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首狩りから始まる異世界生活  作者: 駿河太郎
1/6

プロローグ前編

最初短いです。

 SS級冒険者アーシャが最期に見たのは大鎌の刃だった。

 首が落ちた。アーシャの周りにはパーティーメンバー6人が同じように首なしの状態で横たわっていた。

 その横にひっそりと立つ黒ずくめの男は大鎌をアイテムボックスに戻していた。

 彼の頭には機械的な音声が流れていた。


『639レベルにアップしました』

『アーシャ・エルシアのスキルを獲得しました』

『スキル【小刀】【刀】【大盾】【水魔法】【光魔法】【探索】【自動回復】がレベル上限に達しました』

『既存のスキルと統合され【全魔法適正】【不死】を獲得しました。ボーナススキル【全魔法耐性】【物理攻撃無効】を獲得しました』


 その音声をぼんやりと聞いていた彼は、特殊だとはいえ人族で初めて獲得したスキルに驚くことも喜ぶことも無い。

 淡々と後始末を終え立ち去った。


 ステータス

 ???

 種族:人族(異世界人)

 職種:???

 レベル:639

 称号:【首狩り】【無慈悲な殺戮者】【正当なる復讐者】【死神アルスマンの加護】


 クァルハ聖国の聖都にある冒険者ギルドのギルドマスターに凶報が届いた。

【首狩り】の正体を探っていたSS級冒険者アーシャをリーダーとする、聖国でもトップクラスのパーティーが任務失敗どころか、生きて帰ったものがゼロという、最悪の連絡だった。

 ギルドマスターは頭を抱えた。どうしてこんなことになったのかと呟いた。


 ギルドマスターは知らない。

【首狩り】は、かつてギルドに所属していたE級冒険者だった。

【首狩り】は、かつて唯一無二の肉親を最悪の形で失った。

【首狩り】は、かつて人族の希望である聖女に、最愛の妹を勘違いで罪人に仕立て上げられた。

【首狩り】は、かつて人族の救世主である勇者に、最愛の妹は勘違いで痛めつけられた。

【首狩り】は、かつて人族の心の拠り所でもある教会に、最愛の妹は聖女と勇者を守るためという理由で無実の罪で処刑された。

【首狩り】は、かつて人族に、何の罪も無い最愛の妹の亡骸に石をぶつけられ、罵声を浴びせられ、辱められた。


 聖女と勇者は知らない。教会もまた知らない。

 自分たちの勝手な行いによって、1匹のバケモノを産み出してしまったことに。

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