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「お前たちをパーティから追放する」


 俺はパーティメンバー達にそう言い放った。


 ちなみに、俺の名前はレイ。十七歳にしてこのパーティ「めきょめきょハート」のリーダーを務めている。


「追放……って、俺ら全員をか!?」


 メンバーの一人、戦士のヤニクは驚きのあまり座っている椅子からのけぞった。


 ヤニクは、右目に傷のある元傭兵のおっさんだ。


 まさか、そんなおっさんにそんなコテコテの反応をされるとは思わなかったぞ。


「……ああ、その通りだ死ねヤニク」


辛辣(しんらつ)ゥ!!!!」


 ちなみに俺たちが今いるのは、冒険者ギルドの中に併設された酒場だ。ここには掲示板があり、自由に依頼を受けることができる。


 だが今はそんなことどうでもいい。


「一体……なぜそんなことをおっしゃるのですか……?」


 神官のドロシーは、悲痛な面持ちで俺のことををじっと見つめる。


「……疲れた」


「つ、疲れたとは……どういう意味ですか?」


「人間関係……いや、人間にだ!」


 俺は叫んだ。


「ええええええええええええええええええええ!?」


 ドロシーも叫んだ。


 酒場にいた冒険者の視線が、一斉に俺たちの座るテーブルに集まる。


「ど、ど、どどどういうことですか!? 私たち、今まで仲良くやってきたじゃないですか!? そんな魔王みたいなこと言わないでください!」


 ドロシーはものすごく慌てながら俺を説得しようとする。


「俺はもう何も信じられない! 今から、貴様らの欺瞞を一人ずつ暴いていってやる!」


 だが、俺の意思はその程度では揺らがない。


「な、なに言ってるんですか!」


「そ、そうよ! 一体どうしちゃったのよレイ!」


 ドロシーに同調したのは魔法使いのアンだ。


 アンはゴスロリファッションに身を包んだ幼女のような姿をしているが、俺と婚約した幼馴染……である。


 ――幼馴染だと思っていた。


 まずはこいつからだ。


「アン! 貴様、俺と同い年だと言っていたが、本当は六十歳だろ!」


「…………ええええええええええええええええええええ!?」


 ドロシーが叫んだ。


「えっ? ええ!?」


 アンと俺の顔を交互に見るドロシー。


「いきなり何を言い出すんですかレイさんっ! 一体何を根拠にそんなことを――」


「違うわ、九十七歳よ」


「えええええええええええええええ!?」


 叫ぶドロシー。


 アンは落ち着き払って椅子に座り、九十七歳の貫禄を見せる。


 何度も言うが、その見た目だけはどちらかと言えば老婆というより幼女に見える。


「子どもの時からずっと見た目が変わらないからおかしいとは思っていたんだ!」


「の、呪い……とかでしょうか? でしたら、私が解呪できるかもしれませんよ?」


 落ち着きを取り戻したドロシーがそう提案をした。


「アンチエイジングの賜物よ」


「あいえええええええええええええええ!? えっ? えええええ!?」


 結局再び取り乱すドロシー。


「バレちゃ仕方ないわね」


 開き直るアン。


「だけど、どうしてわかったのかしら?」


「……前々から、おかしいとは思っていたんだ」


「どうしてと聞いているのだけど?」


「……俺のロリコンセンサーが貴様に対して一切反応しないからな」


「えええええええええええええええ!? ろ、ろりこん? えっ!? ええ!?」


 ドロシーは、俺がロリコンだと知り再び驚愕する。そういえば言ってなかったかもしれない。


「見た目は幼女なのに、俺のセンサーは貴様に対してとんでもない危険信号を発していた! それもこれも全部、貴様が九十七歳だからだったんだよ……!」


「なるほど、面白い仮説ね」


「いくらなんでも無理があると思います……」


 引き気味のドロシー。


「でも愛した!」


 しかし、アンの年齢は別に問題ではない。俺は幼馴染であるアンがずっと俺にとんでもない隠し事をしていたことが悲しかったのだ。


「……そうね」


「それは……純愛……ですね……」


 たじろぐドロシー。


 アンはコップに注がれた酒を飲み干して不敵に笑った。


「……半分当たり、と言ったところかしら。あなたにしては上出来よ、レイ」


「半分だと……? こ、これ以上何を隠しているっていうんだ!」


「うふふ」


 頬杖をついてにっこりと笑いながら、俺を見つめるアン。


 背筋がゾクゾクし、冷や汗がだらだらと流れる。


「あなたのロリコンセンサーとやらが反応しないのは当然よ。私の年齢関係なく……ね」


「ど、どういう意味だ!」


「だって私、男だから」


 アンは立ち上がってスカートをひらひらさせた。


「えええええええええええええええ!? エッエッエッエッ!?」


 驚き過ぎて過呼吸を起こしかけるドロシー。


「ロリババアですらなくて残念だったわね」


「……………そうか」


「ええっ!? ええええええええ!? え? い、今の話聞いてよく落ち着いていられますねッ!? レイさん!? もしもーし!!!!」


 俺の肩を揺さぶりながら叫ぶドロシー。


「俺、ショタコンでもあるから性別はどっちでもいいかな」


「ええええええええええええええええええええ!?」


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