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⑪さて、やるか。
「ありがとう。数枝、おめは、いふとね。」
数枝は、めぐせがって、わんじゃと他のばしゃべっだ。
「やんだべ、みぞれが。」
「んだね。」さぢよは、しゃべりてえことばすしゃべっで、あどはなんもねえ。「あすた、お天気だばいいんず。」
「んだ。眼さめるど、からっど晴れでれば、うれすいべな。」
数枝も、なんもねく、そう合槌うっで、朝の青空ば思えば、やっぱす浮ぎ浮ぎすばって、そんきのごどでろ、わったきんびいぐ寝す身がめごく、さで、晴れだはんで、わあさは、なんもしかへることねのに、とふとりでにたじるとこで、蒲団ば引ぎがぶり、眼尻がら涙、たんげまがして、おや、あぐびの涙っこだが、泣いちゃあんだが、とへでまって、とにがぐ、この子が女優さなるんだば、こぃは、ふとづ、後援会でも組織せねばまね。




