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第30話 魔物との再会

 


 何とか盗賊達を倒した悠真達は馬車に戻って王女様に報告をしようとしていた。

 何とか倒した…というより悠真一人の無双状態であったが…


 とりあえず馬車に戻り外での出来事を一通り王女様に話すと…


「そうですか…私を狙って盗賊がつけてきていたのですか…巻き込んでしまってすいません…」


「いえいえ、別に気にしてませんよ。ただ…ギルドから堂々と馬車で出てきたのは少し迂闊だったかもしれませんね」


「そうじゃのぅ。怒りに我を任せて全員を斬り伏せてしまうくらいに迂闊じゃのぅ」


「うん、その通りだと思うわ」


「うっ…ごめん」


 シアとカレンの言葉はもっともだろう。

 悠真は盗賊の言葉に反応して全員を斬り殺していたのだ…

 盗賊の言葉は挑発で罠だったかもしれない…

 そのまま突っ込めば命の危険だってあったかもしれないのだ…


 でも、仕方ないよな?

 カレンとシアを汚すとか言われて平常でいられるわけがないじゃん?

 カレンとシアは仲間…というより家族だと思ってるんだからさ!


「それに一人は生かしておかないと尋問もできないしのぅ?」


「本当に…ごめん」


「相手の罠だったって可能性もあったわ」


「うん…ごめん」


 うん…カレンとシアの言っている事は本当にもっともだ。

 だからこそグサグサくる。

 言葉の一つ一つが重い。

 俺もしっかりしないとな…


「でも…私達の為に怒ってくれて…その…嬉しかったわ!」


「そうじゃのぅ。女として男にあんな事を言われたら嬉しいものじゃのぅ」


「あら、悠真様はどんな事を言って盗賊を倒したのですか?」


「カレンとシアは大事な仲間なんだ! 傷つけさせはしない! …と、言っていたわね!」


「うむ、あれはカッコよかったのぅ! 思わずドキッとしてしまったのじゃ!」


「うわぁぁ! 恥ずかしいからやめてくれ!」


 思い出しただけでも恥ずかしい…

 軽く黒歴史になりそうだ…

 まぁでも…カレンとシアが無事でなによりだけど…

 てか、そもそもあんな盗賊相手ならカレンとシアが負けるはずがないんだけどね…


 そんなこんなで弄られつつも馬車で移動するのであった。


 ………

 ……

 …


 先程の盗賊の襲来以降、魔物に遭遇する事はあったが特に何事もなく倒し目的地である王城へとたどり着いた。

 …といっても王城のあるヴェルリア王国の中心部、首都アルデリアに着いただけではあるが。


「ここがヴェルリア王国の首都、アルデリアです!」


「へぇ、ここが! やっぱ首都なだけあって俺達がいた街より栄えてるなぁ!」


「それはそうですよ! 首都ですし!」


 首都といわれるに相応しい程の店の数々。

 宿に服屋に食事処と数多くありどこに行こうか迷う程だ。

 悠真は辺りを見回していると見た事のある後姿があった。

 ゴツゴツとした体に後姿なのにわかる少し豚みたいなイノシシみたいな顔。

 あれは…


「オークだ!」


「オークじゃねぇわ!」


 悠真の言葉に思いっきり反応した。

 どうやら聴こえていたようだ。

 しかしいきなりツッコミを入れてきた為、俺とオーク以外はポカンとしていた。

 カレンは知ってるはずなのだが。


「誰だよまったく! 俺をオークなんて言ってるやつは! …って、悠真じゃないか! 久しぶりだな!」


「お、おう。久しぶり。こんな所で何してるんだ? 気を付けないと討伐されるぞ?」


「されねーわ! …はぁ、お前は相変わらずだな」


「オークも相変わらず良いツッコミだな」


 悠真は笑いながらオークのツッコミの良さを褒める。

 ドルイはちゃっかりオークと呼ばれている事に溜息を吐いている。


「それでオークはこんな所で何してるんだ?」


「あぁ、俺はこの街でも商売をやってるから様子を見に来たんだよ」


「へぇ、そうなんだ」


 オークの商売って確か奴隷商だったよな?

 この街でも商売をやってるって事は店があるって事だよな?

 結構稼いでるのか?

 まぁ、いいや。


「まぁなんだ、俺の店に用がある時は来てくれよ! 少しまけてやるからさ…って、悠真よ…女の子が増えてるな…見かけによらずやるな」


「ちげーよ! そういうのじゃないから!」


 まったく俺はどっかの白騎士とは違うんだから俺がナンパしたみたいな言い方はやめて欲しいものだ。

 カレンとシアは俺の大事な仲間なんだから。


「まぁ、オークに紹介するよ。右にいるのが俺の仲間のシアで左にいるのがリース王女様だ」


 と、言い悠真は各々手を向けながら紹介する。


「はじめましてじゃ!」


「はじめまして、リース王女様です!」


 いやいや、自分で王女様って言わなくても…

 ちゃんとギルドで名乗ったように名乗ればいいのに…

 そんなボケかましてもつっこんでやらないからな?

 なんか嫌な予感しかしないからあくまで他人でいたいし…


「……はい? 王女…様? お、おい悠真…嘘だろ?」


「んー本当だと思うよ? ここに来るまでに一度、盗賊に襲われたし」


「……すいませんでしたぁぁぁ!」


 オークはすぐさま土下座の体勢になり謝った。

 まぁ、今まで普通に会話していた相手がこの国の王女様でした! なんて言われればこうなるのも仕方がないというものであろう。


「ふふ、顔を上げてください! 今はお忍びで来ていますし気軽にリースと呼んでください!」


「よ、呼べるかぁぁぁぁぁぁ!!!」


 この日、一番のツッコミが聞こえたのだった。

 お忍びだからとまた注意され土下座することになるのは言うまでもない。


 ………

 ……

 …


 悠真達一行はとりあえず食事にしようという事で近くのお店に入る事にした。

 みんなが何を食べるか決めている中、オークがとんでもない事を言い出した。

 なんて言ったと思う?


「俺はオーク肉炒め定食にしようかな!」


 なんて言いだしたのだ!

 みんなはどう思う?

 オークに似た姿をしているやつがオーク肉炒め定食を食べようとしているのだぞ?

 オーク以外、みんな絶句するのは簡単だ。


 まぁ、そんなやりとりもあったがみんな食事を済ませ話の続きを始めることにした。


「それで何故、悠真は王女様と一緒にいるんだ?」


「ん? あぁ、偶々ギルドで会ったんだよ…」


 悠真はあまり深く関わりたくないのか言葉を濁すが…


「またまたそんな事を言って〜! 悠真様方はヴァルの森にてガルムキング2頭の討伐を果たしましてこの度、我が城にご招待させていただく事になったのですよ!」


「……は? 悠真達がガルムキングを討伐した? しかも2頭も? まじか…強いとは思っていたがお前さんそんなに強かったのか!」


「いや、そんな…」


「それに加えAランク冒険者の白騎士レオンとの決闘にも勝利したとか! 私は見ておりませんがなかなか圧勝だったらしいですよ!」


「まじか!? 白騎士って言ったらタラシにナンパに即宿で有名な奴だよな? しかもAランクで強いから誰も手に負えなかった奴じゃないか? お前さんよくやったな!」


「タラシにナンパに即宿だけを聞けばまじで最低な奴だよな…まぁ、カレンに言い寄ってきたから阻止しただけなんだけどな」


 カレンは大事な仲間だからな。

 それに俺が創造した大事な家族であり娘の様な感じでもある。


「そうじゃのぅ〜盗賊相手にも傷つけさせはしない! なんて言っておったしのぅ〜?」


「そうね、大事な仲間だ! なんて事も言っていたわ!」


「かっこいいわね! 私も言われてみたい!」


「お前さん普通そうな顔してるのに…やるな」


「普通そうな顔は余計だっ! それとその弄りはもう勘弁してくれ…」


 恥ずかしいから…


「まぁ、ガルムキング2頭の討伐にAランク冒険者との決闘に勝利…それなら国王様も悠真の事を気になるのも当然か…なにせ…」


 あぁ、なんか嫌な予感がしてきた…

 俺が呼ばれた理由って…


「強い奴と戦いたいっていう…俗に言う戦闘狂だからな」


 やっぱりかぁぁぁぁぁぁ!!!


 こうして悠真はほとんど国王と戦う事が決定したのだった…


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