『オッケーグー◯ル、ステータスについて教えて?』
いろいろと大丈夫かなぁ…
ステータス
名.佐々木 明 性.男
種族.人間 職業.無し
LV 5
体力.500/500
魔力.100/100
スタミナ.250/250
攻撃力.50
防御力.40
魔法攻撃力.25
魔法防御力.20
素早さ.85
運.10
スキル
・観察眼 LV1
・疾走 LV2
・鑑定眼 LV1
・投擲操作技術 LV3
・剣術 LV2
特殊ステータス
・異世界転生者
・言霊の加護
・地の星の民
〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:〜:
(えっと…)
職業・無職については、あえて何も言わないでおくとしよう。
それよりも、今はレベルや体力と言った概念の方が重要だ。
(レベル5とか、体力500ってのは強いのか?
それとも弱いのか?
うーん。
『体力が〜』とか『防御力が〜』って言われても全然実感わかないな…)
強いかどうかの確信が持てない現状、ステータスのパラメータの数値が高いかどうかは放置しておくべきだろう。
とくれば、注目すべきはスキルや特殊ステータスなる欄だろう。
(って、特殊ステータスに『異世界転生者』ってあるじゃねーか!
…つまり、ここは異世界で、俺が転生しているのは確定…って事だよな?
…そもそも、この『特殊ステータス』ってのは、俺の素性を示してるって事なのか?
でもそれだと、この『言霊の加護』ってのは良くわかんないよな。)
『地の星の民』は、もしかしなくても地球人を表しているのだろう。
だが、『言霊の加護』なんて物には全く思い当たる節がない。
(もしかして、これがテツが言ってたチートって奴なのか?
ああ、もう!
専門用語みたいなの急に言われても全然わかんねえよ!
ステータスにも某読み上げAIみたいな音声による検索機能とか付いてねーのかよ!
…案外、そういった機能がついてたりしそうだな。
さっきみたいに試してみるべきか。)
「オッケー、ステータス!特殊ステータスについて教えて!」
(…………………ダメみたいですね。)
もう、こうなったらヤケクソだ。
(ステータスの画面にタッチしてやる!
どうせ無理だろうけ…)
ステータスの画面が切り替わる。
・言霊の加護
神の権能の一つである全知に属する加護。数多の国の聡明な学者や指導者達が欲した加護である。
この加護を持つものが話した言葉は知能を有するものに理解される。また、この加護を持つものは全ての言葉を理解することができる。なお文字の読み書きに関して、この加護は発揮されない。
(……ステータス、お前タッチパネル操作なのかよ。)
音声認証システムを採用しているのは起動時だけということだろうか。
(転生初心者に優しくないシステムだな…
…それにしても『言霊の加護』か。
神云々の件はよくわかんないから今は無視するとして…
これ、地球にいた頃に欲しかったな。)
バイリンガルどころか全ての言語を話せるマルチリンガルになれるのだから、旅行や海外の映画や音楽、動画を気兼ねなく楽しめたに違いない。
(…まあとにかく、『言霊の加護』の説明を見る限り先ほどまで問題にしていた現地人との意思伝達については気にしなくてよさそうだな。)
『会話ができる知的生命体に遭遇した時は、相手の言語関係なしにコミュニケーションが取れる。』とわかったのはとても大きな収穫だ。
何せ、不確定なジェスチャーによる意思疎通に頼らなくて済むとわかったのだから…
(言霊の加護は有能だが、テツの言っていた『チート』に入るかと言われたら微妙だな…
…とりあえず、他のスキルの方も見ておくか。)
先ほどと同じく、タッチパネル操作で気になるスキルの説明を開いていく。
・観察眼
様々なものの動作や状態を把握する能力を持つものが身につけるスキル。観察により、敵や味方の特徴や行動予測を捉えて把握する事ができる。鑑定眼の保有の為に必須となる。
・疾走
走る事に慣れたもの、又は速く走る事に特化したものが身につけるスキル。レベルアップ時のスピードのパラメータの上昇率が上がり、走る動作時のスタミナ減少量に補正が入る
・鑑定眼
様々なものを解析、理解、数値化する能力を与えるスキル。植物や鉱物、動物、モンスターの名前や生態と言った様々な情報を知ることができる。なお、鑑定眼のスキルレベルが観察眼のスキルレベルを超えることはない。
・投擲操作技術
球体や投げ槍、弓などの投擲武器の操作に慣れているものが持つスキル。投擲武器の命中率及び威力が上昇する。スキルLV5で強化が可能となる。
・剣術
剣を使うものが身につけるスキル。剣カテゴリの武器の威力およびクリティカル率が上がる。スキルLV5でスキルの強化が可能となる。
タッチでスキルの説明を確認するにつれ、法則性が掴めてきた。
(要は、日本で培った球技系統と剣道の経験による技術が、そのままスキルって形になった感じだな。)
俺は昔から身体を動かすのが好きで、サッカーとかバスケとか野球なんかをよくやっていた。
『投擲操作技術』と『疾走』のスキルは、もしかしなくてもこれらの経験に由来しているのだろう。
また、剣道も一応やっていた。
と言っても半年ほどでやめてしまった(ちょうど引越しが決まり、道場に通えなくなった)ため、素人に毛が生えた程度の実力なのだが…
投擲操作技術のレベルに比べて剣術スキルが低いのは経験日数の差、と考えるのが妥当か。
観察眼は、おそらくこれらのスポーツをしていく中で相手の動作の確認や予測によって身についたもの、言い換えれば動体視力の事なのかもしれない。
(あとは鑑定眼か…)
これに関しては特段思い当たる節もないので、正直言って実感がわいていない。
しかし、説明から察するに検索機能のようなものなのだろう。
(自分がわからないものを『鑑定』って…なんか矛盾してる気もするけどな。
よし!
鑑定眼の能力を知るためにも、試しにあの巨大イモムシを鑑定してみるか。)
中山君が虫嫌いなのはともかくとして、でかいイモムシとか虫そこまで嫌いじゃなくても普通に嫌だと思うんですが…
あと、いつも思うんですけどなんでステータス画面って大抵他人には見えないんですかね?目の中にでも埋め込まれてるのかな?