涙に答えを!!
ジリジリジリジリジリジリィィィィイドガボグギゲギョガギコゴガザバゴガガガガァァァアアアアアアアアイアアアンッ!!!!
「うぉあ! な、何だぁっ!?」
「……うるさい」
「うぉぉおぉぉぉ?」
「きゃっ!」
「耳痛って……なんだってんだよ」
日にして5月1日
時刻朝5時00分
学院側の目覚ましによりラギア魔法学院新一年生全員が叩き起こされ、
「おいおい。ほんとに何なんだよ」
「……眠い……めんどくさい」
「ん? んん?」
「?」
「あ、頭が……って、何だこれ」
《緊急:今すぐ新一年全員急遽グラウンドに集合!》
目の前に浮かび上がるホログラムプレートに綴られた強調するように赤く点滅する文章を目にしていた。
◇◆◇
「来てみたけど、何なんだろう」
もう既にかなりの人がグラウンドに集まってきており、ガヤガヤと騒がしかった。
「うぅ。どうしよう。と、取り敢えずユウマを探してみようかな」
周りの人たちはみんな何人かのグループになって楽しそうにお喋りをしている。
そんな中で一人の私はものすごく寂しいと感じた。
「ふふっ。昨日は頑張っもん! ユウマに自慢するんだから!」
周りをキョロキョロしながら昨日のことを思い返す。
昨日は我ながら褒められるほど頑張ったと思う。
それのせいでちょっと寝不足だけど、気分は良い方だ。
「あ!おーい、ユウ 、マ ?」
そんな事を思っているうちにユウマを見つけた。
見つけた、のだが。
急激に声が落ちていく。
何故だろう、私の表情が引き攣っているのが自分でもわかる。
ううん。理由なんてわかってる。
一目でわかる。ユウマがおかしいのだ。
はっきり言って、鬱患者みたい。
気分悪そうに目は半眼顔色は青い。
目の下にはクマができ、グラグラとこまめに揺れている。
「ちょっとユウマ! 大丈夫っ!?」
「! お、おお。ハルか? 大丈夫寝不足なだけだから。それにしても、昨日やっと、はははっ……」
気分悪そうな顔のままうわ言のように笑い始めた。
本当に大丈夫だろうか
《あーあー。諸君! 全員集まったかな?》
この声は聞き覚えがある。
理事長だ。
どこから声が聞こえてくるんだろ?
《今私は君たちの脳内に直接音声を届けている。そして、何故君たちを 「理事長、新一年生全員の確認が完了しました」「あ、あいよ〜。サンキュ〜」 あっ!う〜ゲフンッ!
何故君たちを今日ここに呼んだのか、まずはそこから話そう。
今年は来るもの拒まずで受験等は無しに、希望する生徒は全員この学校の入学を許可した訳なのだがぁ、あ〜そのぉ〜。
そういった事をするとレベルに見合わない者も出てきてしまい、何かが起きた時に十分な対処ができない! そしてその責任を取らなければいけないのは貴方ですよ理事長!
と指摘されてしまって。
そこで! 君たちには今日これよりラギア魔法学院式の
『入学試験』
を行ってもらう!》
言っている意味が一瞬わからなかった。
《勿論!君たちには不満があるだろう!受験をするという事は落ちたらこの学院から追い出されるという事なのだから。
だが、そもそも考えてみればそれは当たり前の事だ。
今更何だと思うだろうか?
今日までこの学院にいられたのはただの 運 であって、それは君たちの持つ 力 じゃない。
力があるからこの学院にいられた訳じゃない!
それは違うと思うだろうか?
ならば証明して見せてくれ!
自分はこの学院にふさわしい者だと!
戦って力を示して勝ち抜いて!
それだけの事さ簡単でしょ?
ここにいたけりゃ勝つんだなっ!!》
ウォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオ!!!
雄叫びが上がった。
ゾクッとした。
体が焼けるような感覚に見舞われ気分が高揚していく
「ユウマっ」
「ははっ。たいそうな演説だこと。昨日までの俺なら呆れてたとこだろうけどな」
ユウマはにやっと笑って私を見たのだった。
◇◆◇
「流石です。理事長」
「あん? なにがぁ〜」
暗い部屋で二つの声と紅茶が流れる音が鮮明に鳴り響く。
「筆記のようなくだらないテストより充実した内容が見込める実践をさせる為、魔道書を用意しこれだけの時間を与えた。
それは今日までこの学院でどれだけ有意義に過ごしたかにより結果が変わるという事。
その為、学院に残る生徒は皆ほとんどがこれから良い成長を遂げてる可能性のある人達となる。
理事長の考えには感服させられます」
「ははっ。さ・て。なぁ〜んの事かな♡」
声の主はパキッとクッキーをかじり、ニヤリッと妖艶な笑みを浮かべた。
◇◆◇
受験のルールは簡単。
『学院が所有する一つの山で魔物を狩る』
出現する魔物は
スライム・ゴブリン・オーク・ピクシーの醜悪系の魔物。(動物系の魔物は出現しない)
基本魔物を一体倒すと一点が課される。(一点=1ポイントとしてポイントが加算されます)
倒した魔物の強さの分だけ追加される点数は大きくなる。
時間は午後5時まで。
タイムアップ時に魔物と戦闘を行っていた者は、その魔物との戦闘のみ継続してよい。
合格ラインは一人百点。
終了時に点数がそれ以下の場合は不合格とする。
「複数で協力して魔物を狩ることも可。しかしその場合倒した後に加点される点数はその人数分公平に分けられる。(一点の時は全員に一点が加算される)、か」
「…………」
何故かハルが暗い顔をしている。
具合でも悪いのか?
「あーあーゴホンッ。すいませーん。理事長さん? 俺の声聞こえてます? 聞こえてたら返事してもらえませんかね? 質問があるんですが」
交信をするイメージで耳に手を当てて問いかけてみる。
《ほほう、質問とは珍しいね。君、名前は?》
お。返ってきた。
やってみるもんだな。
「あーはい。荒杭勇魔といいます」
《ガシャァンッ!?》
えっ!
「あ、あの、大丈夫ですか?」
《あ、ああ。心配ない。済まなかった。で? 質問とやらを聞こうか》
「ああ。別に変な事聞こうって訳じゃないですよ? ただですね。使うのがどうしてあの山なのかなって思ったもので」
《どうしてとは?》
「いや。この学院は多数山等を所有しているって聞いたことがあるんですけど、今回使用するのって小さい方では? こういった大きな行事では範囲が広い大きなところを使うと思ったのですが」
入学試験なんていう大それた事を行うってのに、なんでなんでしょうかねぇ、ええ。
これぐらいでいいやみたいな軽い気持ちだったら、軽くキレるよ?
《ふむ。君は変なところを気にかけるのだね
答えよう。
私も大きなところを使いたかったのだが、実は今日は三年生の卒業試験の日でもあるんだよ。
その為ほとんどの土地を卒業試験の会場にしてしまっていてね。
今残っていて一番大きいのがあそこなのだよ》
「ほう。そうだったんですか。ありがとうございます。いやぁすみません、時間を取らせてしまって」
《いや。こんな時に私に質問などする生徒もいないから、なかなかに楽しかったよ。
受験。頑張ってくれたまえ》
「はい。頑張らせていただきます」
ふぅ。
緊張したなぁ。
ま、特に怪しいような様子は見られなかったし。
別に他の意図があってあの山を選んだとかいう訳でもなさそうだ。
「んでも無茶振りだな。魔道書と契約していないと魔道士なんてただのもやしっ子だぞ?それなのに魔物を倒せとか」
「あの、えっと、ユウマ?」
「あん? どったの?」
最近気づいたことだが、ハルは言いづらいことを言おうとしているときにこういった顔をする。
「ユウマは大丈夫なの? 魔物だよ」
なるほど。
俺のトラウマの件か。
俺も最初の文章を読んだ時はその場に崩れ落ちる勢いだった。
「確かにお前の言いたいことはわかる。だけど大丈夫だ」
今回は運が味方をしている。
「どうして?」
俺はガッツポーズを取りながらいい笑顔を返す。
「俺は醜悪系の魔物なら体がめっちゃ震えるぐらいで済むんだっ!」
ん? それは大丈夫と言えるのか?
ま、それは置いといて。
そう。
魔物には『醜悪系』『動物系』『堕人系』という三つの種類がある。
『醜悪系』は、魔物特有の魔力が作り出す『魔素』と呼ばれるものが歪な形に変化しできたと言われている魔物。
魔物の二代種とも呼ばれている。
『動物系』は、かつてこの地に生息していたと言われる動物の特徴や姿を模した魔物。
『醜悪系』の魔物が誕生する為の魔素を生み出したのはこの魔物だと言われている。
『堕人系』は、別名『魔者』。
魔の者とは読んで字のごとく、人の姿をした魔物の事。
魔道士の魔力が暴走して誕生したとか、醜悪系の魔物が進化して誕生した等様々な噂が広がっているが、詳しくは判明していない。
そんな中で俺のトラウマになっているのは『動物系』の魔物
なのだが。
やはりそううまい話はなく、魔物と判断しただけで俺の体が反応するのも確かだ
しかし焦ることなかれ!
今回の受験には『ピクシー』がいるじゃないか!
俺が見てもトラウマが蘇らない魔物の一つである。
初めて偶然ピクシーの群れを見た時は、それが魔物とは思わなかった。
俊敏性・機動力が共に果てしなく、体が約10cmと小さいため見つけるのが非常に困難だが、その分高い点数が望めるっ!
「と、いう訳だ」
「うん。よくわかんないけどユウマがいいならいいや。でもそんなこと良く知ってるね」
「それより心配なのはハルの方だ」
「え? 何で?」
「ハルの分の魔道書をまだ見つけてない。まだハルは魔法が使えないんだぞっ? それで魔物に対抗するつもりか? あぁ、クソッ! こんな事なら見つけときゃ良かった!」
「ふふん。そこは心配いらないのですユウマ」
「 ? どゆこと?」
「実は昨日、帰った後図書館によって魔道書を見つけてきたのです!」
ムフンッとハルは胸を張ってそう言った。
「おお! マジか!」
「ふっふっふぅ。どうだ凄いでしょ」
「でっ? どんな魔道書と契約したんだよ」
「ああ、それはね…………」
「ん? どした?」
サッとハルの顔が一気に青くなった。
うん。
服装もあいまって全身真っ青だ。
「どうしよう、契約まだしてない」
「なっ!」
「どうしよう、このままじゃ」
「待て、まずは落ち着け。今5時50分。受験開始時刻が6時半で、転移魔法陣で飛ぶ事も考えると、え〜、後30分ある!今すぐ契約を始めればギリギリ間に合うかもしれない。早く魔道書を」
「う、うん。えっと」
今度こそハルの顔が凍りついた。
う、嘘だろ………
「ごめんなさい寮においてきてしまいましたぁ!」
あ
詰んだ。
「ここから女子寮まで10分と考えると20分で契約を済まさないといけないのか」
絶望的だ。
俺の時は初めてであったことと本を読みながらだったから時間がかかったが
慣れている今で30分がギリギリのラインだろう。
「ここから図書館に向かえば3分もかからないけど」
「今から魔道書を探すのか? それに無理だ。図書館が開くのは7時からだからな」
「そ、そっか」
ハルがその場にペタリッと座り込んだ。
「は、ははっ。やっとこの学院に来れたのに、ユウマみたいな、友達も、出来たのに、な、」
「ハル……」
「他にも、友達、出来たんだよ?なの、なのに、っ」
ハルの手にポタリッと一滴、涙が落ちた。
それを見た時
ドンッと直接心臓を殴られたような感覚が俺を襲った。
「楽しかったのに……ヒックッ……ぅっ……」
ハルはついに両手で目元を覆ってしゃくり上げ始めてしまった。
まるで見てはいけないものを目の当たりにしたような、今すぐ目を背けたい衝動にかられ実際にそれを行動に移しそうになった時、ある事を思い出した。
そうだ。
あの時ハルは俺に何をしてくれた。
悲しみに押しつぶされそうだった時、俺を救ってくれたのは誰だ。
重いと思うかもしれないが、俺にとっては救いだった。
なら、俺だって!
俺は衝動的にハルの手を掴んでいた。
「?」
ハルは一瞬ピクリッと震え、俺を見上げた。
そっとハルの目線に合わすよう膝立ちになり、ハルの目を目一杯見つめた。
そして
俺は語る。
「ハル。泣かないでくれ。俺はお前の涙なんか見たくない」
ハルが驚いたように目をまん丸に見開いた。
くおっ!
罪悪感がっ!
「ハルは、笑っていなきゃダメだ! 俺は、ハルに笑っていて欲しいんだよっ! その笑顔を何かが奪おうとするのなら、俺が全力でそれを取り戻し、守り通してみせる!」
「? ? ? ……!?……っ!?」
流石天下一品の大根役者
我ながら歯の浮くセリフだと自覚している。
だが、俺にはこれしか思いつかない。
情けない事に、俺には女の子を泣き止ませる方法なんてこれぐらいしか思いつかないんだ。
ハルに泣いて欲しくないのは俺のまぎれもない本性だが、結果的にお前を傷つけてしまうかもしれない。
だから先に謝っておく。
悪い。
でも、本当にこれしかないから、続けさせてもらう。
親父を見続けてきた俺だからわかる。
泣いている女の子を幸せにするのはいつだって
自分を守ってくれる 勇者 という存在なのだから。
「俺が君を」
そこまで言って、息が詰まった。
いや、待て。
ここで守ると言い切っていいのか。
守るからと続けてしまうのは簡単だ。
だがその後はどうする。
責任を取るのか?
責任を取るって何だ。
それがわからないのに言っていい言葉なのか?
これからずっと一緒にいるという事なのか?
だがそれが俺にできるのか?
そんな覚悟俺にあるのか?
いいや、あるはずがない。
はっきり言おう
無いっ!?
こういう展開は何度も見てるからわかる。
これは明らかに裏切りだ。
俺を友達だと言い、俺を救ってくれた彼女に対する手酷い裏切りだ。
確かに親父にそう言ってもらえた女性はその時は幸せに感じただろう。
だが今でもそうなのか?
フラグをあらゆるところで立て続けてきたくせに、最終的にはそのうちの一人とつながった。
それを知った他の女性は嫌だと思ったんじゃないだろうか。
いや、こんな言葉で逃げるのもやめよう。
だろうかじゃない。
絶対に思う。嫌だと思うに決まっている。
不愉快だと思っただろう。
それを、俺は!何の覚悟もなくその場の雰囲気に流されて口にしようとしているんだぞ!
……だけど、でも、じゃあどうしろって言うんだ。
ほら今も、潤んだ目で、頬を赤らめ、心配そうに且つ何かを求めるように俺を見る彼女に、何かそれ以外で言葉をかけてみろよ!
早くしろ!
それができないなら今すぐその言葉をかけろ!
この根性無し!
「っ! お、俺は」
「うん。なに……?」
見ろ!
彼女は待ってくれている!
こんないざって時に黙って見つめる事しかできない、感情破綻した、ガキっぽいところを隠そうとして大人ぶってみるけど結局ボロが出るバカで本当にどうしようもない根性無しの俺の言葉を。
そんな彼女に思ってもいない上辺だけの言葉なんてかけていいのか?
いや、いいはずがない!
俺が絶対に許さない!
じゃあどうするのか。
自分の思ってる事を、正直にぶつけるしかないだろ!
俺みたいな人間には、もうそれしかできないだろうがっ!?
「俺は.いや、その、お、俺に……俺に!」
「俺に守られてくれ、ハル!」
「……へ?」
は?
ん?
あれ?
結局意味は同じじゃないか?
「えっと、それは」
いや違う!
これは俺の本心なんだ!
だから違う!
いや言ってる事自分でもわかんなくなってきたけど!
いいから違う!!
だから安心して続けろ俺っ!
「俺が、ハルの分の受験合格点。百点を取ってみせる!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「で?ユウマの言ってる事全然わかんないんだけど?」
俺が堂々と宣言してからハルが泣き止み会話が再開されるのに15分がかかった。
話しているのに10分かかったからもう5分しかないな。
「ちょっと。黙ってないでなんか言ったら?」
ふ〜む。
さて、これからハルの分も点数を取らないといけないから、テスト中は一緒に行動しないといけないな。
二百点か、楽な戦いじゃないな
「ねぇ! ねぇってば! ユウマぁ〜元気〜〜。一体守られるって何……」
「止めてぶり返さないで死にたくなるからぁーーーーーー!!!」
俺は頭を抱えて悶絶する。
俺は一体何をバカな事を言っていたのだろうか。
嫌だなぁ
思い出したくないなぁ
「そのまんまの意味だよっ! 頼むからこれ以上その話題に触れないで! 黙って俺についてきて! 俺みたいな奴はああ言うしかなかったんですよっ! それに何なのっ! 守られてくれって! 馬鹿なのっ死ぬのっ!!!」
うわああぁぁぁぁあ!!! ちくしょうぅぅう!! 死んでやるぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!
「ちょっと、一人で暴走しないでよ」
頭を抱えて悶え苦しむ俺を頬を引き攣らせながら手で止めようとするハル
「はぁ。ユウマが死んじゃったら、私の分の点数を取ってくれる人がいなくなっちゃうでしょ」
「ハル?」
「勿論タダでとは言わないよ。貸し1って事でどう?」
「お、おお! そうだよその通りだよっ! 貸し1でいいんだよ! 俺はそれが言いたかったんだよっ!」
「もう、調子いいんだから。でも無茶はしないでね? 百点を取るだけで精一杯だったら私の事は放っといていいから」
「お、おう。さてと。もう時間だ。5分前には会場についときたいしな」
「うん。行こう?」
「おうとも」
ふふふっ。
その点は安心しろっ!
何しろ俺には、超ド級の秘策があるんだっ!
◇◆◇
「受験を受ける生徒はこちらでプレートと腕輪をお受け取りくださーい!!」
会場に転移するとすぐにそんな声が聞こえた。
「はいはーい。俺たちも参加しまーす!」
「はい、かしこまりました。ではこちらに生徒ナンバーを記入してください」
渡されたプレート状の板に生徒ナンバーを打ち込むと『荒杭勇魔』という文字が浮かんだ。
あ。
そういう仕組みね。
「今からそのプレートはあなた方専用の物となります。場所の魔物出現率や魔物と対峙した時にその魔物の強さがアバウトに表示されるなど、今回の受験に活用できる機能が幾つか備わっております。
又、獲得した点数も表示されるので点数確認はそちらでよろしくお願いいたします。
あと安全面に考慮し、この腕輪をしてください。これをつけていれば最悪死んでしまっても大丈夫、学院のグラウンドで蘇生できます。ただし、それまでに獲得していたポイントは剥奪されてしまうのでお気をつけください。しかし、再チャレンジは受け付けます。その時にはまたその腕輪を受け取りに来てください。一度腕輪の力を使ってしまうとその腕輪は砕けてしまいます。
以上です。いい結果が残せるようベストを尽くしてくださいね」
「「はいっ!」」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
《あー全員揃ったかな?只今7時5秒前!》
プレートに4という数字が表示される。
《んじゃ全員でカウントダウン いってみよぉう!》
「「「「「《3っ!》」」」」」」
「「「「「《2っ!!》」」」」」
「「「「「《1っ!!》」」」」」
絶対にこの受験、合格してみせる!
プレートの数字が0を示し、『START!』という文字が映し出された。
《ラギア魔法学院入学試験 開始ぃい!!》
俺はすかさずハルを抱きかかえる。
「ふぇっ!」
「爆縮!」
その瞬間俺の背後で大爆発がおこった。
ギィヤーだとかうわぁーなどという言葉が背中に突き刺さる。
そして俺はというと、
ハルを抱えている状態で仲良く一緒に山の奥へと吹っ飛んで
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
謎のBGMが腕いっぱいに響き渡る中くるくると回りながら地面にぐんぐん迫っていき
「よっ」
最後にぐるんっと一回転。
ボヨンボヨンの吸い込むだけ吸い込んでその後反射しようとしない、どっかの法則を無視した出来の悪いクッションに着地した。
「よっしゃいいでだし! って大丈夫か? ハルッ」
少しずつ原型を元に戻した低反発なクッションから降りると。
ハルは目を回していた。
「あらま」
いや〜たはは。
失敗失敗。
やりすぎちゃったみたい
・ ・ ・
テヘペロッ☆
その後ものすごく怒られました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……――で、何したの?」
「空を飛んだっ!(キリッ」
―――ギロリッ!
「説明しますですはい」
最初の方は正座させられ
「この〆+$☆×°$*|×=$*°×♪$:〒^○*♪☆→¥$な♭°%#′-,¥ッッッッッッ!!!!!!」
などと意味不明瞭な罵詈雑言を浴びせられていたが
少し落ち着いたのかまともな質問をしてくれた。
まともな返答はしてないんだけどねっ(笑)
いや笑い事じゃねぇから!
冷や汗ダラダラもんだから!
目がマジなんだもんっ!
どうしよう、どうやってごまかす?
「あー後これはマジの方でちょっと聞いて!」
「なに?」
「時間がもったいないから!歩きながらもとい走って魔物探しながら話でいいですか?」
「……わかった」
ふふっ。
だろうな。了承せざるをえないよな。
何たってお前の点数を肩代わりするって名目があるんだからな。
ん? まてよ。
さっきのもその点数を取るために仕方なくって言えば納得してくれるんじゃね?
「ま、そういうのも取り敢えず後にして」
あ、足痺れてきた。
あれ?
「おいどうした? 立てって」
ハルが動かん。
何故だっ!
まさかさっきので足を痛めたとかっ!
「……ユウマ」
声が震えている。
ま、まさか
「腰が抜けちゃって……立てない……」
ふぅ……
ごめん俺のせいだよな。
うん。
わかってる。
わかってるんだけどごめん。
それ、マジウケるわぁっ!?
「わあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっwwwwwwwww!!!! 嘘だろっ!! ひーひーっ!! ちょっとそれは、はっはっはっはっwww!! やばいやばい! ちょ、それヤバイって!! あぁ、ちょっごめん。笑っちゃダメだよな! わかってる。ごめんごめん。落ち着け落ち着け。すぅーふぅー深呼吸深呼吸〜」
腹を抑えて転げ回っている俺のことを、ハルは首まで真っかになり、ものすごい剣幕+涙目で睨んでいた。
「あぁーわかってる。悪かった。プッ! ゴホンッ笑って悪かった。俺のせいだよな。クククッ。いや違うんだ。落ち着いてくれ。話せばわかる」
声は明らかに震えていた
今なおも変わらず睨み続けるその顔に、俺はため息をつき目元を抑え
「ごめん……」
そしてその3秒後
俺は思いのままに腹を抱えて大笑いした
「こ、こ、この……ゆ、ゆ、ゆぅ、ユウマぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
試験会場の山に、怒号と笑い声がこだました瞬間だった。
おいっ!
何なの魔物の種類が違うから大丈夫とかっ!?
ご都合主義爆発かよっ!
ごめんなさい。
つうかユウマそれはどうなのよ
男ならフラグたては必須だろうに!




