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首狩りから始まる異世界生活  作者: 駿河太郎
2/6

プロローグ中編


 【兄】は【妹】とともに大学に行く途中、時空の裂け目に飲み込まれ、異世界に降り立った。

 降り立った【兄】は【妹】の無事を確認すると、周りを見渡し緊張した。

 そこには10匹を超える野犬が、突然現れた人族を警戒の目で見ていた。

【兄】は【妹】のために、【妹】は【兄】のために、戦うことを選んだ。

 幸いにして、突然現れたことで警戒していた野犬は、人族が向かってくるのを見て逃げ出した。

【兄】は危機を脱したが、それも一時のことと考え、取りあえず行動してみることにした。

 しばらく歩くと村が見えた。どうも中世ヨーロッパに見られた格好の外人しか居ないのに首をひねったが、

【兄】は元々順応性が高いうえに、【妹】が居ればそれだけでいい人物だったから、気にしないことにした。

【妹】もまた、【兄】が居るところが自分の居場所を思う人物だったから、気にしない。


 血のつながりが無いうえ、10年以上も2人っきりで生きてきたという家庭事情があった。


【兄】は村で世界のことを知り、どうも異世界に来たらしいと、無感動にただ思う。

【妹】は村で世界のことを知り、異世界なのに何で言葉が通じるのか考えたが、やはり気にしない。

 それから【兄】は町へ行き、冒険者となる。テンプレのように異例の昇級があるとか、そういうのは無い。

 そもそも出世欲が無いし、【兄】は【妹】と過ごすことができれば他に何も要らないのだから。もちろん【妹】もまた【兄】と過ごすことができたら何も要らないと思っているのだが。

【兄】と【妹】は、それぞれ違うところで作業をしていた。【兄】は【妹】に食べさせるため魔物狩りに行き、【妹】は【兄】の身体のために薬草取りに行っていた。


 運命の日【兄】は、美味な魔物が普段の狩場ではないところに居るということで、離れたところに行っていた。

 運命の日【妹】は、最近見つけた良質な薬草を取るために、離れたところに行っていた。

【妹】は【勇者】と【聖女】に出会った。


【勇者】は大学から帰る途中、光り輝く魔法陣によって異世界に召喚された。

【聖女】は自国の為に召喚の儀式を行なった。

【勇者】と【聖女】は出会った。

【聖女】は言う。魔物が大量発生し、不安定な世界を救ってくださいと。

【勇者】は答える。僕に任せてくれ。と。


 運命の日、【勇者】と【聖女】は魔物狩りのため、遠征という名目のデートを楽しんでいた。

【勇者】は、ふと人の気配を感じて、そちらを見ると、珍しい黒髪の少女が薬草を摘んでいた。なんとなく懐かしくなって、じっと見てしまう。

【聖女】は、【勇者】が少女を見ている姿を見て、胸をざわつかせた。それが嫉妬とは気づかなかった。幼少時より、今までずっと恋を知らなかった【聖女】は、胸のざわつきを、あろうことか少女による精神攻撃と受け取った。

【聖女】は【勇者】に告げる。あの少女は人の形をした魔物の可能性があると。

【勇者】は困惑する。だが、愛する【聖女】がそういうのだから、そうなのだと信じてしまった。

【聖女】は魔法を掛けて【妹】を拘束する。突然捕らえられた【妹】は何が起こったのか分からずに暴れるが、拘束は解かれず。【妹】は盗賊の類かと【聖女】を睨む。【勇者】は、その行為を許さなかった。【勇者】は【妹】を殴りつける。【妹】はその1発で気絶したが、【勇者】は何度も殴る。


【妹】は、【兄】の元に帰らなかった。帰れなかった。

【兄】は、【妹】の帰りが遅いので、探しに出かけた。

【兄】は、【妹】の、いや【妹】だったものを見つけた。

 その日、【兄】は死神の加護により手に入れた【大鎌】を手にし、【首狩り】となった。



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