エピローグ
桜の花びらが娘二人の頭の上にひらひらと舞っていた。
『えー、それで、それで』
二人はキラキラした目で僕を見ている。
あの後、全国の小学校に四季が戻り、皆、元通りの生活に戻ったよ。
と言って、彼女達の頭に舞い降りた花びらを拾い上げながら言った。
『じゃあ、ママとはその時初めて会ったの?』
二人そろって、
『ああ、中学、高校、と同じだった。』
と僕、
『大学は違っていたけど』
とママ
『じゃあ』と二人は顔を合わせて。
『くらべこし 振り分け髪も 肩過ぎぬ 君ならずして 誰かあぐべき』
と言ってキャーと二人手を取り合ってキャーキャー言ってた。
『あらあら。懐かしい人たちが居るって、聞いて来てみたら、あら、ゴートゥ君じゃない』そう言って、懐かしいモモちゃん先生が校門の坂を歩いてきた。
二人の娘を見て
『この子達、まあ!あなた方の娘さん、カワイイわね、あの時の園芸部の時に初めて出会った時そのものじゃない。』
ママが
『モモちゃん先生、ご無沙汰しております。』
モモちゃん先生は
顔を赤らめ、
『えッと、随分前に逢佐古になってます。』
僕たちは顔を見合わせた。
先生が言うには、コーチは念願の先生になって別の学校で、教鞭をとっているらしい、そのタイミングで結婚したとの事だった。
すぐ、連絡を取ってみるから、少し待ってて。
みんなで、懐かしい話をしましょうと言ってくれた。
『それまで、懐かしい花壇でも見てきたらいいわ、用事が済んだら、懐かしい話一杯しましょう。』元モモちゃん先生はそう言って小走りで、職員室に戻って行った。
二人の娘は
『エー、花壇、みたい、見たい!』と言って、僕たちの手を引っ張った。
体育館の裏の方へ歩いて行った。
歩きながら、
花壇にはあの時書いた看板がまだあるだろうか。
と思った。
そして、
体育館の裏の花壇には今も、佐保姫、龍田姫がそこに立っているような気がした。
続く
拙作にここまでお付き合い下さり、誠に感謝に堪えません。拙作はまたいつか、続きを紡いで参りたい物語の一つです。いつかまた、彼、彼女にお会いできる日を紡いで参ります。いずれにいたしましても、拙作に目を通し続けてていただき、誠にありがとうございました。
【追記】この物語のキーワード「伊勢物語」。
その中にある63段の【九十九神】と、この物語の小学校が【付喪神】だった、ということをかけておりました。という設定は此処だけのお話と言うことで。




