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夜明けの女神  作者: riko
第一章
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シュナイゼル殿下というお人


今回の訪問理由、表向きは歳の近い者が集まりお茶会をしましょうというもの。


だが本当の理由はシュナイゼル殿下の婚約者探しだと殆どの者は知っている。


眉目秀麗で頭脳明晰、加えて継承権第一位と将来有望なシュナイゼル殿下との婚約者探しという、またとない機会にウキウキしているご令嬢も多い。手ぐすね引いて待ち侘びている野心高めなご令嬢も勿論多い。

あのような性格じゃなければ私だってウキウキしたのだろうけど…


「みな、待たせたな!私と相見えた事を光栄に思うがよい!」


このような性格じゃなければ私だってウキウキしたのだろうけど…!


「本日は美しい私の姿を網膜に焼き付けるといい!」


シュナイゼル殿下は残念な事に超がつくほどのナルシストなのだ。

己に対する絶対的な自信。それ故に…


「…おい!おい!!!聞こえているのか!!!エリーザベト・ディセントラ・フォン・カサブランカ!!!!」


名を呼ばれ思想に深く潜っていた私はすぐ様浮上する。

目前にはシュナイゼル殿下がいた。

まずい。言い繕わなくては。



「申し訳ございません。お恥ずかしながらシュナイゼル殿下に見惚れておりました。ご機嫌麗しゅう、シュナイゼル第一王子殿下。」


我ながらうまい誤魔化しが出来たのでは無いだろうか。

だがいっこうに反応は無く、許しを貰わなければ頭をあげられない、と焦れた私は「殿下…?」と呼んだ。


「うぁ…っ許す!頭をあげよ!!!」


ホッとして頭をあげるとシュナイゼル殿下は頬をほんのり赤く染め僅かに照れていた。


「お前は美しいから気に食わなかったがお前も私を美しいと思っていたのだな!仕方ない。私は寛容なんだ。お前という存在を認めてやろうエリーザベト!」


「あ、ありがたき幸せ。」


フハハとでも笑いだしそうなシュナイゼル殿下に押され気味になりつつ、内心首を傾げる。

シュナイゼル殿下は自分より美しい存在を毛嫌いしているというのは有名な話だ。光栄にも私はシュナイゼル殿下にとって自分より美しい存在だと思われていたようだけれど、寛容とは一体…?存在を認める…?もう毛嫌いしないという事だろうか?


そうであるのならば有難い事だけれど…。

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