動物園
大学やバイトを頑張りついに穂乃果ちゃん
とデートの日。
なんともいい天気だ。
動物園日和。
「穂乃果ちゃ〜ん」
「空先生〜」
ギュ〜♡
と、長いこと遠距離恋愛していたかのよう
な挨拶。
…この前会ったばっかりだろ。
と呆れる空の脳内に住む小人たち。
「穂乃果ちゃんは、何からみたい?」
「えと…クマのもりおさんからですかね」
「へー、そんな名前のクマがいるのかー」
「いえ、今わたしが勝手につけました」
「あぁ、そっか」
「はいです」
ということでクマさんからみることになっ
た。
…
クマでけー。
「空先生…」
「ん?」
「どうしてぬいぐるみのクマさんは、可愛げ
があるのに、実物のくまさんは…くまさん
と言いたくなくなるのでしょうか」
「えっ、じゃあなんて言いたくなるの?」
「熊‼︎です」
「あー、さん付けしたくないって感じ?」
「そうなんですよ!イラストとかシールとか
すんごいかわいいのに…みてくださいよ…
あのでかさ‼︎そして凛々しい感じ…」
「…うん。たしかに。」
しばらく熊をじっとみつめる穂乃果ちゃん。
「…熊です。やっぱり熊は熊ですね。いきま
しょう。空先生」
熊を連発する穂乃果ちゃんだった。
お次は、カバさんコーナー
「空先生…カバです‼︎」
ちょっと興奮気味の穂乃果ちゃん。
「カバ好きなの?」
「いえ、全く興味ありませんでしたのに、な
んかすっごい迫力でびっくりしましたの」
「あー、たしかに水面からざばーって来た時
迫力満点だったよねー」
「はいです‼︎」
穂乃果ちゃんがまさか、カバをみておめめ
キラキラになるなんて意外とびっくりな空。
カバをみてキラキラな穂乃果ちゃん。穂乃
果ちゃんをみてびっくりな空。
それをボーっとみる知らない男の子。
その男の子をみてシャッターチャーンスと
カメラを構えるお父さん。
それを遠巻きからみていた飼育員さん。
…動物園とは、色々なドラマがうまれる…
と思う飼育員さんなのでありました。
少し歩いていくと、フラミンゴがいた。
「空先生、あのフラミンゴさんたち…くくく
っ」
いきなり笑い出す穂乃果ちゃん。
「えっ?何⁉︎」
フラミンゴがなんなんだろう⁉︎
「だれが一番片足で立っていられるか競争し
ているのですね!しかも、みんなしれーっ
としたお顔で…くくく」
ツボにハマる穂乃果ちゃん。
それをみて空も思わず笑ってしまうのであ
りました。
フラミンゴをみてあんなに楽しそうなカッ
プルそうそういないと鳥コーナーの飼育員
さんは、思っていた。
そして、フラミンゴの何が面白いのか気に
なる飼育員さんでありました。
猿コーナーに到着
いっぱいいるなー。
「空先生。」
「ん?」
「小学生ってよく遠足に動物園いきますよね
?」
「あー、たしかに」
「わたし、先生になったら引率するじゃない
ですか」
「そうだね。」
「このお猿さんの名前全部覚えたら先生の株
上がりまくりじゃありません⁈」
「あー、でも覚えるの大変そうだね」
「はい…まずは、家系図からたどりどの子が
どの家族でいとこがどなたで恋人がどなた
とどなたで、のみとり専用の方がどなたで
あとは…とにかくみなさんどなたですの?
です。」
「うん。」
…先生の株が上がるのは、難しそうだと思
う空でした。
そしてふれあいコーナーに到着。
「空先生ー‼︎」
オレにしがみつく穂乃果ちゃん。
「へ?どうしたの?」
「へ、蛇です!蛇蛇蛇ですの‼︎」
おー、蛇のふれあい…
「ど、どうしましょう…ふれあいなんて…む、
無理です…どうしてこんなことに…」
「穂乃果ちゃん。ふれあいコーナーだけど、
無理に触れ合わなくても大丈夫だよ。強制
じゃないし」
「…でも。先生になったら、われ先に先生が
首に蛇を巻かないと…子供たちが先にまい
たりしたら…絡んでしまうかもですよね…
先生が先にお手本を…みせないと…ですよ
ね…。マフラーの正しい巻き方もそこで教
えてあげられますし…でも…無理です…ど
うしましょう…ここで先生の道を諦める時
が来てしまったなんて…」
「たぶん、みんな巻かないんじゃない?それ
に先生だからってそこは強制じゃないよ」
「では、聞いてまいります‼︎」
穂乃果ちゃんがいきなり自分の手をマイク
がわりにして飼育員さんにインタビューし
だした。
「あなたは、なぜ飼育員さんに?」
「えっ」
…いきなりのインタビューに固まる飼育員
さん。
でも、すぐに我にかえり
「動物が好きだからです。」
と答えていた。
そして、
「学校の先生は、蛇首に巻きますか?」
の質問に、
「ほとんどの先生は、巻きません」
と答えてくれていた。
それを聞いてホッとする穂乃果ちゃん。
「先生を諦めなくても大丈夫そうです。」
と笑顔が戻った穂乃果ちゃんなのでした。
続く。




