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5話 修行に死はつきものです

「さて、手始めに調合の真の力を使えるようになる事からだな」


「分かりました、って言いたいですけど」


「なんだ?」


「真の力って何ですか」


「まずは座学からだな」


それからいろいろ教えてもらった


調合とはなにか

作り方の手順とか

どういうポーションがあるかとか


知らないこともたくさんあった

やっぱりさすがとしかいえないけどね


「さて、話は終わりだ、実践あるのみだからな」


「すいませんヒュドラさん」


「どうした」


「どれぐらい修行をするってわかりますか」


「うむ、凡そ一万年ぐらいか」


「長いですね」


「それぐらい我が強いのだから仕方なかろう」


「そうですか、、、因みに時間を歪めたりってできますかね」


「できるが、、、なぜだ?」


「エリス様を待たせるわけにはいかないので」


「よかろう、ならば一万年を一時間に歪めるか」


「大分ですね」


「其方だろう、歪めろといったのは」


「まあ、そうですけど」


「御託はいい、始めるぞ」


「はい」


返事をしたときには空間に歪みが生じていた


「入ったら一万年経たんと出てこれんが、良いか?」


「何時でも大丈夫です」


「そうか、入れ」


一歩足を進める、そのたびに視界が揺れる

歪みに触れた瞬間、世界が色を失う


「これで成功だ、さて始めるか」


如何やら始まってしまったようだ

そこからの長い長い修業が始まった


何度も戦った

戦うたびに自分の弱さに嘆きたくなる

修業が本格的に始まるたびに死ぬ

死ぬといってもヒュドラさんが復活させてくれるけど

余談だが復活させれるのはこの空間だけらしい


千年目 身体を極限まで仕上げる・精神的変化無し


二千年目 調合の力を完成させる・精神的変化、感情の制御に成功


四千年目 ヒュドラの毒に耐性を取得・精神的変化、同時並列思考を覚える


六千年目 ヒュドラとの本格的な修行を開始する・精神的変化、五感の感覚操作を開始


八千年目 力を制御したヒュドラ相手に勝利・精神的変化、魔法・思考操作、感覚掌握、催眠の類を無効化に成功


一万年目 本気のヒュドラに勝利・精神的変化、完全に制御に成功

合計死亡回数一万四千二百十三回


一万一日目 修行を完了




「終わりだ、そろそろ戻ってこい」


「分かってますよ、やっとですか」


「十二分に力はついた、心配はいらぬよ」


「ありがとうございます」


「そろそろ、帰った方がよいのではないか」


「それもそうですね、お世話になりました」


「ああ、何時でも来い」



 一歩足を踏み出す、一万年ぶりの世界だ

少し駆ける、一万年間ずっと会いたかった神のもとへ


「あら、お帰り早かったわね」


その声を聴くだけで体が振るえる

聞きなれていたはずの声にもかかわらず


「ただいまです、エリス様」


会いたかった 

ずっと願っていた

そんな神に会えただけで嬉しかった


「ちょ、ちょっとなんで泣いてるのよ」


エリス様を困らせてしまった

しかし今だけはこの声を聴いていたい


「ヒュドラちゃんが歪めてたのは知ってたけど、何年してたのよ」


「一万年ですよ」


泣きながら声を絞り出す


「そう、それがどれだけつらいかなんて私の尺度で測れるものじゃないけど、これだけは言わせて」


エリス様と目が合う


「よくやったわ、あなたは頑張った、それを誇りなさい」


そういいながら抱きしめてくれる


「エリス、さま、、」


疲れた、耐えた、少しぐらい寝ても罰はないだろう

そう思いながら俺は薄れゆく意識を途絶えさせた






エリス視点

「寝たのかしら?」


私の腕の中で眠るアルをみる


「にしても頑張りすぎよ」


これだけのことだ

相当無理をしていたんだろう

当たり前だ、元は人族が一万年も戦って、廃人にならない方がおかしいくらいだ

きっと何回も死んだのだろう、そのたびに生き返ると考えたらヒュドラちゃんも鬼なのかと思うほどだ


「お疲れ様、ゆっくり休みなさい」


額にキスをする

ご褒美は見えない時にするくらいでいいのだ

さてこっちもこっちですることをしましょう


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