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第八章 テウトブルクの森 場面二 アルミニウス(一)

 レーヌスの軍団は、ティベリウスをほとんど救世主のように迎えた。確かに、それに近いものはあったかもしれない。ティベリウスはその名だけでゲルマン人たちを退却させてしまったのだ。当たり前のようにローマ式の統治方法を押し付けたウァルスを討ったゲルマン人たちだったが、彼らは三年前にゲルマニア全土に軍を進めたティベリウスがこの地に向かったと聞くや、すぐにレーヌス河の渡河を断念し、ゲルマニアの奥地に退却した。

 テウトブルクの森深くに誘い込んだ三個軍団を全滅させることは出来ても、ゲルマニア内に築かれた前線基地はそう簡単に陥落させることは出来ない。とはいえ、補給線を絶たれ、孤立した基地内にいつまでもとどまっていては、餓死しか待っていないということは軍団兵たちとて十分理解している。包囲された基地の中には、踏みとどまったものもあれば、救援が来なかった場合を想定し、直ちに包囲網を突破して退却した基地もあった。それはそれで適切な判断であったろう。

 リッペ河下流のウェテラ(クサンテン)に至ったティベリウスは、生き残ったごく僅かの兵―――それは五十名にも満たなかった―――から、悪夢のような九月九日の話を聞いた。



          ※




【地図】ローマ北部とその周辺

https://ncode.syosetu.com/n8164fx/13/

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