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第九章 白鳥の歌 場面一 アウグストゥス(一)

「わたしは、大抵の者なら御す自信はあったのだよ。わたしは彼らに夢を見せた。豊かさを、繁栄を、平和パクスを―――永遠の都という夢を。共和政信奉者(リパブリカン)には共和政体復活という夢を。わたしは中々の劇作家だったとは思わないか。劇作家にして役者であったと」


神君カエサルの死から五十八年、マルクス・アントニウスの死から四十四年。長きにわたりローマを統治したアウグストゥスも、ついに最後の時を迎える。第一部完結です。

 建国暦七六五年(紀元十三年)が明けた。

 冬の冷たい空気の中、静まり返った元老院議事堂に、執政官の声が響き渡った。

「ローマ人民並びに元老院の名において、ティベリウス・ユリウス・カエサルに、イムペリウム・プロコンスラーレ・マイウス(全軍指揮権)を与えるものとする」

 この瞬間、ティベリウスは名実ともにアウグストゥスの共同統治者になった。十九年前に護民官特権を与えられ、間もなくロードス島へ引退。七年の空白を経てローマに戻り、二年後にアウグストゥスの養子となって国政に復帰した。二年間のゲルマニア戦役、三年半続いたパンノニア・ダルマティアの反乱、そして三万五千人が命を落とした、「テウトブルクの悲劇」。あれから三年が過ぎた。ようやくこのときを迎えたのだ。


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