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方言版 太宰治 火の鳥  作者: かんから
女優としての成功
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49/79

①劇場にて

成功だった。劇団は、「鴎座。」劇場は、築地小劇場。狂言は、チエホフの三人姉妹。女優、高野幸代は、長女オリガ()まぶぐ(/\)演ずだ。昭和六年三月下旬、七日間の公演だった。


青年(わげの)、高須隆哉は、三日目で見にく。幕っこあぐ(\/)。オリガ、マースヤ、イリーナの三人の姉妹、舞台()いる。やがで、オリガの独白がはずまる。はずめ(ひけ)ぐで、聞けねんた()青年(わげの)は、(くれ)え観客席の一隅で、耳()すますた。とぎれ、とぎれに聞ける。


 ――あの日、寒みかったわ。雪っこ()降っちゃあ()んだもん。――わー()たげ()生きていけねんた()、――だばって()まんず( ̄\)あがら(/\)一年たって、わーら(_/)もその時のごど()(らぐ)な気持っこで()ひ出せるにたったしろ()、――(時計十二時()打づ。)


 ゆっく(_/)()打づ舞台の時計の音ば、聞いちゃあ()青年(わげの)は、べろっ(/\)とうるだぐっ(/\)で、なも()なも()ど、二度もはげすく舌打すて、そっから、つっ立って廊下さ出だ(\/)

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