12:フルーさんの贈り物?
椅子に着地な私にソファーで寛いでいたらしいフルーさんはきょとんとしている。そんなお顔も美人ですね、福眼です。サイラスさんはちょっと笑ってるの見えてますからっ!
「ふふふ、スイ様ったら」
「えへ、あの‥‥忘れて下さい。後、お待たせしたみたいですみません」
「大丈夫ですわ。厨房に寄ってから来ましたから、ついさっき来ましたの」
お土産ですわとソファーへ移動してきた私に渡されたのは、卯さんの形をした飴だった。簡単にラッピングしてあって、きゅっと結ばれた赤とピンクのリボンが可愛い、袋も大きめのドット柄で私的には笑顔になれる位ツボだ。
「フルーさんありがとうございます!とても可愛いです、ずっと飾っておきたい位ですよ」
「あら食べないとフツキが落ち込んでしまいますわ。でも、私も初めてその飴を貰った時は食べるのが可哀想で可哀想で、フツキに可愛過ぎて食べられないなんて八つ当たりをしましたもの。ふふっ懐かしい」
「飴、大事に食べますね。可愛いものとか見るだけでも元気になりますよね」
ピンクや白やオレンジと数種類の味が入ってるんだろう。締まりのない顔で、もう一度手のひらの飴を眺める。‥‥卯さん、耳可愛い。
あ、そう言えばフルーさんの渡したい物ってこの飴なのかな?あ、いや、お土産なんだっけ。
「フルー、渡す物が有るんじゃなかったのか」
「もうっ分かってるわよ、男ってすぐ急かすんだから。スイ様今日はこれを渡しに来たんです、ペンダントですわ」
「わ、ありがとうございます。チリンの花ですか?綺麗‥‥」
シンプルなチェーンにチリンの花がモチーフだろうペンダントトップは7枚の花びらそれぞれが異なる色になっていて、小振りではあるけれど存在感がある。凝ってるなぁなんて手のひらでキラキラ光に反射するペンダントをまじまじと見た。
「そのペンダントにはスイ様が万が一リバルデール以外の大陸へ誤って転移した場合など、防御壁を張るようになっていますわ。備えはあるに越した事はないですから、宜しければ普段から身に付けて下さいね」
「え、凄いペンダントなんですね」
「いいえ珍しくはありませんわ、リバルデールの者は皆、身に付けていますもの。と言っても、チリンの花は統治者専用ですから、私達はこのリーンの花を模したものですけどね。スイ様が咲かせたチリンの花は色も豊富でしたから、ペンダントも華やかになって私腕によりをかけましたの!自信作ですわっ」
フルーさんの首にある薔薇のペンダント、どうやら薔薇はリーンと言うらしい。フルーさんの髪の色と同じで青い、ならサイラスさんのは赤い薔薇なのかな?そう思ってちらりと見たサイラスさんに微笑まれたので多分、髪の色と同じ物を持っているんだろう。その内改めて聞いてみよう。
頑張りましたわと胸を張るフルーさんにお礼を言って、ペンダントを着けようとしたけれど普段から装飾品は腕時計位だった私。ペンダントを着けるのは苦手だ。これをスマートに身に付けられる人って憧れるなぁ。
そうやって手間取っていたら、いつの間にやら私の後ろへ来たサイラスさんが代わりにささっと着けてくれたのだけどちょっと、いやかなり恥ずかしい‥‥。
なんだかにやついているフルーさんも相まってみるみる顔が赤くなっていくのが分かる。もう無意味に視線をあちこちに動かして。
本当に、嗚呼、もう、恥ずかしい‥‥。
「出来ました、とてもよく似合っていますよスイ様」
「う、あ、ああ有難うございますっ」
恥ずかしさやら何やらで羞恥心がとんでもなく顔を出してきて、思わず顔を両手で覆って悶えてしまう。何故、さらっとあんな事をやれるんだサイラスさん!不意打ちなんて卑怯だ‥‥、ご自分の格好よさを分かって下さいよ。私には、そういうの刺激的すぎです‥‥。
「サイラスったら、スイ様の事狙い撃ちなんですの?こんなに真っ赤にさせて、ルディやシュリの事言えたものじゃないわねぇ~」
「フルーは余計な事言うな、可愛らしいから自然としてしまうんだ良いだろう。あの二人と違って俺は女遊びはせんぞ、一緒にするな」
「またまた~、トーリス様に報告かしら。飛んでいらっしゃるわよきっと、ふふっ」
「報告するな、兄さんを引き合いに出すなよ」
その、お二人とも小声で話してるつもりなんでしょうが、聞こえてますよ。サイラスさんも私に追い打ちかけないでっ余計に赤面するから!
サイラスさんお兄さんがいるのは気になるけど、それより今はこの赤いままの顔をどうにかしなければ‥‥。




