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偏在の理想ボーイ幻覚の普通ガール  作者: キャボション
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ディスプレイ

俺たちは椎名の見舞いをするために山猫の自宅へと向かった。

山猫の自宅は高級住宅街にある3階建ての家だった。俺みたいな平エージェントが国会議員とほぼ同額の給料を貰ってるんだからおかしくはなかった。山猫が立派な扉にカードキーを通すとピッという無機質な音の後に鍵が開いた。山猫の家は本当のお金の使い方を知っている金持ちと言った感じでいやらしさは感じなかった。

「桃花は3階にいる。ふたりとも、ありがとうな」

「仲間だしな。当たり前だ」

3階に上がり、扉を叩く。椎名の「入って良いですよ」を確認してから扉を開けた。パジャマ姿の椎名が居りパソコンの進化版のような機械をディスプレイを確認しながら操作していた。ディスプレイには複雑そうなデータが映されていた。

「椎名、風邪は大丈夫なのか?」

「はい、昨日治りました。少し仕事をしていました」

「どんな仕事なの?」

「はい、CIAと一緒に黒猫部隊について調べていました。収穫もありましたよ」

「どんな収穫だったんだ?」

「黒猫部隊の本部はアジアにあるとされていたんですが違いました。本部はヨーロッパにあったんです」

椎名は興奮しながらそう言った。

人はそれまで常識だと思っていた事が違うという事が分かったとき、多くの人がふたつの行動を取る。動揺してその事から目を背けるか椎名のように真の答えを知ろうとしてワクワクし出すかのどちらかだ。

「ヨーロッパのどの辺りだったんだ?」

「EUに加盟していない国です。それ以外は、」

椎名は申し訳なさそうにしていたが十二分に大きな収穫だ。恥じるどころか誇って貰いたい。そう考えていると椎名は妙な言語を打ち込んでいた。

「あ、これは北センチネル語です」

「北センチネル語ってまだ解読されてないんじゃ?」

「数年前に解読されたようです。現在は日本とアメリカの諜報機関のみが使ってます」

やはり、全員が常識だと思っていた事が違うという事が分かった。アインシュタインも言っていた。「常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」と。

「明日からは復帰出来ます。迷惑をかけてしまいましたね」

「いや、椎名は俺たちよりよっぽど貢献してるよ。黒猫部隊の本部だって特定したんだから」

「そうだよ桃花ちゃん」

「そ、そうですか?嬉しいです」

椎名は嬉しそうにキーボードを物凄い勢いで打ち込んでいた。

「じゃあ、俺たちは帰るから。明日な」

「じゃあね、桃花ちゃん」

俺たちが椎名の部屋を出ると山猫が1枚の紙を見せた。その紙には電話番号が書いてあった。

「山猫、これは?」

「ふたりとも、この番号を携帯に登録しとけ。国内限定で使えるから。面倒事を避けれるから」

「分かった。とりあえず報告しておく」

「乃愛ちゃんがするなら私も」

俺と乃木はその電話番号を登録し、電話帳で最初に出てくるように登録名を「あ」とした。

面倒事は思ったより早く起きた。乃木が拳銃を地面に落としてしまったのだ。それも、運が悪いことに交番の前で。日本の警察は優秀だ。拳銃を確認した瞬間、俺と乃木を交番に入れた。

「なんで君はこんな物を持っているんだね?実銃じゃないか」

「乃愛ちゃん、この番号の使い時かなぁ」

「そうだな」

俺は「あ」に電話を掛けた。すると数秒後に男が出た。その男が「その警官にその携帯を渡しなさい」と言ったので警官に渡した。

「え?私に?なんだね、全く」

警官が大義そうに電話に出るとだんだんと顔が青ざめていき、俺と乃木に「もう帰っても良いぞ」と言った。

「あの番号は何なんだろうね」

「よくわからないが助かったのは確かだな」

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