5月9日 伸びてませんよ
「なあ、さっき気づいてしまったんだけど」
「え?それって、お兄ちゃん人じゃないこと?」
「何さらっと人外としようとしてるんだよ!!」
「じゃあ、何もできない自分の無力さに?」
「そんな大きな話じゃねぇよ!」
はぁ、とため息をつく毎度お馴染み俺の妹のソラ。
今日は定位置のソファーじゃなくて床に寝転がってる。その理由が、部屋でだらだらしてたら突然ドアを開けて「身長伸びたからソファーで寝れなくなった」なんてふざけたことを言い出したのだ。これで、また一歩大人になれる。なんて言ってたが何をもって大人って言ってるかが分からない。
それで俺は気づいてしまったクッションがあっただけだって………。言いたい!言ってやりたいが、後でどんなことになるかは目に見えてる。だから未だに言えずにいた。
「気づいてしまった事っていうのはな………えっとな………」
流石にいうのは勇気がいることでちょっと固まってしまう。緊張をほぐすため深呼吸をするが全くよくならない。言ったらすぐにドロップキックがくる。ソラならやりかねない。
「実はクッ………」
「ちょっと待って」
「………ピタッ」
「ソラさんの太ももっていいですよね」
「待って損した!!!って、ナナちゃん、いつの間に!」
さっきまで俺とソラと2人きりだったのにいつの間にかナナちゃんが俺の横に正座していた。
「帰ってきてからずっと後ろにいました」
「「怖いこというなよ(いわないでよ)」」
「息ぴったりですね」
でも、ナナちゃんが加わったことで更に切り出しにくくなった。ここで切り出したらソラの恥ずかしさがまして、より協力なパンチが飛んでくるだろう。
「いや、ソラさんはパンチなんかしません!蹴ります」
「そこはどうでもいいところだから!!そこは、パンチでもキックでもエルボでもどれでもいいから!!」
「エルボなんてしないよ!」
「めんどくさいなぁ!!」
そこでソラが何かいいかけになっていたことに気づいた。ソラが自分で気づけるのだったら、それが一番なのだ。誰も傷つけずに済ますことができる。
ソラも中学生だ。もしかしたら、自分で気づいたのかもしれない。
「それでさっき言いかけてた事ってなに?」
「あ、それか!もしかして私お気に入りの下着が分かったのかなって」
「俺の期待を返せ!!」
「え、カイトさん………まさか………」
引かれた!あのナナちゃんに引かれるなんてよっぽどだよ?ヤバイよ?由々しき事態だよ?
「わ、私のも………見つける気ですか………?」
「そんなわけねぇだろ!」
「話が進まないよ。それで何に気づいたの?」
「それは………その……クッションのソファーをあるからして………し、身長に増えた………」
話している時、ナナちゃんはポカンとしてたがソラは情けか頷いてくれていた。
「つまり、クッションのせいで私の身長が伸びたと錯覚したかー」
「あれで分かるんですか!?」
「あー、テレパシー的な感じで?」
曖昧だな!おい!と心の中でツッコミをいれておいた。
「全部知ってたよ」
「「じゃあ、そこに寝るなよ(ないでください)!」」
ナナちゃんにツッコミを任してもいいかもしれない。




