度と、誰も頼らない。二度と、誰かを大事にしたりなんてしない。二度と、人間を信じない。
傷つくのが、嫌だから。
(うわー……)
そんな耳障りな声がして私は目覚めた。違う。耳障りなのはきっと、夢の中の声だ。
(ねむくないーっていってたのに~!夜眠くても起きてたい子供だ!ほんとに居たんだ!)
それは夜眠くても起きていたい子供に失礼だと思われる。
(え。)
たぬき娘がうろたえた声を出した。
(ど、どうしたの?なんで)
泣いてるの?とたぬき娘はたわごとを言った。いや、戯言では、無かった。
会いたかった奴に会えたのに、また、言いそびれたんだ、と自然に口に出して言っていた。この声は、流暢だっただろうか。それともいつも通り、途切れ途切れだったろうか?
(会いたかった、人?)
ああやっぱりこいつはこいつで、私は私なんだと思った。
「……毎日会えた頃は、離れたら、会えなくなるなんて思わなかった。離れてみて、やっと、失ってみてから、気づくこともある。」
(ふーん?……名前は?)
今は無理。もう目の前にしないと、名前など出てこないような気がしているから。
目の前にしたらしたで、名前を呼ぶことすらできなくなっているけれど。人間というのは大変に面倒くさい。ああ。たぬきでいたい。
(今の、けれどってちょっとサンクっぽかったね!)
私の話なんてどうでもいいかのように、たぬき娘は言った。
サンク。
アリオールによってたぬき娘たちと分断された少女の名前。
サンクにも、アリオールにも、何か秘密があるような気がしてならない。
(えっ!?それってもしかして、かの有名な被害者が実は加害者の仲間でした~べろべろば~!だっまさ~れたあ~?ねえだっまさ~れた~?ほらほら~?なんとかいってごらんよ~?みたいなやつ!?)
そんなうざいか?いやまああるのかもしれないけど。でもそんなうざいか?
そうじゃない。それぞれに秘密がある気がする。
(ふーん…?僕には良く分からないけど…も!なんだか秘密を抱いた少年少女ってかっこいいよね!)
(世界の真相……世界の真理?うんうん。世界の未来を救え!羽ばたけ!秘密を抱いた少年少女!みたいなみたいな?)
涙が、勝手に出てきた。
(え?え!?じょ、じょーちょふあんてー!?)
違う…違う…!
思い出したんだ。
なんで、なぜ、何を、世界を、救わなきゃいけないかを。
(?)
第四章をスタート致します。
3000pv突破いたしました!
普段読んでくださっている皆様にこの場を借りてお礼申し上げます!m(_ _)m
本当に励みになりますTT
よければ★、スタンプ、感想など、くださると嬉しいです。




