表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
底辺FPS配信者のオレが、新米Vtuberのコーチに就任してしまった件 〜一応理論上最強キャラの全1です、はい〜  作者: お汁粉パンチ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/16

第一話 出会い?

「挨拶させてくださ〜い!」



「例え今日雪が降っていても!お茶の間に春をお届けするのは、この私!

ドリクエ所属ライバーの、沙倉風音(さくらかざね)で〜す!!」



 パンパンジー

・おは風音〜!


 粘々ギブアップ

・おは風音〜!私の財布は、寒風が吹いてるけどねw


 トマトマァァ

・おは風音!



 画面一杯に映る、ピンク髪で白いヘッドフォンを首に回した可愛らしい女性アバター。

 その元気で跳ねる様な仕草と共に、ぴょこぴょことアホ毛は舞い踊る。

 そんな彼女の挨拶と共に、流れていくコメント達。

 

「本日は!来月行われるドリクエカップ、廃都倶楽部(はいとくらぶ)の練習していきますよ〜!」


 

 メロメロン

・よっ、待ってました!!


 ラタトゥイYou

・最近配信者がいっぱいやってるよね〜


 ドナ教徒

・発売から4年経ってるけど、いきなりきた感じだっけ



「そうなんですよ!

ただ私は未プレイなのでセンパイ方っ、アドバイス!お願いしますねっ!!」


 

 粘々ギブアップ

・任せておけ、私の戦闘力はチャンピオン8000なんだ(メガネクイッ)


 Yametai先生

・オレらに任せろ!ちなエアプ



 そんな彼女の呼びかけに、なんとも頼もしい?コメント達が流れていく。


 ちなみに、これから彼女のプレイするゲーム……廃都倶楽部とは!

 4vs4で行われる形式で、目標はフィールド中央に置かれた宝石のハント。

 ケースから取り出すのに100カウントかかるそれを、どちらが先に盗み出すか競うというもの。

 

 そして1番の魅力は互いに邪魔するべく銃を始めとする武器と、各キャラに与えられた能力を駆使して戦う駆け引きな、FPS(一人称)である!


 

 たろたろ

・ちなみに、風音ちゃんのシューティング経験はどれくらい?



「私はね〜、う〜んっと……300時間ぐらい?

一時期バトロワにハマってて、って感じかな。

だからこういう、復活するシューティング系?は初めて、かも」



「いや〜、楽しみだね〜!!頑張っていくよ〜!!」



 赤サムライ

・お〜〜!!

 

 タコキング

・ファイトっす!!


 パンパンジー

・Go!Go!


 トマトマァァ

・闇堕ちまで、あと30分……


 

 そうして元気よくコントローラーを握った風音。

 その1時間後……






「勝゛て゛な゛い゛ぃ゛ぃ゛〜〜!!」



 レイ

・スゴイ声出てますよw


 チョッキー

・ドンマイです!


 粘々ギブアップ

・堕ち、たか……



 なんとも言えない濁声が電波に乗って全世界へと届く。

 そして頭を掻きむしっている音も一緒に。


 それもそのはず、このゲームは協力を求められるがボイスチャットがない。

 

 この通路を抑えて欲しい、キャラごとに設定された必殺技……スペシャルと呼ばれるそれをこのタイミングで使って欲しい、そんな意思疎通はゲーム内のサインだけ。

 上位帯ならば伝わるが基本はあまり伝わらない、初心者帯であれば尚更である。


 なので味方を批判し、全てを押し付けてしまう闇堕ち現象が多発するのだ。

 とはいえ、彼女はそんなことを一切口にせず、モノに当たる事もないだけ立派ではあった。

 ……まあそれで、ここから上に行けるかは別問題ではあるのだが。



「ア゛ト゛ハ゛イ゛ス゛く゛た゛さ゛い゛ぃぃぃ!!

 

 ごちんっっ


「アイタっっ」


 

 楽土

・大丈夫?



「うぅ……頭、マイクにぶつけましたぁ……」


 ゲームに負けた上に頭をぶつけてしまう、何とも踏んだり蹴ったりな彼女。

 心なしかアバターも俯き気味であり、コメント欄にも心配の文章が流れていく。

 だがそんな中にも、

 


 粘々ギブアップ

・他配信を観に行って勉強するのはどうです?


 

 彼女の求めていた目に止まるアドバイスも紛れていた。


「それ、良いかも!ネバネバさん!」


「どれどれ、一番多いのは……アンラッキーガールさん、かな?

確か公式解説もしてくれる、このゲーム最強の人だっけ?」


「……あっ、でも配信に載せるのは不味いか」



 トマトマァァ

・アンちゃんは、確か全配信ミラーOKだよ!

概要欄にも書いてあったはず……?



「トマトマさん、そうなの?

……あっ、ホントだ!ありがとう!」



「じゃあ全員で、世界一のプレイを観戦して勉強しましょう!」


 そうして配信画面は、初心者のプレイから……廃都倶楽部1位プレイヤーへと切り替わるのだった。





 

 lululu

・ちょっと、酔って吐きそう……



 そんなコメントが、しかも複数流れる配信。

 それもそのはず、画面が何回も上下に揺さぶられるのだから。



 ネギだくだく

・屈伸煽りやめてね



「いや、これ屈伸煽りじゃないから!!」


 適時自動読み上げ機能によって流れたコメントに、叫ぶ様にして返す女性。

 そう彼女こそがアンラッキーガール、このゲームの現在世界一のランカーである。


 ちなみに彼女が言う通り、もちろんこれはゲームでよくある、しゃがみボタンを連打する事で起きる……屈伸煽りではない。

 ちゃんとこれには理由があるのだ。


「ここでマグリスのスペシャル(必殺技)喰らったら、あっちのカウントが進んじゃうからさ!」


 この簡潔な説明でも、プレイした事がある視聴者ならしっかりと理解出来る。

 彼女のチームが制圧した広場、そこにはお互いの目標である真っ赤な宝石が燦然と輝いており、セキュリティ解除までの時刻は淡々と進んでいっていた。

 だからこそ、アタッカーとしてチームの要となる彼女のキャラはここで簡単に倒される訳にはいかない。


 ただ……こんな疑問を持つ視聴者も中にはいた。



 キンショー

・でも、ここは敵にとって死角では?



 絶対と言っても良いほど、敵からは角度的に狙えない場所を彼女は陣取っていた。

 だから事前に敵が飛び出てきそうな場所へ標準を置いておけば問題はないはず。

 なのにこれだけ動いてしまっては、寧ろ肝心な時にズレて不覚を取る可能性もある。

 

 そんな事を他のシューティング勢だが、『廃都倶楽部』はプレイしていない視聴者は思う事だろう。

 とはいえ彼女は世界一のプレイヤー、正面からのエイム(照準能力)勝負なら自信はあった。

 一番警戒していたのは、


「……あぎゃっ」



『blue餓鬼道』は、『redマグリス』に倒されました。



 その一瞬の、脳天を貫く弾丸。



 エアプじゃダメですか?

・草


 108先輩

・m9(^Д^)プギャーwww


 極楽

・なんかコメ欄に、一級フラグ建築士いたな()


 ゴールドから抜け出し隊

・橙ネ申様、キタ━(゜∀゜)━!!!!!



「あ〜、も〜!!(だいだい)ッッッ!!」



 警戒していたのに喰らってしまっては、そんな叫びも飛び出てしまう。

 そしてカメラには、復活の5秒待ちの間に彼の俯瞰視点が映っていた。

 

 両腕が義腕となった、カウボーイハットを被るガンマン。

 そんな彼の操作する持ちキャラは、再び手に持った拳銃によって更に1キルを重ねる。

 敵チームは、そのまま宝石エリアを支配する事に成功したのだ。

 

 だが不思議なのは、どう考えてもアンラッキーガールを()()()()()()()()()()()()()()()

 

 けれども彼女はその事実に突っ込まない。

 覚悟はしていたし、過去を悔いている時間もないのだから。


「さあ、打開!打開!時間的にラストかな?」


 敵の残りカウントは30秒。

 その間に取り返さなければ、彼女側の負けで強制終了となってしまう。

 

 ただ侵入ルートは2つあるものの、しっかりと相手も時間稼ぎで堅く守ってくるため、簡単には崩せない。

 だからもう多少強引にやるしかない程まで、彼女らは追い込まれていた。

 そのプランに必要なのは……


「アイゼンのスペシャル待ちかな?」


 それは、こちらからの攻撃だけを通す様になるバリケード状のバリアを貼るスペシャル。

 通路の取り合いで絶対に負けなくなる、この状況では最強の代物だった。

 そのスペシャルがあれば、強引に突破するという選択肢も取れるのだから。

 実際にそれを操作しているプレイヤーもしっかりと理解している様で、弾を撃たずにしっかりとスペシャルポイントを貯めていた。


 そうして互いに睨み合い、手に汗握る状態。

 集中した状態の彼女は、ふと違和感に気づく。


「……マグリス、撃ってない?」


 あの独特の乾いた発砲音が、戦場に響いていないのだ。

 たとえ他の銃声が煩くとも、彼女は聞き分ける能力を持っている。

 なのにも関わらず、その音を……拾えていない。



 宝石を確保した際のそのキャラに与えられる、ボーナススペシャルポイント。

 そして自身は撃たずに、更にスペシャルポイントを貯める。

 その目的はもちろん……



『blueアイゼン』が『redマグリス』によって倒されました



 彼女が思い当たったそれが、答え合わせされた様だった。

 画面のキルログは無常にも流れていく。

 

「……ははっ、当て過ぎ……」


 そうしてアンラッキーガールサイドは、最後に無理やり突っ込んだが蜂の巣にされ、試合は終わった。



 You Lose



 ゾンビィ

・GG


 勇者マサヒロ

・†橙ネ申降臨†今試合2度目w


 畔川正之助

・おいおい、バケモンかよw


 冷や水イッキ

・チーター定期

 

 

 チャンピオン9998→9351


「……あの〜、私の400時間返してくれません?」


 ペチン、とおでこを叩いた音がマイクに乗る。

 そして彼女は何度も目をゴシゴシと擦る音も一緒に。

 だがそれをしても、失われた数字と時間は返ってこないのだ。

 はぁ……と大きな溜息をついた彼女だが、


「まあ、今のは橙がちょっと上振れすぎかな」



「気を取り直して……さあ次!行きますよ!!」


 そして再度集中するために頰をパチンとすると、早速マッチングボタンを押す。

 ここで心が折れずトライアンドエラーを繰り返すからこそ、彼女は絶対王者なのだから。

 その姿を見て先ほどまで煽っていたりしていたコメント欄も、再びの挑戦を応援するコメントが流れていくのだった。



 そうしてそんな光景を、言葉を溢せずに齧り付く様にして見ていた1人の配信者。

 久しぶりに開いた口から、ポツリと出てきたのは……




「私……あの『マグリス』使いたい、かも」


 そんなどこか夢見がちだけども、力強さを感じる願望であった。

評価やブックマーク等頂けますとモチベーションに繋がりますので、よろしければぜひお願いします!

1章完結までは毎日更新!(予約投稿済み)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ