表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/10

2ー6

 もやもやした気持ちを抱えたままじゃ、ドレス作りに身が入らない。


 わたくしとしたことが、うっかりミスしちゃって、イワガキに何度もフォローされてしまった。


 イワガキなんて、側に来なくてよかったのに。


 あの女はなぜか、ザックに手伝わせているし。


「もういいわ。わたくし一人で作った方が集中できるもの」


 おもわずそう口走ってしまったけれど。


「ですがロザリアさん、工場ではみんなで協力するものですよ」


 なんてあたりまえなことをイワガキに説教されてしまった。


 をたくしのメンタルはすでに限界を超えてしまっている。


 それもこれも、あの女とイワガキのせいよ。あと、つまらない食事をしたせいだわ。


「わたくし……」


 わたくしみたいな人間には、工場なんてあわないのかもしれない。


 お城でのんびりドレスを縫っていた頃が懐かしい。


 不覚にも、涙が出そうになったその時、ザックに手をつかまれた。


「お嬢様、こちらへ」


 え? ザックまたわたくしのことをお嬢様って呼んでいるわよ?


 こちらへって、どちらへ?


 連れて行かれたのは食堂。


 ザックは冷蔵庫の中から、プリンアラモードを取り出した。


「休み時間に作っておきました。これを食べて、元気をつけてください」

「……ザック」


 やっぱり優しい。


「わたくしは、ザックのことが好きなの」

「はい。わたくしはお嬢様のことを愛しております」

「そうよ、愛よ。わたくしもザックをあいしているわ。だからお願いっ」

「どうか、他の男の人と友だちになるのを辞めてください」


 ザック……。わたくしに恥をかかせまいと、そこまで言ってくれるなんて。


「はい、そうします。だからザックも」

「わたくしも他の女性と仲良くなんてしたくありません。そのうち独立して工場を作りましょう。そこで二人で作業できるよう、今はお金をたくわえております」


 ザック……。


「好き。ザック、好きよ」

「ありがたきお言葉。ロザリア様、これからもどうかよろしくお願いします」

「ええ。ええ、ザック」


 こうして、ユイニャンのドレスは無事期日内に完成させることができたの。


 次はわたくしの結婚式だわね。


 うっふふふふふっ。


    おしまい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ