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今日もキミはガラスの靴を落とす  作者: 次野/うずらの


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10/10

いつかの約束へ。



 いつごろからか下界げかい参考さんこうに、冥府めいふ一般いっぱんてきなカイシャから『刑察ケーサツ組織そしき体制たいせいえた。



 死神しにがみ一課いっか



 局長きょくちょうふくめて2めいの、少数しょうすう精鋭せいえい――――とえば、こえはいい。



 半裸はんらから軍服ぐんぷくこなす色欲しきよくかれは『アスモ』と名乗なのり、局長きょくちょうたまわった。

 寿命じゅみょうまっとうできずにやってくるシしゃむかえるために、ひたすらはん作業さぎょうのほうが退屈たいくつで。



「……ねこになってまで、死神キミをおちょくってもな」



 ローブ姿すがたからスーツに、きっちりネクタイをむすんだ死神しにがみは、シニガリの模範もはんになるよう節制せっせいして、多少たしょう誘惑ゆうわくかなかった。



「なんでスーツじゃねえんだよ」

「スーツなんててしまったら、これからたちが仕事しごとにならないからね」

すなよ?」

「そこは心配しんぱいいらないよ」



 監視かんしやく――の、監察かんさつかんはエルサが。スーツにしろいトレンチコートを肩掛かたがけしたかれは、冥府めいふせきく。

 あたらしい体制たいせいうごきがあるまで、とくにやることがなく、一課いっか一室いっしつでくつろいでいた。


元気げんきそうでなにより」「文明ぶんめい利器りき使つかえば、幅広はばひろ範囲はんいつたわるものだね」などと、ひとごとをぶつぶつ。



 入手にゅうしゅ経路けいろ不明ふめい端末たんまつのぞいてはほそめて――――



「アンタはひまそうだな」



 死神しにがみ露骨ろこついやみも、エルサは風紀ふうき指摘してきかえした。



死神しにがみくん、その言葉ことばづかいはいただけないな。ネクタイもがってるじゃないか」



【キミの姿勢しせいが、

 これからの『刑察ケーサツ』のかおなんだから】



「……つー、わりには軍服ぐんぷくしろトレンチって」と、あきれる死神しにがみ一番いちばんまともなのは、ここだけのはなし



 火事場かじば泥棒どろぼうして、けむりかれるような阿呆あほうがやってくる。


 何人なんにんもの女性じょせいかしたツケでころされたり、不摂生ふせっせい怠惰たいだ注意ちゅういなど――――ロクでもない連中れんちゅうばかり、が。



 けれど、以前いぜんよりも制約せいやくもうけた『刑察ケーサツ』は、つづ擬似ぎじてき転生てんせいおこなうだけで、冥府めいふとしての姿勢しせいくずさない。



 病魔びょうま駆逐くちくし、天命てんめいをも凌駕りょうがしそうなヒトを後押あとおしするのは、天界てんかい十分じゅうぶんだ。


 それがいま機能きのうしていないのだから、いずれは代替だいがえが。


 わざわざ歯車はぐるまになる必要ひつようはないのだと、冥府めいふきるものたちはこの世界せかい摂理せつりづいてすらいた。



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