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福虫
私が育った地方では、裕福な家に生まれる障がいを持った子は“ 福虫 ”と呼ばれていた。
その子は家の業を引き受ける代わりに、家が栄えるので畏敬の念を以って大切に育てられていました。
福助をイメージしてもらうと、分かりやすいかもしれません。
インドでも、手や足がたくさんある子が生まれると「神様の生まれ変わり」として大切にされることがありますが、それとよく似ています。
日本の場合、脳性麻痺、自閉症、知的障がい・・・・幅広い障がい者に対し、福虫と呼ばれます。地域によって、「福子」「宝子」とも呼ばれているようです。
我が一族の本家にも、その「福虫」と呼ばれる人がいて、長らく本家の御簾の奥にその人は隠されていました。
ここ数年、お正月やお盆の時に顔を合わせるくらいのお付き合いで、見た目は二十代前半の非常に端正な青年です。
口数が極端に少なく、どこにどんな障がいを抱えているのか、子供だった私には聞き出せないまま今日まで来てしまいました。
しかし、私は彼の正体を知ることにより、まさか自分の人生にこれほどの衝撃を受けることになるとは思いもしませんでした。




