今じゃない
その後、撃っては逃げ、撃っては逃げをを10回、いや20回、正確には27回繰り返した辺りだ
波はドンドン別れ細くなっていき効率が落ちてくる。
全く減らない戦闘用ドローンに嫌気が差した俺達はというと……
「そこで夫はなんて言ったと思う?」
「そんな君でも愛してるだろ?」
ハハハハ!
二人でホームドラマバリに笑い合う
「良く分かったわね!峰!」
そう、めちゃくちゃ仲良くなっていた。
何故こうなったか説明しよう
作業的な繰り返し作業を俺は黙々と繰り返していたが、
逃げれば機体の性能故に追いつかれることもなく、かといって逃げてルラルの仲間の船に合流したとしても船籍番号みたいなのを特定されマズイことに
そんな状況だから緊張感も溶けてただただ精子のようなドローンを撃ち落とす地獄が始まった。
暫くすると機内は沈黙も増え、ルラルも表情を見るにウンザリし始めていた。
そこで俺はアイちゃんに助けを求めた。
「アイちゃん……これなんとかならない?」
するとアイちゃんの金言にずいぶん救われたものだ
ーー 自動操縦に切り替えますか? ーー
そんな機能あるんですか!?
「そんな機能あるのか!?」
思わず思ったことをそのまま口にしてしまうほど救われた気分だった。
そうそして操縦するという重荷から開放された俺はルラルと身の上話に花を咲かせ
今に至る訳である。
「峰は特定の大切な人はいなかったの?」
ルラルの質問に少しドキッとするがここでキョドると童貞っぽく見えてしまう
己を律し毅然とした態度で応える。
「いなかった、出会いが無かったっていうのかな」
ちょっとエエ顔もスパイスで加え、少し遠くを見るように答える。
「俺ってルラルみたいに整った顔もしていないしさ」
少し自虐もミックスしたがこれは後ろ向きすぎたか、と少し後悔する。
しかし、ルラルからの返答である言葉を思い出すことになる。
「今の人達ってね……生まれる前に親が好きな容姿に調整できるの」
「だからね結構みんな似た顔に成りがちなの……」
ーーゴクリ
ここまで来るともう俺の男性的な部分が男性的に男性らしさを強調しだすがグッと堪える。
我慢に耐えているとルラルもなんかシットリした感じで、なんかシート部分にもたれながら色っぽく囁き出す。
「峰の顔……私は好きだな……」
誰もいない密室
男女二人
何も起こらないはずもなく
ーー 目標の27%の撃破に達しました ーー
アイちゃんの言葉でお互いハッとする。
そうだ、今こんなことしている場合ではない
今ではない
そう今ではないが
「それ今言う?」
大人気なくAIに八つ当たりしている俺だった。




