雪女とメイド2
氷上が用事があると出かけて行って束の間、家でひとりぼっちだった私は暇だった。
家でひとりぼっちなのはいつものことだが、今日は暇つぶしのグッズがなかった。
なのでこう言う日はお出掛けモードにへんして鬼をからかいに行くに限る。
まだ昼まで日光も照っているけれど、それが効かなくなった私は無敵です。
暖簾をくぐると、ドア横の4人用の茣蓙席で晩酌を決めている銀髪黒角の美女と目が合った。
以前会った気がするが、目の前の彼女は紺色のジャージ姿でどことなくみっともない。
彼女はこちらに関わるつもりはないようで、目の前の焼き鳥とビールに集中している。
あちらが関わってこないなら別にこちらも行動を起こさなくていい。他のヒトたちにもそうしてる。
とりあえずいつものカウンター席について厨房にいると思われる鬼に声をかける。
「鬼、とりあえずデュエル」
「そこはナマとかなじゃいのかの?」
そう言って出てきたロリババアの手には、ラーメンとビールが。
ご自由に凍らせてという事なのだけれど、あっつあつのものを食べられるようになってからはそれをしていない。
なんか雪女の特性ゼロじゃない? 私。
仕込みに忙しいようか、ロリババアは厨房に引っ込んでしまった。
「あの、デュエルするんですか?」
ズルズルと麺を啜っていると、急に話しかけてられて、口に含んだものを吹き出してしまいそうになった。
いつの間にか、ビール片手に隣に移動していたジャージ女の手にはデッキが握られていた。
あ、なんだか、なかよくなれそう。




