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あり奇たりな始まり

■■■■■


 風のない真夜中のとある路地裏。ふたりの少年が雨に打たれている。そこには血と火薬のにおいが立ちこめていた。


「やっぱ、お前は主人公だな。」


 壁にもたれ掛かるように座る少年が苦しそうに、しかし口元に笑みを浮かべながら言った。彼の服はボロボロになっていて、自らの血で赤く染まっている。


「どうやら、そうらしいね。」


  もう一人の少年が言った。彼も笑みを浮かべているが、その目は悲しみに満ちていた。彼の手には拳銃が握られている。


「さっさと終わらせてくれ。」

「分かった。……じゃあね。」


  拳銃の引き金に指が掛かる。


「もし、違う世界で出会えてたら、親友のままでいられたのかな…………」

「……………そうかもな。」


  引き金が引かれる。鋭い銃声は、雨音にかき消された。突然吹き出した風が、別れを告げるように、彼の体を撫でていった。



■■■■■



 今日もいい天気だ。絶好の登校日和だ。


「はぁ…はやく帰ってアニメが観たい………」


 家を出て五分も経たないが、早くも弱音がこぼれる。

 だいたい学校が山の上に建っているのがおかしいんだ。もっと平地に建っていれば、毎朝通学路でハイキングの真似事なんてしなくて済むのに……。疲れた。よし、午前中は寝よう。


「あぁ、つまらん!アニメみたいなことが起こればいいのに!」


 まぁ、実際そうなったら困るんだろうけど。


----------


 ぼぉ~っとしているうちに放課後を迎えていた。あれ、おかしいな。まぁ、いつも通りのことだから良いや。


「さて、帰るかな。」


 荷物をまとめて帰路につく。いつもより風が強い。吹き付ける風が体温を奪っていく。寒いのは嫌いだ。俺は逃げるように家に駆け込んだ。今日も疲れた。世の中は平凡すぎてつまらない。アニメ観て寝よう。


----------


 翌朝。今日もいい天気だ。絶好の登校日和だ。これ、昨日も言ったな。


「はぁ…はやく帰ってアニメが観たい………」


 家を出て5分も経たないが、早くも弱音がこぼれる。

 だいたい学校が山の上に建っているのがおかしいんだ。しかも、昨日より風が強くなってやがる。寒いのは嫌いだ。さらに、向かい風ときたもんだ。お陰でいつもより過酷なハイキングを強いられている。あ、マフラー飛ばされた。


「いい加減にしろよこのクソ風が!!少しはおとなしくしやがれ!!!!!!」



 今まであんなに強かった風がいきなり止んだ



「……………マジでおとなしくなった」


 やべ、なんか俺が風を操った気分だ。よし、もう一回やってみよう!


「風よ!吹き荒れろ!!」


 まぁ、何も起きるわけが…



 風がものすごい勢いで吹き始めた



「ちょっ!待って!!今のなし!!今のなし!!!!!!」



 再び風が止む



「……………マジで風、操れるようになったんじゃね?」


 俺が思ったとおりに風が動く。やべ、これチョ~楽しい!!

 さっき飛ばされたマフラーを風を使って回収し、俺は学校に向かった。

 

 追い風最高!!!!!!!!

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