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第9話その6『エプ:高天原』

※この『物語』は『フィクション』です。

※それなりに『太陽へ手を伸ばす』気持ちで読んでください!


 ――3階。



 若干、まだ服は湿っているが行ける。

俺らはカーブしかない道をぐるぐると、とぐろを巻くような道を進んでいた。

「服が重いですー。」

「重いー。あと暑い~~」

 ハナビとニッちゃんは来ている服がだいぶ重そうだ。

あと俺らのうちハナビを救出しなかったユウジとユミ以外、少しのぼせており夜風にあたりたくて仕方がない。ニッちゃんが力いっぱい服を絞ったが、結構水を吸っちゃったらしい。





「じゃあ二人とも服を脱いで全裸になればいいと思うよ。見ないようにするから。」

「それに賛成。」

「またですか!?問題ありです!

ここにいる男子、ロリコン、変態、おなかフェチばかりでしょう!?」

「ニッちゃん。おなか好きっていうのは語弊があるぞ。第一、俺はノーマルだ!」

 



「いや、僕もユウジもサイムの性癖の移り変わりに関しては突っ込みたいことがある。」

「へ?なんだよ。言ってみろよ!」

「お前さ昔太もも好きだっただろ?」

「あーーーーーー言うな!やっぱ言うな!」

 余計なことを言うんじゃあないソライ!

「で、小学校くらいの時は『女子の髪の毛ってエロいよな』って言ってたのを、オレはしっかり記憶してる。」

 さらにややこしくなる発言をするなユウジ!



「へーーーーふーーーーん。そうですかああああああああああー」

「あああああああ!!ああああ!!!あああああああああああ!!!

やめろ、お前ら!マジやめろ!これ以上俺の黒歴史晒してんじゃねぇよ!

ぶっとばされててえのか!?」





「で、今がおなか好き、というわけですね?」

「ああああああああああああああ…いいだろォ!おなかくらい!へそとかよォッ!!」

「やだサイム!こっち見ないで!変態。」

「…。」

 ユミとニッちゃんが自分のおなかを抑える。

だったらそういう格好するなよ!ありがとうございますッ!

「それを言ったら、ユウジとかソライとかはどーなんだよ!オイ!」

 俺の性癖だけが指摘されるなんて不公平だろ!

「では、女性陣に聞きます。

ユウジさんの皆さんに対する悪いイメージのみを言ってみてください。」

「変態。

胸とお尻をたまにガン見するのは、もっと段階を踏んでからそういう態度をとってほしい。」

「女の敵ですね。」

「彼氏にはしたくないけど、お金とかご飯とかくれる、都合のいい男であってほしい。」

「と、いうのがユウジさんのイメージです。」

 まてハナビの意見なんだそれ。

あと、ユミは段階を踏んだらいいのかよ。なんの段階だよ。







「次にソライさんのイメージは何ですか?」

「キモオタ。あたしに警察手帳と令状がないのが残念で仕方がない。」

「ロリコン過ぎて引きます。」

「私にべたべた触ってくるのが純粋に気持ち悪い。」

 なんかハナビの意見さっきから怖い…。

リギョクの研究所の自室の時も思ったが。最近のお前なんかいろいろと、怖いぞ…。





「ぐはあああああああああああ!!!

なんだとゥ!?そんな馬鹿なああああああああああ!!」

 ハナビの一言であいつ、最も(精神的だけど)ダメージ受けてぶっ倒れそうだぞ!?

「ソライさーん…大丈夫ですかー?」

「あ、でもソライお兄ちゃんはかっこよくて頼りになるよ!

さっきのは、ソライお兄ちゃんをネガティブにとらえたらって話だけだから。」

 いや、ハナビさんや。あからさまに闇をみせたぞ…。正直、ここ最近、この子が悪党リギョクの子供だって思い出させるわ…。



「うぅうういいもん。どうせ僕はキモオタヒキニートのゴミですよおお~。」

「ソライ…マジどんまい。あとニートにはなるな。俺らの会社をちゃんと支えろ。」

「さわやかな顔で言うな、ブラック企業の社長!」

 そのブラックの片棒を担いでいるのお前だけどな。

「ソライお兄ちゃん元気出して?」

 ハナビが上目遣いで言う。

「ハイ!元気出た、頑張ります!」

 ソレでいいのか…。

「…ソライ、お前クッソちょろいな。」



▽▽▽▽▽▽▽▽



「ところでさこの道どこまで続いてんだろうね?」

「さぁ緩やかな右曲がりのカーブになってるけど、どこまでも続いてそうだよな。」

 いい加減同じ光景に見飽きた、二階はあんなにも罠が張り巡らされていたのに…。

まったく景色が変わらない。

カーブをずっと曲がり続けているだけだし…。





「まぁまだどうせ先だろう。」

「そういえばさニッちゃんはまだ明らかに学生よね?どこの中学校に行ってるの?」

「…ユミさん。私、高校生ですよ。」

「あ、ごめんなさい。」

 初見の人が我が社の一番間違えやすいことである。


「まぁいいですよ。よく間違えられますし。

私は市立鮫島学園っていう中高一貫の学校に通ってます。」

「ちなみに俺やソライやユウジの母校でもある。」

「え、あんたらの母校でもあるの!?」

 そんなにも驚かんでも……。

「おいおい俺らにまるで学がないみたいな言い方だな。」

「ってきり小卒かなと。」





「ユミ、オレらでもさすがに中学は卒業してるぜ。義務教育くらいこいつらでも何とかなったし…それにあの学校…オレが通ってた頃は、偏差値は区内だと平均ちょい上だし……。

オレも高校くらいは出ているぜ。」

 ユウジ、よく偏差値なんて覚えているな…。まぁこいつ学年順位、十番台だったし……。

「まぁ俺とソライは履歴書上は中卒だけどな。」

「そーそーサイムがガチの中卒で、僕が高校中退。」



「なーんだ。やっぱりあんたら学がないじゃん。」

「しかたねーだろ…いろいろあったんだからさ。」

「……ふーん。で、話し戻すけどさ、ニッちゃんは夢とかやりたいことないの?

ないと進路の時、面倒よ?」

「うーーん、どうでしょう?私はこれと言って特にないんですよね。」

「あら?じゃあアルゴニックに叶えてもらう願いってのもないの?」





「とくには無いんですよね。将来的には誰かのお嫁さん

……とかだったらうれしいかなーって。」

 なんか、さっきからこの子は話しながら、チラァッ……チラァッ……とこっちを見るな……。

なるほど、結婚したら祝い金や寿退社とか面倒だからな。

いろいろと今のうちに工面しておくようにという合図か……。

抜け目ないな。さすがニッちゃん、善処しておこう…。

……祝い金って一万円くらいでいいかな…?ケチって五千円じゃダメなのかなァ……?





「あら素敵な夢じゃない。」

「え、これ夢なんですか?」

「立派な夢よ。」



「な、なんだかそういわれるとちょっと恥ずかしい気もします。

でもどうせならこの夢は、アルゴニックさんに叶えてもらうわけには行けない気がします。」

「そうね。」

「え、なんで?アルゴニックに叶えてもらうわけにはいかないんだ?」

 奴も陸谷リクタニへ来る洞窟内で言っていたが、何だって願いが叶うのに………。

「簡単なことよ。たとえ絶世の超絶イケメンを願いで呼び出してもらっても、

それは自分でつかみ取った夢じゃないから嫌なのよ。

サイム、あなたそんなこともわかんないの?

……ニッちゃんも、前途多難ね…。」



「そういうものかな?俺だったらそんな夢も叶えてもらうつもりだぞ。

それに前途多難ってなんだよ…。この会社の経営のことか?」

 俺の一言に目頭を押さえて呆れながら、ニッちゃんへ同情らしき表情をするユミ。

なんだその表情……。

「はぁ……文字通りよ…。…傲慢で強欲、サイム絶対碌な夢を持ってないでしょう?」

「いや、そんなことはないぜ!なんなら教えてやるよ、俺の夢はな……。」



 俺が話そうとした時。

「お前らちょっと待ってッ!!なんかおかしい!」

「どうしたユウジ?」

 ユウジが後方から声をかけて俺らを制止する。

明らかに焦りの声音で…。まるでありえないことを声を震わせて言う。

「オレらさ、この場所一周してね?」

「は?」



▽▽▽▽▽▽▽▽

圧の間

▽▽▽▽▽▽▽▽



「さっきからこの緩やかなカーブの通路を進んでいけば、いつか出口が見つかると思っていた。

だが明らかにおかしい。」

「どうおかしいんだ、ユウジ?」

確かにいままで進んでいた道?はずっと緩やかなカーブを描いていた……。



「オレはある程度歩幅をカウントできるんだが、俺の歩幅が7㎝くらいと仮定して、

ここを曲がり続けると…完全に円になるんだよ。」

「へ?」

「さらに見た感じこの道は坂道じゃない。俺たちはぐるっと一周してきてる。話に夢中で気づいていなかったかもしれないが、計算上2周以上はしている!」

「はぁ?まじかよ。でも証拠がないし。」

「証拠ならあるんだよ。地面見てみろ。」

「?」







 疑いながらも俺は地面を照らす。そこにはかすかに湿っている感じの跡があった。

「それ、オレたちの服の水滴だよ。」

「うわぁ~マジかよ。前の部屋の跡か…。

ユウジを疑うわけじゃあないけどハナビちゃん、僕らのかい?」

「……うん。この水滴と湿度と温度、そしてユウジさんの靴のサイズと、私の歩数の差から計算して、確実に同じ場所をぐるぐると回っているよ。

この廊下……いや、部屋はドーナツみたいになっている…。食べられたらいいのに…。」

 ハナビはお腹を鳴らしながら、丁寧に解説する。



「…………待ってください!私たちはじゃあどこから入ってきたんですか?」

「オレたちはな…そこの壁から侵入してきたんだよ。」

「え?」

 ゲームのバグ技か何かかと思いつつも、俺たちは水滴を追っていくと壁にぶち当たった。

「なるほどな。この壁に見えるものが出入り口だったってことか、でもユミのキャノンで壊せないことはないだろ。」

「ガジェットギア・セット!」

 ユミはキャノンを準備する。







「いくわよ!キャノン充填率……30!」

 きらびやかな光が薄暗い洞窟を照らしていく……

が、やはりこの武器強力だが時間がかかるな…。

最短で10秒、最大で1分間だったか…。

戦闘での運用に困るなぁ…。





「80……100%!!ファイア!!」

 先ほど天井をぶち破った時とは比べ物にならないほどの、すさまじい威力の群青のビームを放つ!

あたりに群青色のきらめきと土煙でおおわれていき周りが見えない。

威力が高い武器にはこういう弊害もあるのか…、少なくともこういう狭い室内で使うものではないな…。



▽▽▽▽▽▽▽▽



「けほっけほっ!すごすぎだろ。」

「だがこれでなんとか生き埋めってことは…」

 土煙が晴れていく中で俺たちは壁に目をやると、なんと壁には傷一つついていない。





「なんで!?」

「おいおいこの会社、最大火力のキャノンが効かないなんて。」

「そんな!」

「この壁…もしかしてコーティングされている!?

一応、コーティングがあるって知っているけどなんで…。」

「エプの頭の中にお前のデータが入っていたとしたら、あり得る話だぜ…」

「あ…。」

 つまりエプがユミの対策をしているってことだ。

さっきの部屋は多分水を使っていたからコーティングしていなかったんだ。





「次は私が殴ってみます!ガジェットギア・セット!」

 ニッちゃんがハンドギアで助走をつけて殴る。

「てやああああああああァッ!!」

 だがギアはガキンと壁にぶち当たるのみだった。

振動からニッちゃんが反作用でしびれてすげぇ痛そうだ。

「ッ…ぃたぁ~…い…。」

「まずいな…このままいけばここで餓死じゃねーか。」

「いや…違うぞ…!『圧死』だ。」

「はぁ?」





「天井を見てみろ!だんだんと………だが、迫ってきてないか?」

 ユウジの言われた通り天井を見てみる。

よく見ると天井は回転しており確実にこっちに迫ってきていた。

静音すぎて全く気が付かなかったぜ…。

つまりこのままいけば、天井に押しつぶされるというわけだ。



「わぉ…人生オワタ。話に夢中でまったく音に気が付かなかった…。」

「すまんソライ!」

「じゃ、ないですよ!!どうするんですか!?この状況ッ!?」

「タイムリミットは、残り5分23秒、誤差±(プラスマイナス)5.27秒の間に地面へドン!だよッ!」

「正確な時間ありがとよぉ~ハナビィ!」

 正直な話。時間は知りたくなかったぁ~…。





「落ち着け、みんな。どっかにこの罠を停止させるスイッチみたいなのがあるかもしれん!」

「そうね。ゆっくりと確実に迫ってきているとはいえ、まだ猶予があるわ。

探せなくなる前に、上から順に探していきましょう。」

 俺たちは刻一刻と迫るタイムリミットに対して、罠停止の鍵を探す。



▽▽▽▽▽▽▽▽





 天井が俺の頭まで来た頃。

「ないよ!!ないない!僕めっちゃ探したけどなかったよ!この部屋大した音も臭いもないし…。」

「ないですね…」

「もしかしてあたし達って本当に死ぬんじゃ…」

「ネガティブな発言は後回しだ!もしかしたらまだ探してない下のほうに…」

「サイム…今回ばかりは…」



 推理しろ。ここから状況打開への道筋を!

今までの罠はほとんどエプが、仕掛けたものとわかるものばかりだった。

水も炎も現代の物をここに取り入れないとできないものだ。

だが今回ほど大規模な罠は、おそらく素のこの建物の罠だ。それにエプが内壁に対ビームコーティングを追加してさらに改造したものだとうかがえる。



 もともとの罠……。ダンジョンのトラップ制作者が考えそうなこと。

ここまで大きな建造物…。大がかりな罠…。

自分がトラップにかかった場合の、抜け道(バックドア)があるんじゃ…。

じゃああるとしたら…どういうところに?どうやって『判別』している?





「ユミ!情報が欲しい!この岩壁は何でできている!?やっぱりブチ抜けないのか!?」

「この砂岩の煉瓦のこと?

コーティングが上から塗られているけど、鉱物専門じゃないけど、

おそらくこれは『灰重石』に、たぶんいくつかの金属や鉱物が埋まっているはず!

ニッちゃんのパワーで破壊できないのはそのせい!」

「僕…素朴な疑問なんだけど、昔の人ってそれ加工できたの!?」

「お師匠様は加工したって言っていたけど…。」

 リギョクのチートスペックなら納得するが…。



 そうこうやっている間に結構、天井が迫ってきて腰が痛くなってきたぞ…。





▽▽▽▽▽▽▽▽



 さてさっきの情報から逆算しよう。ここは太陽に照らされた砂漠の大地。

トラップの抜け道(バックドア)を判別するために、音か光か選べと言ったら俺は光を選ぶ。

木を隠すには森の中と同じだ。



 ――落ち着こう。今までの会話に……何か…。



 …ん?……『灰重石かいじゅうせき』?

そういえばソライがこの前見ていたアニメにそんなのがあったような…

「灰重石 って朝日か何かを浴びせたら輝くんだっけ?」

「は?確か……なんかそうだったような…。」

「灰重石ってのはタングステン酸やカルシウムとかの鉱物の一種よ。

主に『某天空の城の石』とかのモデルね。紫外線を照射すると青く輝くの。

私もさっきそれで確かめたの。」

 ……



「それだ…たぶん、それだぁ!!」

「…そういうことか!サイム!みんな!電気を消せ!

オレもわかったぞ!ユミ!そのブラックライトでこの部屋全体を照らせれるか!?」

「え、ええ?」

 ユミは科学調査アイテムから青紫のペンライトのようなものを数本取り出す。

「ソライ!ライト貸して!」

「はいよぉー!」

 暗くてわからないがライトを受け渡しユミが

ペンライトのような物とライトを組み合わせて青色の光を部屋中に照らす。

床や天井が輝き始めるが…。




「ハナビ!何か変なところはあるか?」

 どれだけ些細なヒントでもハナビの分析能力なら…。

「ねぇ!みんな!」

「どうしたハナビ?」

「この壁に埋まってる石だけ色が違うよ?」

 ハナビが下のほうを指さしている。床から数㎝のところ…

その指さしている壁に埋まっている石だけ、灰重石の青い輝きがしていない。

「この石を…どうするんだ?」

「こういうのって基本押したり引いたりすると仕掛けが作動するよな。」

「じゃあやってみるか!」





 ライトをつけて俺は壁の石を押してみる。

「動かねぇ!引いてみるか!」

 引いてみる。動きそうだけど動かねぇ!

「くそがあああ!!」

「どうすりゃあいいんだよ!」

「まって押してダメなら引いてみな、引いて駄目なら、引き戸だよ…ってことだったりして。」

「なんですかその格言。」

「よし、引き戸の要領でスライドしてみんぞ!」

 天井は俺の胸のあたり、はっきりに言うとかなりギリギリな感じがしてきた。

どうにでもなれという気持ちで、力を加えるとズズっと石がスライドしていく。





「おお!これでいいみたいだぞ。」

 石がスライドして中から出てきたのは、

「なに…これ?」

「紙だ。なんて書いているのかわからねーけどな。ソライ光くれ。」

 紙には何かよくわからない言語で何かが書かれており、ついでに何かの絵が載っていた。

「待ってください!これ…この部屋の見取り図じゃないですか?」





「この部屋は巨大なネジとボルトみたいな感じで、天井が迫ってきているわけだな。

今いるのがここ。」

「それだけじゃなくてここから反対方向に、何らかの仕掛けの三角の石が床にあるっぽいな!」

「探せ!」

 天井の影響で俺らは膝をつき始め、もはや匍匐前進になりつつある…。

タイムリミットは近い!



▽▽▽▽▽▽▽▽




「ありました!」

「でかした!」

 俺らは床に埋め込まれた三角の石を取り囲むように、ニッちゃんの周りに集まる。

「これを今度はどうするんだ!?」

「押してみるか!?」

「押せるには押せる。だが。何が変わったんだよ!?」

 俺はそれを押してみる…沈みはするが……。




 そこら辺をライトで照らしてみるけど、何も変わったようには見えない。

いよいよ、寝そべっている俺らの頭に天井が迫ってきた。

「サイムさん。こっちは何も変わったように見えないよ。」

「ソライ!引いてみたがどうだ?」

「何も変化なし!スライドはしてみたか?」

「してみたよ!」

「ちょいまち。サイム!連打してみたか!?」

「はぁ?連打!?」

「代わって!行くぞ!僕の16連打ああああああああああああああ!!!!」」

 ソライがユウジの言われた通り連打してみる。

………………あれ…?頭が軽くなった…。ということは!!



「…天井見てみろ!なんかゆっくり…というより戻ってね!?」

「もしかして…これが、緊急停止ボタン!?」

「だったら、ちょっと待ってください!」

 ニッちゃんがハンドギアを構える

もうそろそろ限界だ!潰される!





「行きますよッ!鉄拳制裁!!」

 ニッちゃんが思いっきり、床に三角形の石を思いっきりぶん殴る。

鈍い音が響き青い石の周りがヒビだらけになるほど強く殴りつける。

そして、天井が上へ登っていく。



「…」

「やった…!」

「助かったぞおおおおおおおお!!」

 ひとまず…安堵…だな…。

「よくやった!ニッちゃん!」

「ばんざーい!」

「でもまだこの部屋を抜け出したわけじゃないから、油断しないように。」

「そうだ!さっきの紙にはなんて書いてあるんだ?脱出口とか…。」

「えーーーーーーーっと…この天井近くにまだ触ってない石があるらしい。」

「とりあえず、今度は引いてみようぜ。」



 俺はソライを肩車してもらい。天井に埋もれていた石を引く。

「サイム早くしてくれ…」

「揺らすなよ。よしいける!」

 そうするとガコンッという音ともに天井から階段が出現する。

「よし、この階層とはこれでおさらばだ。」



 どうやら目標地点にそろそろ迫ってきたらしい。



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~ノヴァアージ知恵袋のコーナー~

~ヘラロスは結構グルメだぞ!~

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