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「なっちゃん、起きて、起きて。なっちゃん」


セイラちゃんの声がする。

今、朝だよね。

カーテン空けられちゃった、眩しい。

あれ?まだ夏休みじゃないの?

昨日始まったところでしょ?

あれ、それとも、もう一か月とか経っちゃった?


「なっちゃん。起きて。玄関に、イケオがっ!!」


「へっ?」


「佐倉が来てるのー」


がばり、なんて音はしなかったけど、私は飛び起き、慌てて下へ降り、洗面所へ向かう。


「何で?」


「こっちが聞きたいわよー」


「顔洗って歯磨いたら行くから、えっと、暑いから入ってもらって」


「はぁい、はぁい」


顔を洗い歯を磨き、二階の部屋に戻りパジャマを脱いで、クローゼットで一番最初に目についたワンピースを上からかぶり、下へ慌てて降りる。

何で?

どうして?


「おはよう」


「おはよう。どうしたの?」


「除霊しに行く。あんたも用意して来い。電車に乗るぞ」


「はぁ?何言ってんのあんた。昨日行ったばっかでしょ。馬鹿じゃないの。夏休みよ」


「夏休みだからだろ。除霊の予定でぎっしりだ」


「勝手に一人でやってなさいよ。なっちゃんと私は今日はエアコンの効いた部屋でのんびり映画を見るの。そうめんを食べて、アイスを食べてお昼寝するの」


「面白かった、また見たいって言っただろ」


「確かに言ったような気がするけど・・・」


「じゃあ決まりだな。さっさと行くぞ」


「まだなっちゃんは朝ごはんも食べてないのよっ!!」


「朝飯なら買ってあるから電車の中で食ったらいいだろ。行くぞ」


「いいけど・・・」


「なっちゃんっ!!」


「あんたは霊が見えるわけだからな。まだ目覚めていないだけで除霊師の才能があるかもしれない。ホントに助手にならないか?」


「それはなんないけど・・・」


「行こう。電車から動く景色も見れるぞ。除霊をしてついでに何か食って帰ろう」


「うん」


「なっちゃんー」


「私行きたい」


「もう、じゃあついていくしかないわね」


「ちょっと待ってて。髪だけくくるから」


不思議。

出かけるの嫌じゃない。

寧ろ予定があるのワクワクしてる。


「何でポニーテール?」


「誰かさんがツインテール有り得ないって言ったからでしょ。まあ、なっちゃんは何でも可愛いけどね」


「ありがとう。行こ」


「ああ」


「いいお天気だね。空真っ青だよ」


「ああ」




どうやら何かが本格的に始まったみたいです。

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