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偵察

レブ島近海

潜望鏡深度


「バックレましょうよ。この艦1つで偵察なんて自殺行為だ。」

特務潜水艦操舵室内の誰かがそう言った。

「何言ってんだい。隠れて情報盗むのは我々の専売特許じゃないかい。上が、ギールの大将に変わってから、我々の任務は輸送路の監視だけ。オマケにフソウの輸送隊には護衛がつき始めた。我々の存在意義も危ない。」

結成この方、大した戦果も上げていない事にニキータは焦っていた。

「しかし、単艦での偵察任務。危険な事に代わりはないですわ。」

「姉御。フソウの主力艦隊は全艦、港に係留中ですね。動いているのは作業船と海防艦クラスの小型船ばかり、エンドー艦隊にあの新任の艦隊までいる。帝国の南方戦力揃ってますよ。」

「なるほどな。近いうち、大規模侵攻でもするつもりかねぇ。」

「どうしてそう思うので。」

ニキータの誰とも言わない問いにまた誰かが不思議そうに聞いた。いつの間にか潜望鏡は アマールカが覗いていた。アマールカの口元がニヤリと笑みを作る。

「ふふ。男は戦いの前には女が欲しくなるものなのよ。」

「見な。艦隊のどの艦も港も最低限の明かりしかない。一方、街のネオンはキラキラしてやがる。近海の警戒も疎らと来た。ほぼ全員が呑気に街に繰り出してるんだろうよ。」

「なるほど。全力出撃前の休暇だと。」

と潜望鏡をしまいながら潜望鏡担当の女が言った。

「だな。ましてこの間、ギールの大将、やられたらしいしな。我々は戦力を整えるのに時間がかかるはずだ。今のうちに命の洗濯ってやつだな。羨ましい。」

「報告しますか。」

ニキータに通信手の女が聞いた。ニキータは首を振った。

「いや、もう少し様子を見てからで、まだいいだろ。」

「それもそうね。まだ確定じゃないですし。ニキータ。場所を変えて見てみたらどうかしら。」

「そうだな。アマールカ。夜のうちに、もう少し情報が欲しい。」

そうして、特務潜水艦は誰にも気づかれることなく、静かに島を回り始めた。

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