迎撃
迫りくる戦闘用ドローンを見た俺が悪寒を感じていると
ーー 退避を推奨します ーー
AIのアイちゃんが俺に進言する。
確かにこの数の相手を一機で相手取るのは分が悪いと思い
アイちゃんの提案に乗ろうとした時だった
「駄目!このまま逃げたら船に合流する時位置がバレるわ!」
確かにそうだ
恐らくあれ一機一機が統合管制AIに繋がっていて、位置がバレるとこれからの運行にも支障が出るのであろう
「何か武器はないのアイちゃん!」
ーー マスターの指示を仰ぎます ーー
ルラルとアイちゃんがそう話している間にも、あの迫りくるドローンを観てゾッとした俺は
辛抱たまらず先程アイちゃんが構築し壁を打ち破った武器をぶっ放してしまっていた
ビィィィィィィィ!
「ちょ!なに打ってんのよ!」
先頭を飛ぶドローンに向けて撃ったビームは数百機のドローンを鉄屑に変えたが
数万のドローンが5つの波に別れ今だこちらに向かってきている。
余計に厄介になってしまった
「だから言ったでしょ!」
ーーしゅん
綺麗なお姉さんに普通に怒られ、無茶苦茶落ち込んだ俺は、大人しくアイちゃんに助けを求めながらドローンから距離を取る。
「キモいキモいキモい!」
「助けてアイちゃ〜ん!」
客観的に見るとなんと情けない姿だろうか
しかし、どうも俺はあの戦闘用ドローンは生理的に受け付けないらしい
横目にルラルが酷く失望したような、なんとも言えない顔をしてるのがわかる。
ーー 提案します ーー
首を長くし待っていたアイちゃんからの助け舟が来る。
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
ーー 当該の戦闘用ドローンの最優先任務は施設防衛であり ーー
ふむ
ーー 当機の追跡はその任務より優先されるものではありません ーー
つまり?
ーー 防衛の任務遂行が困難な個体数へと減少した場合、施設へと帰還するものと記録されております ーー
すなわち
「可能な限りぶっ壊せってことだな!」
その発言に端を発し推進そのままに180度ターンをし、一発ぶっ放す。
5つの波の一つに命中したビームは数百機を薙ぎ払いそれを確認すると、向きをかえドローンから又遠ざかる
「これなら時間はかかるけどなんとかなりそうね」
ルラルも満足してくれたようだ
ーー 目標達成数は3割程度と予想されます ーー
「やぁぁぁってやるぜ!」




