第2話 明 ーミン ー
連続投稿します。
ー 翠ノ国 ー ロアの村
「こんにちはー」
明るく挨拶をして薬屋の店に入ってきたのは、18前後の見目麗しい少女だった。
「煩いね。そんな大きな声を出さなくても聞こえるよ明」
不機嫌を全面に出してはいたが、袖にするでもない態度で対応する老婆。
「だってもう直ぐなのよ収穫祭は!」
「収穫祭で騒ぐのは良いが、あんたのはほんに収穫物が目当てだからねえ」
呆れたような老婆の言葉に不思議そうにする明。
「ん?…収穫祭でしょ?他に何を楽しみにするの?」
「明。お前さん村の若い連中に収穫祭で踊るパートナーに誘われたろう」
「んー誘われたけど断ったわよ?だって収穫祭の巫女として出るのだもの」
「ホッホッホ。かわいそうにのう」
「???」
アンは老婆の言う事がイマイチ分からなかった。
(あれ?そういえばあの子達断ったら肩を落としてたわね?逆に椎達が「流石明よねー」って言ってた。椎もお婆も一体何なの?)
と考えからも一歩抜けている明であった。
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ー side 明 ー
こんにちは。私は明と言います。
18歳なはずです。実は私8歳くらいの年にどういう訳か記憶を失くして更には親も分からずに居ました。
そんな時旅をしていたお婆に拾われて魔法薬や薬草を作るお手伝いをしながら今日まで育てて貰いました。
お婆と出会ったのは翠ノ国の隣の国だった。
お婆は薬草や魔力草を使って薬を作る薬師の仕事を生業とし、今回は隣国にのみ生息して居る薬草を獲りに来ている最中だったって言っていた。
なんか私を見た時、何時もならほって置いたけど助けなきゃ行けない気になったんだって。
まあよく分からないけどそのお陰で、生活に困らない様に仕込んで貰ったしお婆のお手伝いも出来るし良いよね。
明日はいよいよ収穫祭。
収穫祭では村から1人収穫の巫女を選んで奉納の舞を踊るんだって。
その舞を踊った後みんなで収穫し、収穫の神様に初物を奉じて後夜祭へと移る。
収穫出来た物が私は楽しみで仕方ないわ!
お読み頂きありがとうございました。