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13話 ここにいる意味

帰れたはずだが、帰れなくなった。

そんなこと聞いてから明らかに私はメンタルをやられてしまった。


帰りたい。

ラーメン食べたい。


お母さんのヒレカツ食べたい。

お父さんが趣味で握ってくれるお寿司が食べたい。

実家の犬に会いたい。


それはもう遠くに行ってしまい

手に届くことはない。


妹と話題のスイーツの店に行ったり、美味しいと評判のお好み焼き屋さんに連れて行ってあげたこととかそういうのが頭の中をぐるぐる回って、


しばらく部屋から出れなかった。


泣きたくて、

気が付くと泣いてしまっていて。


異世界転生ってもっと楽しいと思っていた。

けど、元の世界にこんなに戻りたい。


寂しくてたまらない。


私はすっかりホームシックになってしまっていた。


どんよりとした鬱うつとした気持ちに心は支配されていて、

どうせだめなら知りたくなかった。

だって、言われる前は帰れるのかなとか考えていなかったかr、帝さまや冷泉様にキュンキュンしたりすることが出来たのだ。


あのときは帰りたいなあとか思ってなかったから、だからドキドキしたり出来たのだ。


今はなんだかとても気持ちがふさぎ込んでしまった。


食欲もなくて、

泣いた顔を人に見られるのも嫌で

私はしばらく部屋にこもっていた。


誰にも会いたくない。


トントンとドアをノックする音がして

修二君が部屋の前に食事を置いてくれて


食べなくてはと思うけど

喉を通らない。

せっかく作ってもらった食事も食べることが出来なくて

私はだめなニートみたいになってしまっていた。


そんなとき部屋にテレビがあるのに気が付いて

何となく付けてみた。


「♪ラララララ~」

あ、これ!

この曲。


この前私が作詞した、あの曲だ。

もう歌ってくれてるんだ。

確か新曲の締め切るがとか言っていたし、レコーディングがあるからとかみんな忙しそうだったけど。


それはライブ映像で、観客も入れてのライブ放送。

お客さんが口ずさみながら、ペンライトを振って嬉しそうに一緒に歌っている。


コールに合わせて。みんなとても楽しそう。


メンバーも楽しそうに歌って踊っていて

聖也も

私がこんなにへこんでいるというのに

にっこにこのアイドルスマイルで歌って踊っていた。

みんな凄くキラキラしていて、凄い。


うわあ。やっぱりみんなほんとうにアイドル活動してるんだ。

改めてみると凄い。ダンスもキレッキレだし。


凄い熱量を感じるライブ映像が流れた後

会場のお客さんにインタビューがされた。


「新曲どうでしたか?」

お客さん「すっごくいいです。私この曲の歌詞が好きで、とても元気もらって、実は凄く悩んでることがあって辛かったんですけど、のの曲の歌詞聴いたら、なんか力が沸いてきて、ほんと、この曲好き。ありがとうって気持ちでいっぱいです。それに今日ここで生で聴けてラッキーです。素敵な曲をありがとう。これからも応援します!」


なんか凄く喜んでもらってる。


「新曲とても評判良くて大活躍ですが、今回の新曲、特に歌詞に元気をもらったとか力をもらえたって感想が特に多いです。これからも活躍期待できますね。現場からは以上です。スタジオにお返しします。」


ふーっ。熱いライブだった。


ん?

さっきのお客さんの顔が頭から離れない。

嬉しそうだった。

それにあの歌詞を凄く褒めてくれた。


私の書いた歌詞が

知らない誰かを元気づけた。

これって凄い事なんじゃないだろうか。


嬉しい。


単純にこの言葉が頭に響いてきた。

凄く嬉しい。


元の世界には戻れない。

でもここに私の書いた歌詞を喜んでくれる人がいる。

それって凄い事だ。

元の世界でそういうことは多分一回もなかったと思う。

誰かに自分の作ったものが感動を与えるとか。

誰かの力に、元気になるとか。

そんなことあっただろうか。


だったら、帰れないのなら。

帰れない事を悲しんで泣いてるより、

なんかこういうことやったほうがいいのではないだろうか。


あんなに輝く聖也を見られたし、

せっかくここに来たのだから。

帰れないことを忘れるためにも

私は歌詞を書こう。


その日 メンバーがみんな戻ってきたときに私はピアノの前で、楽譜を見ながら、置いてあった曲を弾きながら、歌詞を付けていた。


「あ、瑠璃ちゃん、元気になった?」

「大丈夫なのか。心配したぞ。」


とかみんな集まってきて


「あ、これ、次の曲ね、歌詞付けなくちゃならないから置いといたの。もう付けてくれてるんだ。」

「嬉しいな。」

「今日ライブ放送で新曲やったんだ。この目瑠璃ちゃんが歌詞付けくれたあの曲だよ。凄くお客さんに評判良くてさ。」

「いい反応だったよな。」

「いい感触感じられたよね。」


「大丈夫?ですか?」聖也が私の横に来た。

なんかやけに緊張する。

あのログアウト不可の話を聞いた後なんだか顔を合わせられなくて、何と言っていいのかも分からなくて、なあんとなくギクシャクしていて、素直になれなくて、しばらく本当に接触がなかったから。

久しぶりに見た聖也の顔が


その


既成事実がって事が明らかになったというのもあって

恥ずかしくてまっすぐに見れなくて


それにちょっとひどいなって思ってたという事もあって


だけど、今日テレビ画面でみた聖也はやっぱりかっこよくて、一番の推しだった。

声が、聖也の声が私は好きなのだと再認識したし

顔も好きだし。

それにクールで頑張り屋さんなとこも好きなのだ。

みんなが遊んでるときもスタジオでダンスのレッスンをしてたのとか私は知ってた。

凄く仕事に対してストイックに頑張ってるなと思っていた。

だからキレッキレのダンスでキラキラしてるのみたとき


やっぱり好きだって思ってしまったのだ。


だから、今凄く近くに


いるの

意識してしまって

恥ずかしい。


恥ずかしいけど、

聖也の声がした方を見て


顔を見て

「もう大丈夫です。」

と応えていた。


だってやっぱり大好きだから。












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更新できるよう頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いいたします。

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