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第十五話:最強×最強。世界一静かな「ボランティア」


ハルトの案内で、凛が足を踏み入れた異世界『エターニア』。そこは、機械と魔法が入り混じり、厚い暗雲が世界を覆う、どこか退廃的な場所でした。

「ここは、僕の世界より少し暗いですね……。でも、大丈夫。ハルトさんと一緒なら、きっとすぐに明るくなりますよ!」

「ああ、凛。……ただし、頼む。ここでは**『そっと』**を合言葉にしよう。俺はこの前、街のゴミ拾いをしようとして、広場ごと地面を削り取ってしまったからな……」

二人の最強は、お互いに「力まないこと」を誓い合い、まずは近くの荒廃したスラム街へと向かいました。

ミッション1:雨漏りの修理

スラムの孤児院では、降り続く酸性雨のせいで屋根がボロボロになり、子供たちが震えていました。

「よし、ハルトさん。屋根を直しましょう! 僕が釘を打つので、ハルトさんは板を押さえていてください」

「わかった。……卵だ。これは卵なんだ……」

ハルトは鋼鉄の板を、まるで壊れやすい薄氷を扱うかのように、指先で**「そっと」**添えました。凛はその上に乗り、錆びた釘を親指でトントンと押し込んでいきます。

トントン……ピカァァァッ!!

凛が「優しく」釘を押し込むたびに、彼の無限の魔力が釘を通じて屋根全体に浸透。ボロボロの木材は瞬く間に、あらゆる災害を跳ね返す**『神樹の霊木』**へと変質し、孤児院全体が黄金のバリアに包まれました。

「ふぅ。これで雨が降っても安心だね!」

「ああ。……だが凛、屋根の重圧で、孤児院の建物自体が地面に3センチほど沈み込んだ気がするんだが……」

「気のせいですよ! 安定感が増しただけです!」

ミッション2:汚染された川の浄化

次に二人が訪れたのは、工場の廃液でどろどろに汚れた「死の川」でした。

「ハルトさん、ここは僕がやります。……ちょっとだけ、川を『撫でて』みますね」

凛は川岸にしゃがみ込み、水面にそっと指先を浸しました。

(綺麗になーれ、綺麗になーれ……)

ドォォォォォォォォォン!!

一瞬、川が逆流したかと思うと、上流から下流まで数千キロメートルにわたり、どす黒い水が瞬時にダイヤモンドのように透き通る**「高純度マナ水」**へと入れ替わりました。

余波で川沿いに咲き乱れたのは、絶滅したはずの伝説の「七色蓮」。

「……凛。川に住んでいた汚染モンスターたちが、あまりの浄化力に耐えきれず、みんな『天使』のような姿になって昇天していくんだが」

「いい運動になったんじゃないでしょうか! 健康一番ですからね」

史上最も静かな(?)解決

最後は、スラムを支配し、子供たちを苦しめていた悪徳商会の私兵団が二人を取り囲みました。

「なんだぁ? この可愛いガキと、不気味な鎧男は。ここを通るなら命を――」

「ハルトさん、危ないですよ! どいてください!」

凛は、私兵たちが放った弾丸(魔法銃)がハルトに当たらないよう、**「そっと」**手で払いのけました。

パァァァァンッッ!!!

凛が空気を「撫でた」だけで発生した衝撃波が、真空の刃となって私兵団の背後にあった「商会のビル」だけを豆腐のように綺麗にスライスしました。

「……あ。ハエを追い払おうとしただけなのに……」

「……大丈夫だ、凛。俺も今、彼らの武器を没収しようとして、指先で触れたら、武器が分子レベルで砂になったところだ」

悪徳商会の連中は、自分たちが何に襲われたのかも分からず、ただ「神のような美少年」と「死神のような鎧男」が仲良く歩いていく姿を見て、その場で気絶しました。

女神の独り言

「凛……。異世界まで行って、地質と生態系を書き換えましたね。ハルトさんと二人で歩くだけで、その世界の文明が1000年進歩してしまいましたよ。……まあ、屋根が直って子供たちが笑っているなら、女神(私)も大目に見ましょうかね」

「ハルトさん、お助け大成功ですね!」

「ああ。……次は、君の世界のジャガイモを、俺の世界の王様に食べさせてやってくれないか? きっと戦争なんてバカらしくなるはずだ」

最強二人の「そっと」した人助けは、異世界の歴史に**『二人の救世主が歩いた奇跡の一日』**として刻まれることになったのでした。

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