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湊と別れてから家に入ると玄関に紫苑くんがいた。
ほんのり赤くなっている。
酔っているのか目は虚ろだ。
「ただいま。紫苑くん。」
「おかえり。寧々」
一瞬冷たい雰囲気だったがすぐに笑顔になった。
「私お風呂入ってくるね」
「うん。」
大浴場ではなく、寝室にあるシャワールームに入る。
あがってからすぐにベットに入る。
湊と彼女の結婚指輪のラフを描いていく。
紫苑くんがあがってきた。
お酒が回ったのか真っ赤な顔をしている。
「紫苑くん大丈夫?」
「ああ」
「早く水飲んで」
「……。」
手首を掴まれ押し倒される。
激しい口付け、首にはキスマークが沢山増えていく。
おっぱいを揉まれ、乳首を虐められる。
「あふぁ」
声が止まらない。
どんどん激しくなっていく。
胸だけでいってしまった。
しかも全然辞めてくれない。いつもならいったら一度休憩してくれるのに今日は辞めてくれない。
次は下を執拗に舐められる。
ジュルジュル。ずずずずっっと音がなる。
クリをさっきからずっと舐めたり吸ったりしている。時計を見たら15分も舐めてる。
もう2回も潮を吹いている。
「だめ……。」
「だめ?いいの間違いだろ?」
刺すような視線を向けてくる。
やっぱり、いつもと違う。
またいってしまう。
クンニもされる。
指もズボズボいれられてもうだめ……。
わかる位、ぷしゃーと音がなる。
でも何か怒ってる?
目がいつもは優しいのに今日は冷たく感じる。
「紫苑くん……怒ってる?」
「なんで?」
「何かいつもと違うから?」
「違うのわかってるんだ」
声色が怒りを含んでいた。
私の体が硬直する。
「紫苑くん。何で怒ってるのか教えてくれない?」
「……。」
「紫苑くん?」
「今日は祖父母の家でご飯を食べてたんじゃないのか?」
「そうだよ!!」
「じゃあ……春川本部長とはどういう関係なんだ?」
春川本部長ってみなちゃんの事?
送って貰ったのを見られてたんだ。
でも、湊との事を話す事はどうしても今の私には出来なかった。
紫苑くんが私を孤児だと言って馬鹿にしてないのは分かってるけど。
あの時に父方の祖父母に、言われた一言がフラッシュバックしてくる。
汚いものでも見るような軽蔑した目だった。
あの目を紫苑くんにされたら生きていけない。
それに湊達にも迷惑を掛けたくなかった。
兄に言われた卑屈になるなと言う言葉が頭をグルグルしている。
私が何も言わないのをみて紫苑くんが言う。
「何も言わないって事は祖父母と会った後に春川本部長とデートでもしてたのか?確かに彼は男前だもんな」
「え?違うよ。私には紫苑くんだけだよ。みなちゃんとはそんな関係じゃないよ」
「みなちゃん……?」
彼の目が変わった。
無理やり私の中にずぷんと入ってきた。
とても激しくて私は目が回ってしまった。
凄く怒ってる。
紫苑くんに、捨てられたらどうしよう。
そんな事が頭の中を巡っていく。
「寧々は、俺のものだ!誰にも渡さない。春川湊の事は忘れろ!俺の事だけ考えてくれ」
「ほ……んとうに……うん。みな……ちゃんは……なんでも……ないの……しんじて」
「本当に?じゃあ何で言ってくれないんだ?」
動きがゆっくりになる。
「ごめんなさい。今は話せない……。でも、必ず話すから。お願い。私の事嫌いにならないで」
泣き出してしまった。
こんな子供じゃないのに……。
涙が溢れてくる。
嫌われたらどうしよう。
「嫌いになる訳ないだろ?ただのヤキモチだよ。春川湊に寧々を取られたくないんだ。」
ぐすぐす、泣いてしまう。
ヤキモチが……すごく嬉しい。
契約妻に対してでも、いい。
愛からくるのではないのでもいいの。
今、紫苑くんが私でいっぱいになってるのが物凄く嬉しい。
「私が、みなちゃんと紫苑くんみたいに、なることはないよ。向こうもそんな事思ってない」
「そうか?抱き合ってたじゃないか……。」
あれを見てなのか……。
「あれは、頑張れよって気合いをいれてくれたというか……私が孤児だからいじめられてると思ってたから励ましてくれてたんだ」
「励ますのに何で抱き合うんだ……。」
私と湊は姉弟だし、年子だったから小さい時からニコイチで一緒にいることも多かった。
でも紫苑くんは私と湊と関係を知らないから嫉妬で顔が真っ赤になっていた。
「今は言えないけど……。絶対言うから!でもあれは本当に紫苑くんが思っているような事じゃないから安心して欲しい。」
紫苑くんは納得してない顔をしていたけどしぶしぶ
分かったっと言っていた。
「仕切り直しで仲直しエッチしてもいい?険悪な気分で寝たくないから」
「分かった」
それからはとっても優しい営みに変わった。
違うって分かっているけど紫苑くんから愛が溢れてる様な気がした。
何回したのかも分からない位だった。
寝る時とずっと抱きしめてくれていた。
私が寝たと思ったのか電話している声が聞こえた。
「寧々と春川湊の関係をしらべてくれ」
私を信じてくれた訳ではなかった。
でも彼なりに私を許そうとしてくれているのは分かっている。
1週間後に電話がかかってきた。
桃李からだった。
「ねぇね!可愛いブレスレットありがとう!明日香にプレゼントしたら凄く喜んでたよ。」
「よかった。」
桃李は小さい時に両親が亡くなって、私とも血が繋がらないと知ってから凄く寂しい思いをしていたと湊から聞いた。
私が家から出る時まだ桃李は11歳だった。
「ねぇね行かないでよ」と泣きながら私の服を引っ張っていた事が昨日の事の様に思い出せる。
桃李は私にとって可愛い弟だ。それは血が繋がっていなくても変わらない。
そっか……。
兄が言いたかったのはこういう事だったんだ。
「桃李!明日香ちゃんと3人でご飯行かない?」
「いいの?いっぱい食べていい?」
「もちろん!沢山食べたらいいよ」
「やったー!!」
やっぱり桃李は可愛いなぁ。
おじいちゃんから車を借りて、桃李と一緒に明日香ちゃんを迎えに行く。
明日香ちゃんとおばさんがいた。
おばさんがこちらに来て私を抱きしめてくれた。
「寧々ちゃん。結婚生活は辛くない?佐川の奥さんは気が強くて有名なの。おばさん、心配で……。」
「おばさんありがとう。でも紫苑さんが守ってくれてるから大丈夫です!」
「もう!お母さん。寧々お姉ちゃんが困ってるでしょ?お姉ちゃん行こ!今日はお姉ちゃんとご飯すごく楽しみにしてたの」
「俺は~?」
「桃李くんとは学校で会ってるじゃん!でも嬉しいよ♡」
この2人は両片思いだ。
気持ちをどちらかが言えばすぐに付き合えるのに……。まぁ可愛いからいいか♡
2人を連れて、新しくできた洋食屋さんへいく。
明日香ちゃんがトイレに行っている間に桃李に聞く。
「桃李、いつ明日香ちゃんに告白するの?」
「何言ってんだよ!」
「でも、明日香ちゃんあれだれ可愛かったら他の人に取られるよ!お姉ちゃん心配だなぁ」
「うっ」
赤くなって俯いている。
「卒業式の日に告白するつもり……。」
「頑張れ!!」
笑顔で話していると、こっちに近づいてくる音が聞こえた。
「桃李くん?何でこいつと……」
義妹の杏と義両親だった。
「どうも。佐川さん」
私の前で見せる甘えん坊の末っ子の顔ではなかった。
「杏?この人は?」
義母が義妹に聞いている。
「お母さん、この人は宇月グループのお孫さんの春桃李くんだよ」
「何で、あなたが宇月グループのお孫さんといるの?紫苑がいながら汚らわしい。さすが孤児は違うわね。」
わなわなしている。
私ではない……。
桃李が……。
やばいぞ。桃李が怒ってる。
「私が誰とご飯をたべようがあなた達には関係ありません。」
私は杏達を睨んでいた。




