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61……シェールドの生き物と植物のお勉強です。

 セリにソファに座らせてもらい、国王自らにお菓子を勧められる。


「柘榴姫。どうぞ」

「ありがとうございます。陛下」


 手に取ると口に入れ、その優しい甘さに頰がほころぶ。


「美味しい?これはね?グランディアのお菓子なんだ……あ、来た来た」


 言うと、パタパタと翼の音がして、ふかふかのぬいぐるみが姿を見せる。


「あ、これはべアンジェラ。ぬいぐるみみたいだけど一応最近、この西の風の鳥平原って言う自然の平原で発見された新種の生き物で、この大きい手足とお鼻が特徴。種族がべアンジェラで、この子はガブリエーレ。エーレ。姫にこんにちはって」


 手足の大きな温厚なドワーフのような印象の、翼のあるピンクの熊はパタパタ翼を動かす。


「ガブリエーレ、はじめまして」


 リティはにっこり笑うと、ガブリエーレはしがみつく。

 大きさは30センチほど。

 華奢なリティには、抱き心地が最高に素晴らしい大きさである。

 するとクレスツェンツが、自分も抱っこという風にぐずり始めせがむ。


「駄目だよ。クレスツェンツ。エーレは軽いし自分で飛ぶことができるけれど、クレスツェンツは重いから駄目」


 ぐずるクレスツェンツに、リティがトントンと背中を叩きあやす。


「クレスツェンツ。また後で遊ぼうね?お休みなさい」


 恨めしそうにガブリエーレを見るが、卵の中では老齢化しているが、体は赤ん坊のドラゴンであるクレスツェンツは我慢できずにスヤスヤと寝息が漏れる。


「クレスは赤ちゃんなんですね」

「お子様だね、うん」


 アルドリーは答える。


「まぁ、好奇心は旺盛でも、頭脳と身体が伴っていない。しばらくは時間を決めてご飯の後は遊んで、お昼寝。遊んでお昼寝だね」

「ご飯は何を食べるのですか?」

「本当はヴィルナ・チェニアの花と朝露、蜜だけど、今は咲く時期じゃないから、ルエンディードの花に朝露に前に採った蜜を混ぜて飲ませてるかな」

「ルエンディードの?王妃様の……」


 微笑む国王。


「ルゥの名前のルエンディードは、ここから西のカズールの領を象徴する花の名前なんだよ。ルゥのお祖母様はカズール家の王女だから、ルゥのお父さんがつけたんだよ。ルゥのお母さんは、マルムスティーン領の花エリオニーレから名前を呼ばれているからね。ちなみに、あちらの窓の向こうの奥に見える赤い花がエリオニーレ。手前の純白の花がルエンディードだよ。ヴィルナ・チェニアは、この色だよ」


 髪をつまみ、示す。


「カズール領の奥に、迷いの原というホワイトドラゴンの生息地があるんだよ。その地に咲いているんだ」

「綺麗な色ですね」

「エリオニーレの花は、君の髪の色だよ。雪深い地域に咲くからね?灯火の花とも呼ばれているんだよ。ルエンディードは旅人の花」

「素敵な名前ですね」


 リティはニッコリとする。


「ありがとう。柘榴姫は、向こうから迎えが来るまでここにいること。お出かけもするけれど、主にお勉強かな?」

「は、はい……私は、あまり勉強していなかったので」

「していない?14の割にはちゃんとできていると思うけれど?シェールディアも喋れるし。お勉強って言うのは、数日後ちょっとここから出て、セリやのぞみ達とお出かけに行って欲しいんだけど?いいかな?」


 リティは眼をパチパチさせる。


「お出かけ、ですか?」

「そう。お出かけの後に、俺のじい様たちがいる屋敷に一泊して欲しいんだ」

「は、はい」

「あ、大丈夫。怖くないよ?じい様もおおじい様達も優しいからね」

「はい」


 ちなみにその横で、王妃が招いたという端整な男装の麗人が、凄まじい勢いで何かを書き殴っている。

 その麗人にそっくりな女性がため息をつきながら、バラバラの紙を集めて王妃達とチェックしている。


「えっと、お、お姉様、お疲れではないですか?」

「……くぅぅぅ、なんて優しくて愛らしいんだ!ウィリーは本当に可愛らしいと送ってくれたが、可愛すぎる!こんな娘が欲しい!」

「ナーニャ。そんなことを言っていたら、また一人って旦那に言われるわよ」

「そ、それは嫌ぁぁ!」


 青ざめた男装の麗人は何度も首を振ったのだった。

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