34,Qここはどこですか?Aラミアです。
朝から馬車を走らせて、外の風景にきゃあきゃあ言いったり、アヤメさんとモクランさんに色々説明してもらったり、モクランさんにくっついて馬車の上に上がらせてもらったり、その時に飛行型の魔物に襲われたり、川の畔でお昼休憩をしていたら魚型の巨大な魔物に食べられそうになったり、そのせいでコガネ君とアヤメさんがキレて川の中にいながら魚の串焼きが出来上がってしまったり……その他色々あって、夕方になった。
まだ馬車の中。
ラミアまではあと少しらしい。
あれ?ラミア経由で行くって話はしたっけ?
なんか疲れてきて分からなくなってきたな……
「モクランさーん……あとどのくらいですか?」
「あと少しで灯棒が見えて来ると思うよ……なに?もしかして疲れたの?」
「はい……」
「……考えてみれば今日何度か死にかけてたもんね。」
「恥ずかしながら……」
そう。死にかけてたのだ。
なぜか。この比較的安全な経路で。
「アオイちゃ〜ん灯棒見えてきたわよ〜」
「ほんとですか?」
「ええ。外見てごらんなさいな」
灯棒が見えていると言う事は、もう少しだ。
灯棒って、国の周りにあるものらしいから。
そんな事を言っている間にも、馬車は速度をあげる。
「この調子なら日が沈む前に着きそうだね」
「なら、宿も見つけやすくなる」
「そうだね。もう少し急ごうか」
「あまり馬に無理をさせないほうがいいと思うが……」
「これでも全速力の7割くらいのスピードだから大丈夫だよ」
ジェードさんとコガネ君の会話の後で、更にスピードが上がる。
まって、速い。めっちゃ速い。
「ヒィーッ」
「なに?急に抱きつかないでくれない?」
「ごめんなさい。でも私、絶叫系ダメゼッタイ……」
「何ブツブツ言ってるの?……はあ……しょうがないな」
軽い絶叫マシンと化した馬車に恐れをなした私を、モクランさんは放置した。
だがまあ、抱きつく先があるなら安心感は増すわけでして。
拒否されないのをいいことに、ラミアに着くまでの数十分(くらいな気がするが実際どのくらいだったんだろうか?)モクランさんにくっついていた。
「ほら、ついたよ」
モクランさんにポンポンッと背中を叩かれて顔を上げると、巨大な壁の前にいた。
「ほぇ〜……これがラミアですか?」
「そう。ラミアの入口」
モクランさんから離れつつ壁を見上げる。
ガルダにもこんな壁があった気がする。1番外側と、中心にもあったかな?
考えていると、馬車が進み始めた。
壁の中に入る時に兵士っぽい人が見えたから、入国検査でもしていたのだろう。
兵士さんにペコンとお辞儀を(なぜか)して、ラミア国内に目を向ける。
すると、そこにあったのは中心部に向かって高くなっていく街と、その街に通っている、1本の渦を巻いたような道だった。
「……ほへ〜」
気の抜けた声が出る。
「ふふふ。ビックリした?」
気が付けば隣にアヤメさんが座っている。
コクコク頷いて、またすぐにポケーっと街を眺める。
「通称、渦の国ラミア。特徴は、なんと言ってもこの城下町よね。ちなみに、高いところに行くほど入れる人が制限されるわ。王族が一番上に住んでるの」
「へぇー……すごいですね……」
ポケーっと惚けたまま返事をする。
と、そこで馬車が止まった。
「馬車止められる所探すから、4人で宿を探しといてくれる?」
ジェードさんに言われて、その場で下車する。
そして4人で歩き出す。
その間も私はキョロキョロしていたわけで。
考えてみればそれが1番危ない行為だったわけで。
私は、見事迷子になってしまった。
「あっちゃー……やってしまった……」
これは、私が悪い。
どう考えても私が悪い。
どうしよっかな。皆どこにいるかな。
迷子の原則でその場から動かないってあった気がするけど、ここに留まってどうにかなるかと聞かれれば、ならない気がするというのが本音なわけで。
「あー……どうしよ……」
コガネ君当たりが見つけてくれる気がするが……
それまで1人か……やだな……
「お嬢ちゃん。1人かい?この国の子じゃないみたいだか」
唐突に、声をかけられた。
振り返ってみると、ゴツイというか、悪そうなオッサンが3人ほど。
……これ、ヤバイやつじゃね?
咄嗟に後ろを振り返るが、そこにも悪そうなオッサンが2人ほど。
アオイは逃げようとした!だが囲まれてしまった!
「おうおう。上玉じゃねぇか」
「まだガキだが、これなら良い値がつきそうだな」
会話の内容からして、私は捕まえられた後に売られるらしい。
あ、これ、本格的にヤバイやつ。
これ、もしかして、ここでバッドエンド?
アオイちゃん逃げてー!!
…はい。どうも。度々アオイちゃんが危険な目にあってるのは私のせいです。
でもまあ、仕方ないですよね。主人公だし。




