巨人族のウガッタリ
感情が漏れ出すとき、
弱音といわれるが、無理な話だ。
巨人族のウガッタリはその巨躯にあった場所を求めて、
魔王領のギガントジャイアント山脈に住処を見つけた。
時々マンモスを狩ったり、恐竜を食べたりして、
食を補っていたが、それでもまだまだ食べたりない、
「お腹すいたぞ!」
ウガッタリは山から眺めると、
民族大移動を目撃し、これを掴み取ると、
バラバラバラにして食べ始めてしまった。
「ギャー私たちは国境を越えて、
人間の世界で生きたいだけなのに―!」
「たかが少数民族のくせに生意気なんだな!」
少数民族が連れている家畜をむさぼり食って、
ひたすらキャラバンを食い荒らすウガッタリ!
「やめろーーーーーーーー!!!!」
その声は我らが勇者の声!
「な、なんなんだな?」
「お前のやっている行為は、
ただ単純に人殺しを越えて、
その遺骸までも辱める大罪だー!!」
「ふくっ所詮人間なんだな、踏みつぶしてやるんだな!」
ドシン、ドシンと足踏みをすると、
たちまち辺りに砂ぼこり舞い上がり、
勇者のいる場所が隠れて見えないが、
その一撃のひらめきできづいた。
「い、いたいんだな」
「人間を舐めるな!!」
勇者は剣を構えると何十回でも切り結び、
「人間を食うやつに鉄槌を!」
盗賊は短剣で何百という傷を巨人につけていく!
「おれ、ウガッタり、もう怒ったんだな!」
ウガッタリは怒りの蒸気を巻き上げると、
辺り一面は炎が燃え盛るが、
「水よ、かの仲間を癒やしたまえ!」
僧侶の回復魔法を一身に浴びた勇者と盗賊は、
まだまだやれると、剣を構え、
ウガッタリの脛から切り上がって、
そのまま大腿、下腹部、胴体と切りつけ、
やがて両腕、首、頭にまで切りつけた!!
「うがー!うごーーー!!!!」
ウガッタリは大の字に倒れた、
「ようやくここまで倒れてきてくださったわね、
ウガッタリ?」
「あ、貴方様は魔王の娘、サルシャ姫! なぜ!?」
「簡単よ、あなたはあまりにも人を殺しすぎた、
今の時代に合わないその巨躯で、
暮らしていく事もままならず、
暴力だけで為しあがったんだからね、
これは天罰ってやつよ」
「そんな!ありえないんだな!俺悪くない!」
「今まで自分の非を認めたものはいなかったわ、
あなたもまた例外ではないようね、勇者、盗賊!」
「とどめを刺させてもらう!」
「嫌だ、嫌なんだな!! まだ食い足りないんだな!!」
ウガッタリはじたばたすると、
自らに近づいてくる死を回避しようと必死である。
「くらえー!!」
勇者の剣と盗賊の短剣がつきたてられ、
ウガッタリは裁かれた。
意外とあっさりだったウガッタリの死、
はたしてこの先はなにが待っているのか?




