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最終話:聖なる旅立ち、そして愛の黄金時代へ


凛の正直すぎる爆弾発言に、エルドランドの街全体が静まり返ったのも束の間。凛はいつもの、雲ひとつない秋空のような、どこまでも爽やかな笑顔を浮かべて右手を高く掲げました。

「神様の方々、おじいさん、故郷の皆さん! 僕たち、これから**『子作りの旅』**に出かけてきますね! 素敵な家族を連れて帰ってこられるよう、精一杯頑張ります!」

あまりにも真っ直ぐで、濁りのない公開発表。

悪意も下心も微塵も感じられない、究極の「誠実」がそこにありました。

「あ、あるじぃ……! そ、それをそんなに大きな声で、しかも『公開発表』だなんて……っ!」

紅は羞恥心の限界を突破し、顔を両手で覆いながらモジモジと身をよじらせています。大人の女性へと成長し、女神の気品を纏った彼女でしたが、凛の「天然ストレート」には一生勝てそうにありません。

愛の波動、世界を洗う

二人が黄金の箱舟に一歩足を踏み入れた瞬間でした。

凛と紅、二人の魂が完全に共鳴し、「無限(\infty)×無限(\infty)」の魔力が、**『純粋な愛』**という指向性を持って爆発しました。

ドォォォォォォォォォォン!!!

箱舟から放たれたのは、黄金色のオーロラ。

その光の波は、エルドランドの国を越え、魔界を越え、海を越え、全宇宙の隅々まで広がっていきました。

争っていた兵士たち: 武器を捨て、故郷の家族を思い出して涙を流す。

病に伏せていた人々: 光を浴びた瞬間、細胞が活性化し、元気に跳ね起きる。

荒れ果てた大地: 一瞬で色とりどりの花が咲き乱れ、すべての生き物が命の喜びを謳歌する。

これこそが、凛の無自覚な権能――**『宇宙規模の浄化ウェディング・ベル』**でした。

箱舟、次元の彼方へ

「さあ、紅。行こうか。二人だけの、新しい場所へ」

「はい……凛様。どこまでも、地獄の果てまで……いえ、天界の先まで、お供いたしますわ」

紅は赤面したまま、しかし力強く凛の手を握り返しました。

黄金の箱舟は、愛の波動をエンジンにしてゆっくりと浮上し、空に巨大な虹の橋を架けながら、次元の裂け目へと消えていきました。

見送る者たちの言葉

地上では、神々も、老兵も、改心した貴族たちも、誰もがその光り輝く航跡を見上げていました。

「……あんなに爽やかに『子作り』を宣言して旅立つ神を、儂は見たことがない」

(天界の最高神・談)

「凛様……。あの子なら、きっと宇宙で一番幸せな家族を作るだろう。……わしも、孫の顔を見るまでは死ねんなぁ」

(若返った老兵・談)

「(……あの二人が戻ってくる頃には、世界は愛の魔力で溶けてなくなっているんじゃないかしら……)」

(泡を吹いて復活した聖女クラリス・談)

女神の独り言

「凛……。最弱と蔑まれた少年が、世界を愛で満たす『真の神』として旅立ちましたね。あなたのその正直さと天然さが、ついに宇宙の法則さえも書き換えてしまいました。……次にあなたが戻ってくる時、その手にはどんな『小さな奇跡』が抱かれているのでしょうか。女神(私)は、その日を楽しみに、少しだけお休みさせてもらいますよ。」

黄金の箱舟は、星々の間を抜け、誰も見たことのない「愛の聖域」へと辿り着きます。

そこで二人が紡ぐ物語は、後に**『天地創造の真実』**として、永遠に語り継がれることになるのでした。

「凛と紅の最強無自覚ライフ・第一部」――完。

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