77,Q到着しましたね。Aそして出発ですね。
ケートスに着いたのは、日が沈み出してすぐのことだった。
……疲れた。魔除けの粉のおかげか、最初の方はあんまり襲われなかったんだけど、五時間過ぎたら辛いね……
まあ、最初の方も襲われはしたんだけどね。
いつもよりちょっとだけ頻度が少なかった気がする。
「主、大丈夫か?」
「ああ、うん、もう慣れた」
「そうか……」
コガネ君がすごく心配そうにしている。
今の私の体勢は、コガネ君に全体重を預けて肩に頭を乗せている。
なので顔が見えず、いつもより心配そうなのだろう。
「チュン、チュッチュン」
「ああ、頼む」
モエギが宿を探してくれるらしい。
となればサクラも行くわけで。
……サクラ居ないと静かだな。
「主、降りられるか?」
「うん」
コガネ君の手を借りて馬から降りる。
馬が、具合が悪いなら早く寝なさいね。と言ってくれた。
ありがとう、そうします。
「じゃあ、馬を返してくるから、少し待っててくれ」
「はーい」
……辛い。これはあれだな。
魔除けの粉の効果が切れた直後に魔力まき散らす奴に襲われたのが原因だな。
しっかり当てられてしまった……
コガネの魔力には慣れたので、コガネに当てられることはもうないのだが、そのほか……特に闇系の魔力は当てられやすいんだよね。
……後でコガネに魔力発散してもらおう。
慣れない魔力に当てられたときは慣れてる魔力に触れると良いって聞いた気がする。
「お待たせ、主」
「うん。……次は、船だね」
「ああ」
コガネ君が荷物をすべて持って歩きだした。
……荷物持つくらいは平気だよ?
あ、聞いてないね。
というかすごいバランス感覚だね。そんなに積んでも落ちないんだね。
そんなコガネの後ろをついていき、船に乗り込む。
「ピィ!」「チュン」
「おかえり~」
「ピッピィ!」
「見つけたか」
「チュン」
「サクラ、案内」
「ピッ!」
船に乗ったタイミングでサクラとモエギがちょうど戻ってきた。
コガネ君に言われてサクラが船の前を飛び始める。
モエギは私の膝の上に降りて、心配そうにこちらを見上げている。
少しマシになったから大丈夫だよ。
「チュン?」
「ほんとだって」
「でも主、まだ辛そうだぞ?」
「本当にマシにはなってるよ。……って、私声に出してなかったよね?」
「顔に書いてある」「チュン」
そんなに分かりやすいか?
コガネ君とモエギが敏いだけじゃない?
……あ、サクラも頷いてる。まじか。そんなにか。
隠し事とかできないね。する気もないけど。
「ピィ!」
「ここか。近いな」
「お?着いた?」
「チュン」
こんな近い宿に空きがあったのか。
ラッキーだね。
「それじゃ、少し待っててくれ」
「はーい」
部屋を取るためにコガネ君が船を降りる。
……そういえば、サクラとモエギはどうやって部屋の空きとか調べてるんだ?
言葉通じないよね?
「サクラー、モエギー」
「ピ?」「チュン?」
「どうやって宿探したり部屋の空き調べたりしてるの?」
サクラが言った内容をまとめると、宿を見つけたら中に入ってみて、壁に鍵がかかっていたらそれで判断、かかっていなかったらカウンターの人とのコミュニケーションを試みる……らしい。
すごいな。
「コミュニケーションって、どうやるの?」
「チュン、チュンチュン(契約獣だってわかるように動くんです)」
「はー、なるほど」
契約獣だと分かれば部屋を探していることも想像できるってわけか。
つまり、なにかわかりやすい印をつけたほうがいい気がする。
……今度リボンか何か買ってこよう。
「おまたせ、主」
「あ、おかえり~」
コガネ君が戻ってきた。
無事に部屋が取れたみたいだ。
おはようございます。
現在朝7時45分です。
昨日、寝る前にコガネの魔力に当たったおかげで気持ちのいい目覚めです。
で、今日は……
「主、着替え終わったか?」
「うん、終わったよ」
「そうか。なら朝ご飯食べておいてくれ。10時には出発するぞ」
「はーい」
そう、ガルダに帰るのだ。
そんなに長く離れていたわけでもないが、そろそろヒエンさんに会いたいので早く帰ろう。
「チュン」
「モエギ、おはよー」
「チュン、チュンチュ」
「そっか、ありがとう」
サクラとモエギには例のパン屋さんを探してもらっていたのだ。
本当にありがたい。
「あれ?サクラは?」
「外にいるみたいだな」
「そっか~」
今日はいい天気だ。
というか、この世界はいつでもいい天気の気がする。
「コガネ君、この世界雨降るの?」
「そりゃ降るぞ。夏から秋にかけてはあまり降らないが、雨季は毎日のように降る」
なるほど。私はちょうど雨の降らない頃に来たわけか。
「で、主。食べ終わったか?」
「うん。ごちそうさま」
「ああ。それじゃあ、行くか。モエギ、サクラを連れてきてくれ」
「チュン」
宿を出て大通りを進む。
サクラの案内のおかげで例のパン屋さんに直行できた。
「あら、いらっしゃい。本当に3日ぶりね」
「おはよーございます」
「おはよう。今日はなににする?」
「とりあえずミックスベリーパンと……」
「サンドイッチと固焼きパン一つずつ」
「はーい」
コガネ、買うもの決めてたんだね。
だから無言でメニューガン見してたんだね。
そんなコガネ君がお金を払い、私が商品を受け取ったら出発だ。
っと、その前に。
「コガネ君、市場見ていってもいい?」
「いいぞ。何かほしい物でもあるのか?」
「うん。サクラとモエギにリボンか何かつけたくて」
「ピィ!?」「チュン?」
「ああ、なるほどな」
コガネ君は微笑んで船の進行方向を変える。
さっきまで膝に乗っていたサクラは興奮気味に私の周りを飛び回り、モエギも嬉しそうにユラユラしている。
さて、なにか良いものが見つかるかな?
そんなこんなで10分後。
リボンを売っている店に着いた。
大通り人が多くて動くの大変……
「あ、コガネ君!これどうかな?」
「いいんじゃないか?」
「よし、これにする!」
選んだのは水色と白のストライプのリボンだ。
それを2本。
コガネ君がお金を払ってくれたので、さっそくつけよう。
「サクラ、モエギ、おいで」
呼ぶと2羽は膝の上に降りてくる。
って、サクラ、落ち着け。わかった、つけるから。
ごめんねモエギ。ちょっと待っててね。
「ほら、サクラ動かないで」
落ち着けってお前は。
サクラに時間を取られたが、モエギにつけるのはすぐに終わった。
やっぱり大人しい方を後にして正解だったね。
モエギの後にサクラだと心が折れる気がする。
というか可愛いなお前ら。
モエギ、男の子なの忘れててサクラとお揃いにしちゃったよ。
……まあいいか。気に入ってるみたいだし。
「さあ、行くぞ」
「はーい」
現在時刻は9時20分。
ガルダには何時くらいに着くかな?
6時前には着きたいな~
「今日はどんな馬を借りるの?」
「まだ決めてないが……主、リクエストは?」
「ない!」
「だと思った」
コガネ君、それなら聞かなくても良かったんじゃないかな?
一応聞いとこう的な感じなのかな?
コガネ君に任せておけば大丈夫という駄目思考の私に何か聞いても無駄だよ?
「主、降りれるか?」
「多分平気」
「多分か……」
私は船を降りられるかどうかも心配されるダメ人間だからな!
って、威張っちゃだめか。
船は無事降りられた。
コガネ君から荷物を受け取って地面に置き、荷物に座って待機。
少し待つとコガネ君が馬を借りてくるので、荷物を渡す。
「よし、主、掴まって」
「はーい」
コガネ君に引っ張り上げてもらい、体勢を整える。
……頼りっぱなしだな。
もう少し自立しよう……
「さて主。今日は飛ばすからな」
「え、私酔う気がする」
「大丈夫だ。この馬酔いにくいから」
そんな馬がいるのか……
どういう仕組みなんだ?
疑問に思っていると、馬が「あんたの呼吸に合わせてやる。だから酔いずらいんだろう」と説明してくれた。
そうなのか。それじゃ、よろしくおねがいします。
そんなやり取りをしている間に門を潜っていた。
はい。灯棒が見えたよ☆
もう夕方だよ☆
……疲れた。
襲われたとか、もう書かなくてもいいよね……
「主、大丈夫か?」
「うん……昨日よりマシ……」
「もうすぐ着くぞ」
「ピィ!ピッピィ!」
「うん、いいよ」
「チュッチュン」
「はーい」
いつも通り2羽が先に行って帰還報告をする。
私はコガネ君に体重を預けて赤く染まった空を眺める。
コガネ君はラストスパートなのかスピードを上げて門を潜った。
「主、先に行ってていいぞ」
「本当!?」
「ああ。転ぶなよ」
「はーい!」
コガネ君に返事をしながらエキナセアへの道を走る。
疲れてても走ることはできるのだ。
エキナセアに着いたら扉を開け、中に滑り込む。
「おかえりなさい。アオイちゃん」
「ヒエンさん!ただいま!」
無事、帰還しました。
アオイちゃん帰還です。おかえり。




