ep.10 謎は続くよどこまでも
◇◇◇
――我ながら、食い意地が張ってるな。
「デュッカート伯爵、にやにやしてどうしたの?」
「なんでもないよ。アラレア公爵。それより、ここのレストランの料理は美味いな。また食いに来よう」
◇◇◇
自邸に帰ると、私は父上の部屋を訪ねた。
「ただいま……。って、父上!? 何してるんですか?」
扉を開けると、部屋は紫色の煙でもわもわだった。
ファブト――父上は愉快そうに笑った。
「おかえり。ヌレンナ! 遠隔呪殺の実験をしてたんだよ」
「実験?」
「そうそう。呪殺するときは、対面で長い詠唱しなきゃいけないでしょ? そのせいで、精霊王のとこにも乗り込むはめになったし……。遠隔呪殺できたら便利だなって」
「たく。あいかわらずとんでもない奴だ」
「それでさ、ついに完成したんだよね!」
「完成……!? 遠隔呪殺が!?」
ファブトは蛇のような笑みを浮かべた。
「うん。これで邪魔者は消せるよ。ますますデュッカートは安泰。最近、デュッカートは倫理に反するとかなんとか言ってきた生意気な侯爵がいたじゃん? 俺が消すよ」
「待て待て! 倫理観なさすぎだ! そいつは私がどうにかするから安心しろ! まったく……。私の周りはぶっ飛んだ奴ばっかりだ!」
「……それ、ヌレンナが言っちゃうか?」
「私はまともだ!」
――さて……。呪術を使わないで、どうやって侯爵を黙らせようかな?




