1 玉響さまの噂
以前書いていた ***玉響*** を大幅に書き換えました。
楽しんでいただければ幸いです。
本日のみ2話掲載です。
ある国にこんな話が残されている。
『太古の昔、玉響と呼ばれる一族がいた。
玉響とは火、水、風を操り、光と影を支配し、時空を超え、人心を惑わせる力を持つ影の一族。表には現れない。
玉響はその力で王を支え、敵対する者達を滅ぼしていった。やがて王は大陸の覇者となり、平和が訪れた。
王は玉響に言った。これからも影として我に仕え、我を守れ。
玉響は王に誓った。この国の平和のため、未来永劫、偉大なる王と王家を影としてお守りいたします。
それから後、この国が平和であり続けるのは玉響の力である』
年月が流れた今、玉響は神話の神と同じような存在でしかない。
玉響一族はどこにいたのか、不思議な力がどんなものだったのか、そんな事は誰も知らないし、考えない。
大体、本当にそんな一族がいたとは誰も信じていない。
ところが、最近の事だ。
街の人々が玉響に 'さま' をつけ、声を顰めて噂するようになった。
『玉響さまが現れたそうだ』
『玉響さまが不思議な力で恨みを晴らしてくれたらしいぞ』
『玉響さまに恨みを晴らして欲しければ、願えばいいのだそうだ』
噂は噂…そう言って鼻で笑う者も多い。
しかし、自分ではどうにもできない恨みを持つ者は玉響さまに恨みを晴らしてほしいと願う。
だが、願いを叶える対価は何なのかは誰も知らない。
今日も誰かが強く強く願う。
「玉響さま!お願いでございます。
どうか、どうか、この恨みを晴らしてください!
お願いでございます!」
願いが叶う時、鈴を振る美しい巫女が現れる。
しゃらん…しゃらん…
鈴の音が聞こえたら、恨まれた相手はもう逃れられない。
地獄へと堕ちていく。
この後、もう1話掲載いたします。




