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絶滅戦争のそのあとで  作者: とおエイ


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13/13

12話 11ヵ月くらい アラスカー五大湖間 ②

ナツメです。


この後お風呂使ってからベッドで寝られるとなったら、皆がすごい勢いで夕飯を終わらせて散っていきました。

もっと味わおうよう……


皆の勢いに気圧されてあわあわしてたら、いつの間にか残ってるのはアレックスさんと私とクローディアさんだけ。


どうしよ?片付け手伝ったほうがいいのかな?


「ほれ、お前らもさっさと風呂入ってこい。こっちの片づけは俺がやるから心配すんな」


「アレックスは入らないの?」


クローディアさんに問われて、アレックスは首を振った。


「俺はそういう習慣なかったからな。洗浄剤で十分だ」


そうだよねえ。


「まあ初めてなら一回経験しといてもいいんじゃないか?」


そう言って後片付けに戻っていく。

うーん、でも、……洗浄液につかりに行くんだよね? なんか気が進まないなあ。

シャワー動いてたらあったかいシャワーだけでいいのに。


クローディアさんと顔を見合わせて、しょうがない、行こうかって感じでお風呂へ向かう。


なんで更衣室に男と女の区別があるんだろ?

一応女のほう使って全部脱いでクローディアさんと外へ。


……寒い。

床はあったかいけど裸には吹く風が冷たい!


「あ、ナツメにクローディア、こっちこっちー」


湯だまりの縁に裸で腰掛けてるユイが呼んでる。

一緒にジョンやハロルドも入ってる。

頭に畳んだタオル載せてるのは何なんだろ。


でも、その前に……

さーむーいー!!

クローディアさんはアラスカの海にいたくらいだから平気かな?って見てみたら

縮こまって裸は寒い……って震えてる。

そうだよね。裸で外に立ってるんだから、いくら強化兵でも寒いよ。

このまま入っていいの?


「あーはいはい落ち着いて。

 はい、この手桶でお湯汲んで、軽く洗ってから入る!」


わざわざお湯から出てきたユイが説明してくれる。


洗浄液に入るのに洗うの? 

お湯はあったかいからうれしいけどさあ。


ユイに指導されるがまま、クローディアさんと2人してざっと洗ってからお湯だまりへ。

40度くらいかな? あ、頭まで潜らなくていいんだ。

私にはちょっと深いから端の方の浅いところで手足伸ばして……


……違う。

これ、洗浄液と違う!

あったかいし……なにこれ、気持ちいい……

うへえ、力はいんないよぉ……


「わたし、ここにすむ」


クローディアさんがあおむけに伸びて、お湯に2つの島を浮かせたままでろんでろんに溶けてる。


「久しぶりの温泉は格別だなあ」


「血行を良くするのは健康にもいいんですよ」


ジョンやハロルドもなんか雰囲気が柔らかい。


「どうよ温泉は。これが魂の洗濯よ!」


ユイが胸を張って宣言してる。

むき出しの胸もつやっつやだ。

ごめん、私が悪かった。

洗浄とは違うよこれ。


「たまに無性に入りたくなるのよね。今までは戦争中だからあきらめてたけど、これからは我慢しなくていいなら温泉めぐりでもしようかな」


ユイが真剣な顔で何か言ってる。


「ユイってたまに年寄り臭いよね」


「そりゃあなた。私らみんな10年くらい年取ってないもん。精神くらいは育つわよ」


聞いてたジョンやハロルドもうんうんってうなづいてる。

どう見ても20代前半なユイだけど、いくらなんでもその年で佐官なんてなれるわけがない。

実年齢は……はい、黙ります。


軍の人って、技術が完成した時点で成長固定されたんだって。

退役させてる余裕は人類にはないって。


だから見た目も変わらないし、衰えもしない。

もちろん私たち強化兵も固定済み。

グエンのおじいちゃんみたいに、技術ができた時点でもう年寄りだった人もいるけど、

それでも死ぬまでずっと前線に出せるってことでもある。

まあ、寿命まで止まるわけじゃないんだけどね。


解除はできるって話だけど、皆どうするのかな?って聞いてみたら


「除隊したら即解除するよ。子ども欲しいし」


てハロルドが言いだした。


「君はまず相手がいないだろ」


「そりゃジョンも同じだろ!」


「妻はいた」


「「「ジョンって結婚してたのー!?」」」


「戦前にな」


「あ……すまん」


「気にするな」


何か微妙な空気になっちゃったな。

そうだよね。戦前ってことは……


「ユイは誰かいないの?」


「え、私? いると思う?」


いないか。


「ちょっとまちなさいナツメ。それどういう顔!?」


「だってユイがいると思う?って聞いたんじゃん!!」


「私、固定時にこの年だよ?! 開戦時なんて未成年だからね!」


あ、そうか。

固定されると、女の人は生理も止まるし、恋愛とかそういうのも薄くなるとか。

男の人もなんか影響あるんだって。

前にその話になった時、歩兵隊の人たちが微妙な顔してた。


……そりゃ普通に恋愛とかないわー。

ドノバンさん、どれだけクローディアさんのこと気に入ったんだろ。


そんなことを考えながらお湯に浮いてるユイとクローディアさんの胸部装甲と、自分の虚無な装甲をつい比べてしまう。

固定解除されたら追いつけるのかな……


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